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子カマキリ

車の後部座席に

数センチの小さく細い茶色い子カマキリがいた。

パン屋さんに寄ってから車の後部座席を開けると

その子カマキリがいた。

あらあらと

子カマキリを指で追うと

どこかへ行ってしまった。


駐車場に落ちると

子カマキリは生きていけないと思い

申し訳なく思った。


買い物から帰り後部座席を開けると

なんと

その子カマキリが

いるではないか。


幸運の子カマキリだと思った。


その後、その子カマキリを庭の木の下に置いた。

頑張って生きてと思った。


二階の寝室の天井にも

同じような大きさの子カマキリがいた。


どこかで大量に子カマキリが生まれているようだ。


あくる日も、天井の同じところにいた子カマキリ


昼頃になって

今度はベッドのところまで降りてきていた。


ベッドから追い払ったので

フローリングに降りていった。


その後、子カマキリを探してみると

くしゃくしゃになっている体を見つけた。

あー

死んでしまったと思った。


よく見てみると

それは脱皮した後だった。


ベッドの下で子カマキリを見つけた。


ずっと何も食べてはいないのではないかと

心配した。


窓のところで死んでいたコバエを子カマキリの前に置いたが

反応しなかった。

生きている虫でないとだめなのか。

子カマキリに対しては大きすぎたのか。


その翌日

再びベッドの下をのぞくと

子カマキリは、体に足を揃えて一本になって本当に死んでいた。

脱皮ではなかった。


ベランダに出して

手を合わせた。


はかない命

どうにかならなかったのか。


すぐに外に出してやるべきだったのか。


いろいろ思った。


一緒に生まれてきた多くの子カマキリたちの多くは

このように

はかなく命を終える。


そして

運よく生き延びた子カマキリが脱皮を繰り返し

多くの虫に恐れられる大きな肉食のカマキリと成長する。


自然界は厳しい。


だから多くの子カマキリが生まれてくる

そのうちの誰かが生き延び事ができると

命をつないでいくことができる。


そんなことを考える。


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