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2023年4月の記事一覧

4/28 『笑って人類!』を読んだ

太田光の小説を読んだことは今までなかった。ラジオは毎週聴いてるし、時事にまつわるエッセイ本などはちょくちょく読んでるのに、過去に出た小説作品2作のことも知りながらスルーしていたのは、お笑いとして見ていた相手を小説家として見ることにある種の抵抗というか、障壁があったからだ。上下や軽重の違いがあるのではない。同じエンタメとして認識しつつも、相対してるときに使っている回路が違う、とでも言おうか。逆もまた然りで、小説家やそっち方面の人にお笑いを語られるのにも抵抗があったりする。別に本

4/18 『アメリカン・ブッダ』を読んだ

柴田勝家作品は『ヒト夜の永い夢』だけ読んだことがあるが、主人公の南方熊楠についてほとんど知らずあらすじや出てくる単語の面白そうさだけで買ったにも関わらず、面白く読めた。なので今作もタイトルの面白そうさだけで買ったけど、大丈夫だろうと思ったのだった。 「鏡石異譚」は、最近タイムスリップタイムリープものを見ると全部『タイム・リープ あしたはきのう』と見比べちゃうんだけど、これはそれと似ていながら、仕組みとしては真逆になっているようでもあり、面白かった。記憶と量子物理学が密接に関わ

積読リスト(2023年4月現在)

3か月前から、7冊(上下巻も数えれば8冊)を消化、14冊(上下巻も数えれば16冊)が追加されている。これは2月の誕生日に、自分で自分へプレゼントとして、近隣の書店を渡り歩いては目に留まった本を買いたくるということをした為だ。予算を1~2万円と決めてあちこち買い歩くのは楽しかった。買えば買うほどバッグが重くなって終盤は大変だったが。 そんなイレギュラーがあったのでリストは伸びてしまっているが、数えてみれば、意外と消化できている。リストにないものも数えれば、14冊読んでいるわけだ

4/6 『屍人荘の殺人』を読んだ

映画は公開当時に観ていた。 細部は忘れていたが、おおよそのあらすじなどは覚えていたので、それらを頭に浮かべつつ読んでいたから、状況や展開などはするすると呑み込めていった。映画との大きな違いは、登場人物の調整などを除けば、葉村くんの一人称視点で語られているということがやや驚きだった。キャラもちょっと違うし。ありていに言うなら、ラノベっぽい語り口だった。葉村くん自身はキャラ重視のライトミステリはお好きでないようだけど……それともツッコミ待ちだったのかな。 明智さんは、なんなら映

4/2 『ぼくらの悪魔教師』を読んだ

新学期も始まったことだし、10ヶ月ほど空けていた「月1ぼくら」の催しを再開。いよいよ初めて読む徳間文庫の『ぼくら』だ。これまでの角川文庫で出ていたものは、忘れていたところも多々あったけど概ねかつて読んだことのあるものだったが、これ以後の徳間文庫から出ている7冊は未体験の領域。この7冊を読んでしまえばいよいよ本当に『ぼくら』が終わってしまう、英治たちとお別れしてしまうと思うと、わりとマジで胸がざわざわとしてきてしまう。いやまあ、現在でも角川つばさ文庫から中学時代の新作書き下ろし

3/31 『チルドレン・オブ・リヴァイアサン 怪物が生まれた日』を読んだ

海から来た怪物による3.11があり、それから11年を経た現代という設定。の割には、成人年齢はまだ20歳のままなのかな。ギデオンには20歳までしか乗れないというのなら、むしろ現実より成人年齢が引き下げられててもよさそうなものだ。それこそ15歳とかになっててもおかしくないくらい、この世界は歪んでしまっているんじゃないか。 ロボットものというよりは青春ものという感じで、そこがちょっと思っていたのと違ったが、3.11を起点に作り上げられた作品だということを知れば、それもそうなるかと納