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その声は一番星


主演ではなくとも推しが出ているからという理由で作品を観に行くと大体「いつ出てくるんだろう」が脳内を占めています。推しが良ければそれで良いなんて甘ったれた考えは持っていませんが、いかんせんそれが目的なのだから仕方ない。

よほどのチョイ役あるいはよほど興味がないなど見に行かない理由がない限りは必ず劇場に足を運ぶのですが先日「ディア・ファミリー」を見てきました。

予告編で見た「言えない秘密」も金曜公開。来月必ず観に行きます。ムビチケも買えた!

「ここに帰ってきて」が流れた時にふと主題歌について考えていた。

主演でないと映画主題歌は難しい、というか映画によって「歌」じゃないときもあるもんなぁと思うと感慨深い。そう考えるともしかして「ライアー×ライアー」以来かも?超貴重だ。



「ディア・ファミリー」の話の内容が良かったということは言わずもがなというかもはや私みたいなオタクが語る必要がないほど作品自体が素晴らしいものだということと

本当は大泉洋さんの良さも光石研さんの良さも菅野美穂さんの良さも話したいのは山々だけど私は松村北斗さんが大好きなので

【松村北斗】にしかピントを当てないちょっとばかし歪んだ感想を書いていきます。



ネタバレもありますので未見の方はご注意を。


本編とは直接関係がないのでここで少し光石研さんと松村北斗さんの再共演についての喜びを少し。

「夜明けのすべて」でふたりは共演しています。

これもまた大好きな作品でそこでの光石研さんは社長役でした。おちゃめで可愛らしく、社員のこともよく考えてくれる優しい社長。こんな方がトップの会社で働きたい。

松村北斗さんは社員のひとり。
パニック障害を抱えながらも日々を懸命に生きるその姿に胸を打たれました。関わりたくはないけどなんとなく目で追っていたいほっとけなさがあった。

このふたりのやり取りがもう絶品で。和む和む。最高なんですよ。

そして今回「ディア・ファミリー」では教授とその下で働く若き医師とその関係性は前者と近しいものでありながらまったくの別物でした。

教授「何を言っている!!お前は早々にチームから逃げ出したじゃないか!」

富岡「……!わかっています!あの頃私は自分のことしか考えられなかった……!」

栗田社長は山添くんを詰ったりしない。

私は反射的にそう思いました。現実逃避です。最近光石研さんのお父さん役を見過ぎたがゆえかあまりにも光石研さんを美化しすぎていたようです。光石研さんは悪役も上手い。当然あの教授にはめちゃくちゃムカついた。

このやり取りに和むという文字はありませんでした。鬼気迫る表情。語気の強さ。息を飲むとはこういうことかと。

こんな対比が味わえるなんて人生も捨てたもんじゃないですね。



さて冒頭で触れた「推しはいつ出てくるの問題」はタイトルにもある通りですが先に回収しておきます。

……富岡はあまりにも地味な登場でした。



最初に映ったカットではお茶を出され会釈するだけでまともに顔も映らず声を発することもなく「え?今の松村北斗ですか?」と私が声を出しそうになりました。

しかし声を発した瞬間

松 村 北 斗 だ!!!!!!!


冨岡は人工心臓の研究チームにやってきた坪井夫妻を見ていられないと早々にチームから抜け出すのですがそのセリフはあまりに淡々としており少し冷たい印象を残しました……が、そんな事はどうだっていいくらいにはその声に安心しました。

今後北斗くんがどんな役を演じようと私はこの人を好きでいられる。どんなに陰湿で嫌なヤツでも言動がめちゃくちゃなサイコパスでもかつて私にトラウマを植え付けたラスト・フレンズの錦戸亮演じるDVクズ男でさえもこの声があれば……その確信が生まれた瞬間でした。


そして私はこの声のおかげで富岡さんを通して松村北斗を見てしまった。



完成した人工カテーテルを絶賛するシーンでの「こぉれは!」は完全に大泉洋に話しかける松村北斗でした。

「大泉さん!こぉれ!こ!れ!はすごいですよ!ここの先端をゴムにしたというアイデアが素晴らしい!!」


憧れの人と共演するなんて素晴らしいと思う反面

憧れの人を前にしてどんな演技が生まれるのだろうという戸惑いもありました。

私にはあのシーンがカテーテルの完成を喜ぶシーンではなく大泉洋さんとの共演を喜ぶシーンに見えた。

ハンカチで涙を拭わずにはいられません。


もう一点気になったのが眼鏡を着用している登場人物の多さです。一部役名が分からないので俳優さんの名前で行きます。

主人公の坪井もその娘の佳美も富岡も教授も満島真之介さんも眼鏡をかけている。主な登場人物は12人。ほぼ半数が眼鏡をかけていることになります。

そして富岡のビジュが解禁された時から「何だこの眼鏡?」と思っていましたが上映中に話が入ってこないなんてことはなくまるで眼鏡をかけていないくらいに馴染んでいる。眼鏡単体で見たら普段目にしない特徴的なデザインですが松村北斗の顔にフィットしている。

森本慎太郎が南海キャンディーズ・山里さんを演じた時にかけていた特徴的な赤眼鏡も演じる森本慎太郎よりも似合っていた。しかも山里さんではなくそういうファッションかのように見えた。

私はこの事実が恐ろしい……骨格か?骨格なのか?それとも顔のバランス……?何……?似合わない眼鏡ないじゃん……

羨ましい……っ

私にとって松村北斗とは鮮烈な声と眼鏡でした。


「ディア・ファミリー」は絶対にもう一度、いや二度は観に行きます。本当に素晴らしい感動作。言葉はいらない。『お涙頂戴』な過剰演出は一切ないにも関わらず終始目からボロボロボロボロと涙が流れ出ていました。いろんな感情由来の涙に溺れたい人も是非。

それではごきげんよう。


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