青影

無謬の夢を夢見ると青い影が言った 假令ば、日々の喧騒や堅苦しい定型分と共に 飽きもしない味を敢えて選んで 噛み砕くのだ 痛い痛いと現実だけを願った 願えば 生きている感覚がした 質量なんて 本当は感じない 窮屈な満員電車に肩を揺らせば いつだって 誰とも同じ機械になれた 安心さと同じくらい誰も触れないでと願っている 途方も無い自意識だ 誰だって機械と云えば 側に同じ人間がいることへの悍ましさを感じなくて済む
一定の距離が必要な「人間」の「境界線」が、自分を含め機械と名付けた人間達にも在るとしたら、皆、定を守るのだろうか 
簡単に「造花」を「踏切」と言い切って
    感情   境界
造られたものへの線を 越えようとするのだろうか「正しい」と名付けてみたものの 何も返ってこない 私の安息は 一定の距離に 青い影を保つ人間が持つ造語に溢れかえる 青猫のような 歩き方で 其れも結局 機械的だ 見慣れた光景だ 
無謬の夢を夢見る、と大した言葉じゃないのに 機械の悍ましさに慣れる頃には 痛覚が無くなることへ 不安を憶えた 手に余る感覚が 造花が一番「綺麗」だと 教えた 踏切を「正しい」と言いやった  夢をみることすら忘れた 私には重かった 生きると感じる事が 教わっても重かった 重くて仕方なかった 重さを敢えて選んだ 其方のが「正しい」のだろう 

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