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カルチャーショックリハビリ日記その11 「ハクション大魔王」 (2003)

さて、いきなりだが私は「ハクション大魔王」である。早い話が、いつでもどこでもクシャミをして鼻をかんでいるアレルギー性鼻炎持ちの、とってもとっても繊細な女の子なのだ。だけど魔王。細かいことはさておいて、もしも私があの魔王のツボを持っていたならば、魔王は出たり入ったり忙しいであろう。ちなみにいつでも眠いのでアクビも頻繁である。アクビちゃんも大変だ。

そんな私の必需品はティッシュ。とにかく、いつ、どこで、どのように鼻水が出るかわからないから、常に持っていないと洟垂れのみっともない中年女になってしまう。

極貧イギリス暮らしの時も、ティッシュだけは何らかの形で常に所持していた。そう、「何らかの形」で…

イギリスで売っているポケットティッシュは何故か3枚重ねの、丈夫な10枚セットの物のみであり、一度鼻をかんでポイ、とはとても出来ないような高級感がある。そう、イギリス人の中ではハンカチで鼻をかむ人がたくさんいるのだ。いつか知り合いのイギリス人男性が、鼻をかむために何処からか取り出したる物、それはクシャクシャで薄汚れたハンカチ。それで一発ブーッ(音もすごい)、そしてまた元のところに戻すという、我々日本人には想像出来ないような事をごく普通に日常生活の中で営んでいるのだ。というわけで、イギリスのポケットティッシュは鼻をかんではポケットにしまい、また乾いた頃にかんで、またポケットに、と言うことが出来るようになっているのである。

そんな高級品をわざわざ金を出して買うと言うことは私には禁じられていたので(たまには買ってましたけどね)、どうやって調達していたかというと、

1、 ファーストフード店やカフェのナプキンをガバーッと持って帰る

2、 トイレに備え付けの手ふき用紙タオルをガバーッと持って帰る

3、 折りたたみ式トイレットペーパー(ロールになってなくて、ティッシュの用にたたんで容器に入っており、下から引っ張り出すようになっている)をガバーッと持って帰る

いいですか、皆さん。これは立派な窃盗です。真似してはいけません。真似をすると鼻の下がガビガビになり、赤くなります。それにもめげず、お馴染みの「M」のロゴ入りナプキンで良く鼻をかんでいた私でした。家ではもっぱらトイレットペーパーでちまちまと洟をぬぐっておりました。ミシン目の最小単位で切断して…

それに引き替え、日本という国は何と素晴らしい国でしょう。私が先日札幌駅前から大通までの数百メートルをダラダラと歩いただけで、手元に10個以上のポケットティッシュが集まったのでした。お陰様で、Mクドナルドでナプキンを持って帰る必要は無くなりました。ですが、Mクドナルドのナプキンで鼻をかむのが平気になってしまいました。音も立てます。もちろんMクドナルドで、です。ああ、みんな、アタシを見ないで…

今日も「T富士」のお姉さんを見ると駆け寄る日々です。ではまた近々。

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