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カルチャーショックリハビリ日記その12 「イーストエンドは鬼ばかり」 (2003)

冬到来!と言った感のある今日この頃、皆さんいかがお過ごしですか?「寒い時は引きこもりに限る」主義のポル子です。この時期だと家でテレビを見る機会も多くなるかと思いますが、私はたまたま今日休みでCATVをプチっとつけたら、懐かしの「スチュワーデス物語」が!そのチャンネルはほぼ一日中と言っていいほどスチュワーデス物語祭りでした。気が狂いそうになりました。しかし懐かしさのあまり見入ってしまいました。大笑いしながら。この頃の日本ではそういう風にハマれるドラマってないなあ…

イギリスにいた時はいわゆる「Soap Opera(ソープ・オペラ)」にハマりにハマっておりました。意味や語源はご存じの方も多いでしょうが、特に石鹸のメーカーがスポンサーでなくともその手のドラマは全て「SOAP」で片づけられています。解説させて頂きますと、日本で言えば昼メロ、または「渡る世間は鬼ばかり」はこれに相当すると思います。雑多なキャラクターがいろいろな愛憎劇を繰り広げ、婦女子を中心に支持される番組をそういうカテゴリーとして扱っているようです。もっとも男性のSOAPファンもたくさんいましたけど。

その中で私が大好きだったのはBBCのEastendersと言う、ロンドンのイーストエンド(下町です)を舞台とした、かれこれ20年近く続くドラマです。余談ですが、他局ではマンチェスターを舞台としたCoronation Streetという40年くらい放送されているSOAPがあります。

Eastendersの内容は…一言で言って「ありえない!」です。とにかく人間関係が複雑。Walfordと言う架空の街の中でのみ行われる愛憎劇。ウェストエンドに出かけるとかそういう場面はほとんど無し。恋愛は全て手の届く範囲で間に合わせる。それがたとえよそ様のダンナでもお構いなし。一番凄かったのは、母親の新しい彼氏が、その娘の昔付き合っていた男。結局娘(既婚)とその男はいい仲になってしまい、母親と自分のダンナにばれて大騒ぎ。娘は離婚して、マンチェスターに逃げました(という形で降板)。または街で評判のワル兄弟。弟の嫁と出来てしまう兄、兄の嫁と出来てしまう弟、別の意味でも兄弟になり大げんか。

こんなのを国営放送で、夜7時半から放送してもいいんか?!と思ったものですが、下町なのに喧嘩する時はみんな妙に大人しい。いわゆるfour-letter wordが出てこないのです。せいぜいbitch!くらい。一応気を配っているらしいです。もちろんドロドロ恋愛のみならず、お金や教育の問題など取り扱われるのですが、「ありえない!」とはいいつつイギリスの世相を反映したリアリティもあり、イギリス人の心をグッと掴むドラマらしいです。私も日本人ながらグッと掴まれました。今でも友達がたまにビデオを送ってくれます。

日本に帰ってからどのテレビを見たらいいのかわからず、困っていた時にふと目に止まったのが「渡る世間は鬼ばかり」。日本にいた時は一度も見たことがありませんでした。あの手のドラマは苦手だったので… しかし見始めたら、こっちだって「ありえない!」の世界、かつリアリティあり。ドロドロ愛憎劇はないけれど、複雑な人間関係…これぞ日本のSOAP!

両方に共通していることは、人間の悪い面を描き出すのが非常に上手いと言うこと。パーフェクトな善人が出てこない。本当に鬼ばかり!(でもピン子の役は鬼じゃないなあ)今は遠い国を思い出して懐かしくなりました。

今は寿賀子先生お休み中だそうですが、早く新しいシリーズが見たいと思う今日この頃のポル子でありました。「食わず嫌い」も「どっちの料理ショー」も貧乏人には悲しすぎます…

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