感想・狼たちのバラード

北村一輝が好きだ。
無軌道に人を殺せる殺意を持った眼が好きだ。
生きるために殺すのではなく、殺すために殺す仕草の美しい北村一輝が好きだ。

▼以下数年前のメモ

日本の地方都市で在日韓国人社会を牛耳る組織を舞台に、親友の命を奪ったヤクザへの復讐を誓う青年たちが織り成すドラマを描いた韓国ノワール。

北村一輝見たさに映画を見た。
平たい顔族の中に一人だけコントラストがおかしいやつがいる!!
私北村一輝が宇宙人やろうとインド人やろうと中国人やろうとなにも言わなかったけど、今回の韓国人役はとてもじゃないけど無理がある…(※顔が濃いだけの話ではないです)
なんていうか、彼の顔には「国籍」がないので、強く国や民族の連帯感を意識させる役回りはあんまり向いてない。
今作「在日や二世など、故郷や居場所がない男たちの」という話らしい。北村一輝は帰化韓国人でありながら、無国籍な顔を持ち、韓国語も喋れない。なのにテンプレのような韓国顔を持ち韓国語を喋る集団の中にいる彼は、最も帰るところのない男に見えるのであった。意図せず。
「結局顔の話かい」と思われそうですが、中国人を演じた時は彼だけが中国人だったので、異邦人感がとんでもなく、説得力があったんですよ。今回は「『韓国人』の仲間のひとり」とされているから、仲良しを演じているのに彼だけ深い溝がある感じがするんだよな。
道化的な役回りで、仲間に愛嬌のある笑顔を振りまいている北村一輝は最高にキュート。ともすれば媚を売っているようにも見えるキャラクターを、本当に俺はこの集団となかよしなんだ、打ち解けているんだと思わせる、観客にいたたまれなさを感じさせない演技力がすごい。
前述含め別に北村一輝である必要性は全くない役柄なわけだけど、ノワール映画の癖に人を殺す目をしていたのは彼しかいなかったので、本当に北村一輝だけが救いの映画だった。

#感想 #映画 #映画感想 #北村一輝

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