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#6 おじさん先生の眼鏡越しのぎょろっとした目

一時間目はNatural Science、自然科学だった。何かプリントが配られた。何について学んでいるかは、絵を見て何となく想像できた。山、川、太陽、風、雨などのイラストがプリントに印刷されていた。気候などについて学んでいるようだった。先生は教室を暗くし、パソコンを使ってスクリーン上にパワーポイントなどで予め準備していた教材を映し出していた。私は何をしていいのか分からなかったので、周りを見回した。

生徒たちは画面に映し出されている図や解説文を見て、何かプリントやノートに写していた。何と書いてあるかは分からなかったが、ただアルファベットを書き写した。ノートを取るというよりは、見たこともないアルファベットの塊を一つ一つ、見様見真似で書き続ける作業だった。私は自分が書いたアルファベットの塊を見返したが、自分で何について書いたのか理解できなかった。アルファベットの塊を私なりに一生懸命写していると、先生はマウスをクリックして次のスクリーンに移ってしまった。私はまだ書き写せていなかった。書き写す速度が周りの生徒と明らかに違うのを察した。隣に座っている生徒のノートの取り方を観察してみた。綺麗な字だったが若干崩れていた。そして、書き写す速度が速かった。周りの生徒の多くは書き写している内容を理解しながらノートを取っているように見えた。私のようにアルファベットの塊を写しているのとは大きな違いがあった。このクラスの生徒は元気だった。先生になにかよく質問しているというよりは、ため口で話しかけているようだった。


チャイムが鳴った。生徒は一斉に立って、荷物を持って教室から出て行った。私も皆に付いて行くように教室の外に出た。廊下に出ると、生徒で溢れかえっていた。生徒が様々な方向に向かって歩いているので、人波に流されないようにするので必死だった。地図を持って、次の体育館に向かった。しかし、方向音痴の私にはどの方向に向かっていいのかよく分からなかった。さっきいた教室に戻り、先生に地図をだして、指でさした。目でここに行きたいのだと訴えた。先生はすぐに察してくれて、教室にて、“Go this way “と進むべき方向に指を差し教えてくれた。


このおじさん先生は優しそうに大きな目を眼鏡越しにぎょろぎょろさせながら、少し笑っていた。私は先生に「サンキュウ」と小さく言って、私はその方向に進んだ。先生に行き方を聞く前は真逆の方向に進んでいたらしい。地図と感を頼りに先生が教えてくれた方向に歩き進んだ。長い廊下を前に歩き進むしかなかったのだ。しかし、なんでこの校内の造りはこんなにも複雑なのか感心し、苛立ち、焦った。複雑な理由はこの校舎は斜面上に建てられているので、階段がやたらに多く、外を通らないと、行けない教室などがあって私にはとても難しく、混乱した。ジャージを着た男子生徒が数人いたので、後からそっと私は付いて行った。そしたら、なんとかやっと体育館に着くことができた。

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