ファンと家族

  最近話題になっている松本人志の性加害疑惑について、以下の記事から引用。

松本人志を自分の「家族」と見なす人々への違和感|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト (newsweekjapan.jp)


『「本人がやったと言うまで、信じます」というのは、犯罪加害者の家族がしばしば言うセリフである。私も、もしも自分の家族が加害者として容疑をかけられた場合は可能な限り信じたいと思っている。
と考えていくと、松本人志をやたらに擁護している人々は、「迫害と結束のストーリー」に囚われているのかもしれない。ファンというのは、スターがピンチの時ほど結束する。つい最近、ジャニーズ問題でさんざん見せつけられた光景だ。善悪の判断や合理性は二の次で、「大好きなスターがピンチだから、ファンとして助ける」という思考回路をたどるのだろう。
それは本当の家族や友人であれば美しく見えるかもしれないが、大量のファンが一人の芸能人に対して発動すると暴力的ですらあるし、新興宗教のようでもある。「松本人志を信じます」という声は、「被害者の話は信じません」と言っているに等しい。』

松本人志を自分の「家族」と見なす人々への違和感|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト (newsweekjapan.jp)

 また、以下の記事も是非読んでほしい。

SixTONES「肥」はなぜ炎上したの? ジェンダー学の専門家に聞く“ジャニーズとルッキズム”(2023/03/29 16:00)|サイゾーウーマン (cyzowoman.com)

 この記事に松本人志の件とも通ずる事が書かれていたので、一部引用します。特に大事な箇所は太字にしました。
 

 ——問題があることはわかっても「SixTONESが批判されているのを見るのがしんどい」というファンもいると思います。
田中 私にも推しがいるので、ファンが「推しは悪くない!」と思いたい気持ちはわかります。でも今回の件については、SixTONESメンバーの言動が問題なわけではないですよね。
 批判している人も、多くはSixTONESのメンバーではなく、プロデュースの環境や裏方として携わっているスタッフの人権感覚、ジャニーズ事務所のチェック体制、そして日本社会における人権教育の遅れを批判しているのだと思います。
ファンからの批判によって、ジェンダー観や人権感覚が改善されたアイドルもいますよね。例えば、女性蔑視的な歌詞の曲があったBTSは、ファンから批判されたことで、ミソジニー(女性嫌悪)から脱却するきっかけになったことは有名です。日本のアイドルも、BTSのようにアップデートすることは期待できますか。
田中 期待はしています。2010年頃までは男性グループというとジャニーズ事務所一強でしたが、最近はK-POPの影響を受けたグループなど、多彩なボーイズグループが活動しています。ファンの指摘を受け取って、それに応答しながら成長するグループが出てくることを期待したいです。
——今回はSixTONESでしたが、ジェンダーやルッキズムに関する発言で批判された経験のあるジャニーズは数知れず。もしかしたら、自分の推しが炎上する可能性もあります。そんな中で“推し活”をする人々へメッセージをお願いします。
田中 エンターテインメントはグローバル化しています。グローバルスタンダードなジェンダー観や人権感覚に照らし合わせて、ファンが推しを育てるという意識も大事になってくると思います。
 もし推しが炎上したとしても、推しの存在や人格が攻撃されているわけではなく、対象となる言動が批判されているだけ。批判している人も、「その行為をやめてほしい」とか「なぜ問題なのか知ってほしい」という願いを込めて声を上げているんです。なので、批評することと推しを愛することは両立すると覚えておいてください。

SixTONESファンに覚えておいてほしいこと「推しの言動を批評することと愛することは両立する」(2023/03/29 16:00)|サイゾーウーマン(2ページ目) (cyzowoman.com)

 ちなみに、この件が起きたのは私がSixTONESの音楽を聴くようになる前ですが、フィルターバブルやエコーチェンバーもあったのか、こんな事が起きていたなんて知らなかった。ショックです。

 SixTONSの件はプロモーションで起きた事なので、どちらかというと運営の問題ではあるが、メンバー自身もそれを許容したことになるので、深く内省している事を願います。事務所や所属レコード会社は言わずもがな。
 記事で言及されているようにBTSも過去に何のやらかしもなかった訳ではありません。けれど、ファンから指摘されて価値観を改めようとしたように、SixTONESにも社会や歴史に関心を持って欲しい。
 ちなみにSixTONESのファンダム名は「Team SixTONES」なのですが、YouTubeの登録者数が増えた事を「家族が増えた」と呼ぶようです(間違っていたら申し訳ございません)。私は彼らの音楽が好きなので今は聴いているけど、そこには正直モヤッとする。

 NEWSWEEK日本版の記事内でも、

『かっこよければそれで良い、面白ければそれで良いという具合に、芸能人というのは昭和から平成の長い間、一般の社会常識や倫理観からは少し遠い、別世界の人間として生きていた。私はいっそのことそれもアリじゃないかとチラリと思うが、世の趨勢はそうではない。記事内容が事実であれば、松本人志の今後の芸能活動は極めて困難になるだろう』

松本人志を自分の「家族」と見なす人々への違和感|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト (newsweekjapan.jp)

 とありますが、今の時代アイドルもただ歌って踊っていれば良い訳ではない。最近歌詞や振り付けで問題になったボーイズグループがいますが、特に日本人は社会はもちろん、アジア諸国を侵略していた歴史と向き合わなければ成功は難しいとつくづく感じた。
 
 こうして自分で書きながら思いましたが、「ファンがアイドルを育てる」のではなく、「アイドルと一緒にファンも成長していく」のが理想的なファンダムではないでしょうか。
 推す側にも推される側にも完全無欠な人間なんていない。一人一人のペースは違うだろうけど、内省しながら考えを調整していくしかない。
 私も私自身の価値観を顧みて成長していきたい(その前に就職・・・)。

 長文にお付き合い頂き、ありがとうございました。


 望月 香夜

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