90'sわたし的名曲シェア〜スピッツ『冷たい頬』
◎スピッツ『冷たい頬』
1998/03/18発売の18thSingle
スピッツはずーっと大好きなバンドです。
いわゆるバンドサウンドなのに他のバンドとは確実に異なる質感の音楽と歌が、自分にとても馴染むのです。
キャッチーな楽曲を産み出しながらも永遠に解けないパズルのように難解で深淵な世界観や、シンプルに思わせて実験的なサウンドメイクがとっても魅力的です。
その中でも圧倒的に思い出のある楽曲が『冷たい頬』。インパクトのある歌いだしの一節でご存知の方も多いかと思いますが、自分と成分が似ている、自分に混ざり合うような感覚を覚えて、当時から繰り返し聴いていました。
メロディもAメロBメロの2つしかなくて、どちらかがサビなのかもはっきりしないもの。
でも半ばのソロやサウンドの妙で、じわじわと感情の振れ幅が大きくなっていきます。そして切なく虚しく、でもどこかすっきりと時を経て終わっていく歌。
正直、こちらにリンク貼る時に初めてMVをみました。思ってたのと少し違ったかも。私の中ではこの曲のイメージは、アルバム『フェイクファー』で聴いていたのでジャケットの女の子と、初回盤の乳白色のケース、そしてうすピンク色。
シングルのアートワークもこちらと一貫していますが、まさに冷たい頬/フェイクファーのイメージをあらわしていて、心をくすぐるジャケットランキング永遠のナンバーワンかもしれないです。
歌詞もどこをとっても美しく、胸にもやもやと湧き上がる、若さゆえの現実から抜け墜ちた高揚感と痛みがまばゆくて。
なぜ、掴みきない、理解し得ない歌詞なのにありありと切なさに駆られて息苦しいのでしょうか。ラストへ向かうBメロ(なのかサビなのか)の一節が、特に美しく印象的です。
私の個人的な解釈でしかないが、『逆上がりの世界』も『壊れながら君を〜』もファンタジックで頽廃的で、決して良い未来を感じさせず。
なのに、ひたすら求めてしまう刹那のあやうさ、美しさ。
そこに止め処無く降り注ぐ『時のシャワー』。
ほんと、恍惚とするほど美しい詞世界ですよね。まさに、スピッツの世界が極まったカタチの名曲であると思います。
また、次の機会にも90'sのわたし的名曲、ご紹介したいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます(*^。^*)
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