カルチャーショックリハビリ日記その7「What a ワンderful world」 (2003)
「動物好きに悪い人はいない」もしこの言葉が、例えば水は水素と酸素からなるということのように、科学的に証明されるならば、私は悪人である確率がかなり高いと言うことになる。
そうです、私は動物が嫌いです。嫌いというか、馴染みがない上に興味もないんです。
所謂ペットというものを飼った経験もほとんどありません。田舎の山育ちの私は「野犬には注意しろ」と子供の頃から口うるさく言われていたので、犬イコール子供を襲う動物であると固く固く信じ続けていました。野良猫も道の真ん中で礫死体になっていることが多く、またえらくカラスの多い地域だったため鳥も苦手でした。私はどんなに努力してもムツゴロウさんとは分かり合うことは出来ないだろう、と良く冗談交じりに言っていたものです。
そんな私がイギリスに行くことを決めたとき、一番不安だったのは「イギリスにはやたらめったら犬好きが多いらしい」ということ。日本でも犬に道ですれ違うと、首輪で繋がれていても必ずと言っていいほどガーッと寄って来られるので怖くて怖くてしょうがなかったものです。ところが実際行ってみると、イギリスの犬は私には全く興味がないようで、すれ違おうがそばにいようが、絶対飛びかかってくることはありませんでした。それに、ほとんどの犬が首輪で繋がれることもなく自由に駆け回り、その犬の後ろをの~んびりついてくる飼い主。かと思えば、犬は飼い主のちょっとした合図ですぐ戻ってくるのです。
やはり国民性が違えば犬のしつけ方も違うのか、と思いました。首輪はつけてなくてもちゃんと帰ってくるし、見知らぬ人に馴れ馴れしくしない。ある意味、犬に「個」としての人格を認め、かつ責任感を持たせようとしているのかな、とも。
日本の犬は、散歩させるときは大抵首輪で繋いで飼い主が一緒に走らされたりして大変そうだな~と良く思っていました。それは何処かに行ってしまったり、人に迷惑をかけるのを避けるため?日本の犬は好奇心が強くて、それで人に寄っていくんだよ、なんて話も聞きました。逆にイギリスの人間の幼児は良く紐で繋がれていましたね(笑)。小学生の子供はちゃんとお迎えが来ないと学校から家に帰れないんだそうです(そう言う法律があるらしい)。日本の子供は逆に野放しだったりして。責任感云々はどうだか知りませんが。
犬の話に戻りますが、襲ってこないし飼い主に忠実なのはいいんですけど、あっちこっち駆け回るもんだから、結果として飼い主の知らない間に…あらゆるところで排泄行為をしているわけですよ、イギリスのお犬様は。道を歩いていて犬の排泄物を見ない日は一日たりともありませんでした。良く学校の友達が「帰りあの道には気をつけな、ウンコ道だったよ」と警告してくれたものです。こうなると「個」だの「責任感」もクソも(失礼)ありませんね。
まあ、動物に興味のない私がこんな勝手なこと書いて非常に恐縮ではありますが、犬に怯えることなく(排泄物には怯えつつも)4年間を過ごせて良かったと思っています。
余談ですが、某金融機関のコマーシャルの影響でチワワが大流行らしいですが、私はあのお父さんの方がずっとずっと可愛いと思うんですけど…
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