NASDAQ100指数 隔週次チャート分析[2024/1/1週目]
1. はじめに
はじめまして。テクニカル分析をもとにトレードを行っている「望月ういの」と申します。自分自身でしっかりチャート分析する習慣をつけるためにも自分自身の分析を記事にしたいと思い書きました。
また、もし読んでくださるどなたかの参考になる部分がありましたら幸いです。
基本的に月足が確定されたあとの第一週末、第三週末の月2回程度の更新頻度で考えています。デイトレをするにしても環境認識は大事ですし、スイングであれば詳しく見るのはそれくらいの頻度で良いかなという感じです。詳しく分析するのは各月でこの2週末ですが、個人のトレードという意味では毎日観察しながら微修正していっています。
2. 分析の骨子
ダウ理論をもとに、いろんな視点で分析してみようと思います。ダウ理論は6つの理念があり、それぞれに対して行う分析方針を下記します。
2-1. ダウ理論 (1) 平均株価はすべてを織り込んでいる
NASDAQ100は平均株価指数ですので、ダウ理論(1)に従えば、現在の価格は過去・目先・先行きに関するあらゆる知見が織り込まれているということになります。すなわち、この平均株価指数をしっかり分析しましょうとなるかと思います。
そこで、本noteでは基本的に平均株価指数についてのみ触れたいと思います。
2-2. ダウ理論 (2) 市場には3種類のトレンドがある
いわゆるメジャートレンド、インターミディエイトトレンド、マイナートレンドと言われるものですね。これについては、マルチタイムフレーム(MTF)分析という形で、月足、週足、日足、4時間足のチャート分析をしていこうと思います。
2-3. ダウ理論 (3) メジャートレンドには3つの局面がある
アキュミュレーション局面、パティシペーション局面、ディストリビューション局面と呼ばれるものですね。エリオット波動理論的に言うと、推進波が5波動構成で、1波、3波、5波がそれぞれの局面に対応するものと考えます。
つまり、本noteではエリオット波動理論のカウントを試みます。
2-4. ダウ理論 (4) 2つの市場平均を確認する
ダウさんは工業株と鉄道株で、両方の平均株価が同じシグナルを出していないといけないとしていました。工業株が調子が良いと、その部品や製品を輸送する輸送株も調子良くなるよね、ということかと思いますが、それをNASDAQ100で考えると……因果関係的な厳密性は欠けるとは思いますが、米国全体の景況感的な意味で、S&P500とダウ平均株価を確認するようにしようと思います。
2-5. ダウ理論 (5) 出来高でトレンドを確認する
これは書いてある通りですね。4時間足だと出来高が時間帯で全然ばらついてよくわからないので、日足以上で確認したいと思います。
また、本理念と趣旨はずれるかもしれませんが、価格帯別出来高についても確認していこうと思います。
2-6. ダウ理論 (6) トレンドは明確な反転シグナルが出るまで効力を持つと仮定する
これは分析の中で触れればよいかと思います。明確な反転シグナルとは?となるのですが、本noteでは「フェイラースイング」「ノンフェイラースイング」「反転を示すチャートパターン(といってもフェイラースイングやノンフェイラースイングに大体当てはまるとは思いますが)」という観点で見てみることにします。
3. 免責事項
投資は自己責任です。本note記事の内容及びリンク先から発生するいかなる損失や損害、被害について、投稿者は責任を負いかねます。
本note記事は会員登録なしでどなたでも閲覧可能です。
本note記事は個別の株式(有価証券)の価値について述べるnote記事ではございません。
特定の売買ポイントを具体的に述べるものではありません。
テクニカル分析は将来の値動きを予想したり当てようとするものではなく、現状を分析し、様々なシナリオを想定することで優位性のあるポイントを掴むものだと考えております。本noteに記載されるものは1シナリオにすぎず、その通りに価格が動くことを予言するようなものではございません。
4. NASDAQ100指数分析
4-1. エリオット波動分析
まず、エリオット波動理論をもとにカウンティングを行ってみたいと思います。この波動カウントの結果を次のMTF分析の項で考慮します。
最初なので少し丁寧にカウントします。次回以降はカウントの破綻が確認できたら考え直すようにしようと思います。
ひとまず大きな波を捉えるために、3ヶ月足で見てみます。エリオット波動カウントをするために価格を対数表示にして分析します。
エイヤでカウントを振ります。①の波は明らかに大きな下落なので、リアクション波(2波か4波)と想定します。正直、価格データがこれ以上無いので、エイヤで2波とカウントしておきます。
次に一回り小さい階層で、黒のラインを見ていきます。こちらは5波カウントでき、形的にもインパルスと言えそうです。また、②と③に記載の通り、それぞれが2波と4波にカウントできそうな気がします。
次に月足で黒のラインの下位の階層を見ていきます。3波のところは上図の青線のように5波でカウントできる気がするので、そこまでは一旦正と置いて、直近数年をクローズアップしてみます。
青線のようにカウントしました。④記載部分の波は5波動構成だったので、いったんトリプルジグザグとカウントしました。5波動だとジグザグのA波(ダイアゴナル)の可能性もあるかなと思っていましたが、続く波動が5波動っぽい感じなので5→5→?となったので、ジグザグの5-3-5は破綻したと考えられるので、上図のようなカウントにしました。
一応、推進波(5波、A波)→修正波(WXYXZ、B波)→推進波(5波、C波)のジグザグパターンも無くはないのかもしれませんが、ジグザグが価格修正という特性があることを考えると、A波の始点をB波が超えているのはさすがに戻しすぎであり、ジグザグでないならフラットと見るべきと思います。フラットの副次波は3-3-5の構成なので、5-5-?となっている現状と合わないかなということで、上図の形が今のところ個人的にはしっくり来ています。
つづいて、直近1年の部分を日足で見てみます。
この範囲は、黒の5波を構成する推進波(青線)とカウントできます。さらに、青線(4)波と(5)波を水色の副次波のようにカウントしました。(4)波っぽい位置にまた5波動構成なのでWXYXZとカウントしました。5波動構成の修正波はトライアングルもありますが、どう見ても三角持ち合いでは無いですもんね。
さて、(4)波の次は推進波である(5)波になりますが、⑥のように5波動をカウントできなくはないのですが、4波があまりにも小さく自信がありません。。このカウントが妥当そうであれば、黒線レベルの5波が終わって、大きなリアクション波が発生する可能性ありと考えられます(下図⑧)
別のパターンも少し考えてみます。下図を見てみてください。
現在がまだ水色の4波が終わっていないという想定です。図のようにabc波として修正波であるフラット(拡大型)が形成されるという想定です。そうなるとまだ1つ上、2つ上、3つ上の階層の5波目が終わっていないということになります。そうなると多少の調整ののち、水色の5波目が始まるのかなと想定することができます。
いずれにせよ、以上の分析から現在の形からは下落優位と考えられると思われます。
エリオット波動理論によるカウンティングを以上で終わります。
4-2. 月足チャート分析
それでは、MTF分析に入っていきます。MTF分析では、色々な観点から分析を進めていきますが、私がこれは注目しておいたほうが良いかなと思うものを記載します。
まずは月足です。下図はUS100の月足チャートです。
①記載のように安値と高値が切り上がって上昇いるので、直近では上昇トレンドであると判断できます。
②のあたりを見てみると、2021年の高値を試している様子が見えます。一応高値超えし、最高値を更新していますが、ヒゲになって押し戻されています。終値の実体は高値を超えてはいますが、この付近はとても重要なラインになると思いますので、もうしばらく攻防が続くのではないかと思われます。
4-3. 週足チャート分析
次に週足チャートです。
直近の動きを見ると③のように高値と安値が切り上がっているため上昇トレンドにあると判断できます。年末ラリーというやつでしょうか……
しかしながら、④のように、目立つ高値を結んだラインを引いてみると、ちょうど現在値がそのライン近傍で止まっており、2021年の高値水平線(緑線)と合わせて抵抗になっていそうか。
上図は移動平均線を表示させました。少し多いかもしれませんが、5本の移動平均線を表示しています。ジグザグした線がSMA、なめらかな線がEMAです。パラメータは図の左上に書いた通りです。
この図を見ると、パーフェクトオーダーで上昇しており、いずれのMAも上向きで上昇が強い状況です。しかしながら、MAと価格の乖離は大きいように見えるので、いったんMAへ調整するような動きがあっても自然かなと思われます。
次に直近の出来高とプライスアクションを見てみます。出来高を見るにはCFDよりも指数を直接見たほうが良いかなと思うので、NDXで確認します。
⑥で出来高を見ると出来高が急落しており、上昇の勢いが衰えていそうということが見れます。年末だからかな?と思って、2022年と2021年も確認してみましたが同様の傾向が見られました。
⑦の足を見ると、出来高が多い大陽線になっています。勢いよく2021年の高値に向かう動きですが、出来高を伴っているのでかなり強い動きかなと思います。出来高が伴わずに大陽線になっていれば単に売り手と買い手が少なくギャップ足状態になっているだけで、みんな2021年高値付近に到達したら売ろうとしているのかなと解釈できましたが、しっかり買いが入っているということなので、2021年高値を超えるぞ!という勢いを感じます。
その後⑧は同時線で出来高も少ないので様子見モード。結局この2021年高値を超えるの?超えないの?と迷っているのか、単に年末だから様子見なのか、年末というタイミングの悪さでよりよくわからない感じです。おそらく両方だとは思いますが、いずれにせよ年初の動きは注目度が高くなりそうです。
4-4. 日足チャート分析
次に日足チャートです。
⑨で記載の通り、上昇ウェッジのような形を作っているように見えます。上昇ウェッジは下抜けしやすいチャートパターンと認識しています。また、エリオット波動理論では、エンディングダイアゴナルがこのようなウェッジの形で5波動形成し、ウェッジの始点まで戻るのが目安になると言われています。一応5波動構成っぽく見えるのですが、やはり4波が小さい気がするのでフラットの形でウェッジの下限ラインで反発して5波目が伸びる可能性はあるような気はします。
⑩のポイントが日足押し安値ラインになります(図中で「戻り安値」と書いてしまったのは誤字です。。後日気づきました)。日足としては上昇トレンドであり、この日足の押し安値ラインを割ると上昇トレンドが終了したと考えられます。
⑪4波が終わってない場合、図示したような5波目が新たに形成されてから下落するかも?ウェッジの上限や直近高値を5波が超えないフェイラーになる可能性もあり。
⑫の図示した領域の価格帯別出来高が非常に薄く、この領域まで価格が動くと、すっと下のところまで落ちるかもしれません。
⑬ウェッジで上昇している波で価格帯別出来高を見ると、図示した紫のボックスあたりにボリュームゾーンがあり、支持帯としてここで一旦動きが止まる可能性が考えられます。また、この支持帯はフィボナッチ38%戻しの領域であることや、週足押し安値という重要なラインがあるので、この支持帯を一気に抜けることは考えづらく、反発して上昇するか、しばらくもみ合うかするかもしれません。
移動平均線を見てみます。
移動平均線を表示させると⑭に記載の通り、パーフェクトオーダーで上昇しています。上昇強いですね。⑮に書いた通り、75EMAが支持帯と被り、下落を抑える一員になるかもしれません。※図の左端の価格では75EMAで少し支えられて少しもみっている様子が見られます。
オシレータを見てみます。
⑯に書いたように、RSIを見るとダイバージェンスが発生しており、上昇に陰りが見えています。さらに、⑰のMACDを見るとデッドクロスしそうです。上昇の優位性が衰えつつあるように感じられます。
次にプライスアクションと出来高です。
⑱で示している2本の陽線が1本の大陰線の中に含まれる形になっており、かつ出来高もそれなりにあるので、しっかり迷っているなあという印象。2021年高値ラインでのもみ合いなので、しっかり意識されているものと思われます。
⑲のラスト2日の陰線の出来高を見ると増加傾向にあります。これからどんどん下げていくぞーという勢いを感じる気がします。とは言え、出来高の絶対量は少ないので、どうなんでしょうね。
ダウ理論(1)にちょっと反するかもしれませんが、ここでFear & Greed Indexを見てみます。
EXTREME GREEDということで、かなり強欲という評価になっています。過去のチャートでFear & Greed Indexと価格の動きを見てみましょう。
画像下の折れ線グラフがFear & Greed Indexです。絶対こうというわけではないですが、80くらいまでいくとどこかで価格が下る傾向がありそうです。
長くなってしまいましたが、日足については以上です。
4-5. 4時間足チャート分析
NASDAQ100指数の最後として4時間足について見ていきます。
⑳で書いてあるとおり、直近は高値と安値が切り下げており、4時間足の押し安値を割っていることから下降トレンドであると判断できます。ただし、すぐ下に2021年の高値ラインがあり、このラインにタッチするも下ヒゲ陰線となっている足もあることから、多少意識されているかも?と見えます。しかしながら、図の左側では2021年高値ラインを行ったり来たりしていることから、ロールリバーサル的な動きを期待するというよりは、このラインの前後でもみ合うのかなーといった印象になります。
ボリンジャーバンドを見てみます。
㉑にあるように、ミドルライン(橙線、20SMA)が下向きかけています。価格がミドルラインよりも下にあり、傾きが下向いていると下降トレンドになったかな?と考えることができます。
㉒では価格が-3σにタッチして戻っています。±3σラインは価格が行き過ぎで戻しやすいというのがこれを見てもわかります。ちょうど緑線の2021年高値ラインもありますしね。さらに、最後の足を見ると-2σラインにとどまり、バンドもスクイーズから広がろうとしている様子が見えます。これからもしかしたらバンドウォークでずるずる下にいくかも?と期待できるかもしれません。
MTF分析はここで一旦終わります。各時間帯での現状をひとまず把握できたかなと思います。次にその他の平均指数についてさっと見てみます。
5. SP500指数分析
US500のチャートで見てみます。
①②に書いてある通りで、おおよそNASDAQ100と似たような動きをしています。ややウェッジをブレイクしてしまっているようにも見えますね。
ちなみに、US500のチャートでは2021年高値ライン(緑線)をまだ超えていません。ここを超えなければ抵抗になって頭を抑えられる展開になるかもしれません。
6. ダウ平均指数分析
次にダウ平均指数を見てみます。チャートはUS30です。
大体同じですね。2021年高値ラインを超えています。NASDAQ100とダウ平均指数が2021年高値ラインを超えており、S&P500が超えていない状況です。単純に多数決でよいかと言われるとわかりませんが、高値を超えて新高値をつけた方が優勢なのかもしれません。
②に少し書いていますが、ダウ平均指数だと、半値戻しライン付近での価格帯別出来高が気になります。S&P500を見かえしてみると68%戻しラインに目立った出来高が確認できます。NASDAQ100には無いですね…もしかしたらこの辺まで深く押すかも?なんて考察もできます。
7. まとめ
日足以上では上昇優位。4時間足では下降トレンドになっているが、ここから上位足に波及して下げるか、上位足の勢いに押されて一時的な押し目で終わり、上昇するかといったところ
各種インジケータ的には上昇勢いが衰えているように見えるため、いったんの下落があるのが自然か
私がカウンティングしたエリオット波動理論的には、上昇5波動が終わって下降3波が始まっているのではないかと推察(ただし、まだ4波の可能性もあるかも?)
仮にこれから下降するならいったん目標値は38%戻しあたりで、大きく伸びる場合はウェッジの始点まで考えられ、ショートの方がリスクリワード的には良いかも?(ただし、上位足は上昇優位のため逆張りであり、2021年高値ラインやウェッジ下限ラインがちょっとちらつくか)
米国株主要3指数(NASDAQ100、S&P500、ダウ平均指数)を見比べてもだいたい同じ傾向
8. さいごに
長々とさいごまで読んで頂きありがとうございます。初めてで拙い部分もあったかもしれませんが、どんどんより良くしていきたいと思っておりますので、今後も見てもらえると嬉しいです。
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