ポートフォリオとキャリアノート①家庭の経済状況は影響するのか?

 「ポートフォリオを利用する入試やAO入試は経済的に裕福な家庭に有利だ」に対する考察をしたい。

1:ポートフォリオとキャリアパスポート

 ポートフォリオとは何か?簡単に言えば自分で作る経歴表みたいなもの。学校生活での委員会や生徒会活動、部活動、ボランティア、その他の特別活動の記録である。これは今まで受検では担任が出す「調査書」と本人が提出する「志望理由書」がある。調査書にもポートフォリオ的な記載があるが基本は評定平均値(3年間の全教科の点数を5段階評価した数値の平均値が重視される。あとは欠席日数など。調査書も仕様が本年度から変更されるが。

 キャリアパスポートは小学校から高校まで通しての自分の記録。小学→中学→高校と学校によって仕様は違うが基本、統一内容での記載となっている。これを引き継ぎファイリングする。キャリアパスポートをもとにポートフォリオを作成する。つまり自分がやってきたこととその感想を忘れないための覚書。

 eポートフォリオはBenesse以外も提供している。これにアクセスして自分のファイルを作るもの。PC環境が普通に整っていると家庭でも入力できる。学校では一斉にアクセスすると重くなるんでちょっと面倒。(奨学金ネット申し込みの時に良くある光景)

 ポートフォリオについてだが、実際に入試に使う大学、短大はそう多くない。これらはネットでも公表されてる。また大学によってどのeポートフォリオを使うのか指定されている。キャリアパスポートと照らし合わせながら入力していく。

2:ポートフォリオの点数化

 ポートフォリオがどのように入試に活用されるのかは、その大学のアドミッションオフィスに合致し求める学生像かを選抜する資料となるわけだが ポートフォリオの中でどのような内容が加点となるのか?評価されるのかについてはわからない。AO入試では、課題やプレゼンが課されたりするが、それに関する記録とそれ以外の記録を見て評価するのだろう。AO+αのαの評価だろうけど。部活動だけ、研究だけ、ボランティアだけに偏らないことや、資格取得と大会成績や対外活動は必要だろう。実績は調査書記載事項でわかるが、それによって「これから将来どんなことをしたいと思ってるか」「どんな可能性のある人物なのか」という実績以外の将来性を感じさせることだろうか。「やりたい!やれます!」なら誰でも言えるが、本当に可能性と将来性があるかが試される試験なわけなので。

3:部活動は有利か

 今までもそうだが、大学・短大の指定する教科部活動があり、それを推薦入試でどう扱うかが示されていない学校ではあまり影響はないと考える。体育大学やスポーツ推薦などは運動部の大会成績は重要なところだが。しかしコレとは別にスポーツ枠というのもあり、コレはその年度で欲しい分野の選手の枠を学部学科のAO入試で分けてとることがある。主にスポーツ推薦の無い大学ではこのやり方があるが、実際にどの競技がどの学部に割り当てられて何人の枠かは知ることはできない。でもAO入試なので、大学とのマッチングの点からすれば決してオカシイわけでは無い。コレに該当するのはJAPAN強化選手、インハイ上位、国体上位(上位=3位以内程度)になる。海外での競技大会経験もあればなお良い。つまりポートフォリオ云々ではないレベルである。このレベルで上位私大にこのようなことはあるが、その大学によって欲しい人材の競技が違うので、優秀選手であればどんな上位私大でも大丈夫ということはない。あとは顧問の力と入試に向けた指導力もある。国公立はこのようなことは無い。あくまでもウワサの域だが教員養成課程の体育の中で、将来の選手育成に関わる部活動顧問要員としてインハイ上位の場合にごく数名、そういうのがあると聞くが、それでも推薦では学業成績も重視されるので純粋にスポーツだけで合格するわけでは無い。そしておそらく、このようなことは無いに等しいと言える。
 理系の場合は部活動や個人の研究内容とコンテストや大会の成績が重視される。部活動のポートフォリオで点数化される1番は理系だろう。ただしコレも大会の種類で評価が違う。コレについては息子が経験者なので、理系部活動で難関国公立大学合格についてはそのうちまたnoteに投稿します。

4:ポートフォリオと家庭の経済状況

 家庭の経済状況で不利有利が生じるのは、おそらく留学くらいだろうか?トビタテにしろ準備に必要なお金は必要だし。しかしだ。高校には返還義務のない給付型奨学金はいくつかある。それを得ていることもポートフォリオとして記載することは可能だ。奨学金を励みに3年間がんばったことはアピールポイントでもある。また市町村によっては、研究する高校生に研究費を助成するところもある。それを得てのこともアピールできる。つまりなんでも「貧困フィルター」で不平等と決めつけるのはどうかということである。「部活動は経済的ゆとりが無いと出来ないから、アルバイトしてるコには不利」などは、もしかしたら勉強よりアルバイトの方が合ってると感じてるコにはどうなのだろうと。確かにポートフォリオは学校生活で学んだことがメインだが、アルバイト経験は自己PRに活かせるかもしれないし、面接でアルバイトのことを否定的に質問されても、それに対する応答が納得できる答えであれば良いと思う。アルバイト経験から大学で何を学びたいかに繋がった人は、それを志望理由書にまとめれば良い。経済的有利不利より、まずどちらもヤル気だろうなぁ。大学のアドミッションオフィスをしっかりと理解し、書き分けることも大切だ。経済的な余裕がないからオープンスクールにも行けない!という人もいるがそれはそれで面接で突っ込まれれば正直にそう言えば良い。マイナスからプラスに変える思考力や機転こそ、求められる人材なのではないか。


 

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