境界線がなくなる一体感を〜あなたがあなたであるために
こんにちは、心月です。今回は《創る》という概念で大切なことは何か? 考えてみたいと思います。
クリエイティヴというと「創作意欲」という言葉がありますね。何かを作るうえで誰もが根源的に持っている本能と思われがちですが、実のところ、ボクにはあまりしっくりきません。
「創作意欲が湧く」ということがないからです。
なぜかと言えば・・ボクにとって創るまえに大切なことがあるのです。
それが「一体感」です。
たとえば、
雨上がりの朝に歩く湿った土の匂い
足元に感じるアスファルトの温度
季節ごとに変化する森の草花のゆらぎ
これからはじまる1日のことを考えながら観るベランダ越しの空
瞑想のあとに喉に感じた思いがけず清らかな水
猫の目のようなかたちの飛行機雲
「いいなあ」「好きだな」「きれいだな」と感じる瞬間は、いつも日常にあります。
つまり、クエイティヴィティで大切なことは「イメージが先にある」のではなく、本当はなんども出逢っている目の前の事象にどれだけ一体感をともなって気づき続けるか?ということだろうと思うのです。
そうして、美しいと思うものに出逢ったら、呼吸を整え、思いっきり感じるようにする。感じきってその場に溶け込んでしまうような感覚が「一体感」のイメージです。
ボクのモデル表現で言えば、「演じたい」という衝動はそのずっと後にやってきます。「絶対いい仕事をする!」「今日こそは凄い写真になる」などと思っていたら、それは力が入りすぎ・・・
そんな風に人間のエゴだけで意気込んでいると、本質的なことは何も見えてこないものです。
結局、大事なのは「感じる」こと。
そのときの自分の純粋性を信じること。
この視点がないと「創る」にフォーカスできないのではないでしょうか。
それに、感覚は磨いていないと何も生まれないしアイデアや気づきも少ない。そう考えると、ボクたち人間が五感を持って生まれたのは「感じる才能を充分に発揮するため」なのだろうなと思わずにいられません。
深く感じ、味わい
浸り、浸透させ
そして自己の境界線が消える一体感を愉しむ。
その後はそれぞれです。
写真表現しても良いし、映像や声、絵に描いてもいい
音楽にしても、踊っても唄っても
文章に書いても、人に話しても
セラピーを施しても、祈っても・・・・
多種多様な表現で現れてゆくのでしょう。
もちろん純粋に、ただ感じる、聴く、触れる、味わう、視る
極端に言えばそれ「だけ」でも良いと思います。
五感をフルに使うことさえできれば、その感動をどうするのかは好きなようにすればいいのです。
クリエイティビティとは言っても、多様性を楽しみ、ただ在るだけの世界を知れば、たとえ、どれだけひとと違った感覚を持っていたとしても優越も批評も生まれません。
「イメージが先にある」でももちろん良いのですが、それに従って余裕をなくしている時があればいったん、そこから離れてみると世界が広がります。
もし、「あなただけの本当」に触れるために見たくない現実から逃げていたとしたら気がつけるチャンスかも知れません。
あなたがあなたであるために感じ方を深めることは、クリエイティブや建前のスキルを身につける前に必要なことがたくさんあるとボクは思います。
あなたの目の前の現象をすべて受け取り、一瞬一瞬の時間に感謝していると
自然と感度が磨かれてゆきます。
それを素直に表現できるとしたら、素晴らしいでしょうね。
ボクもそんな境地を目指して行きたいと思っています。
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