あのとき、あなたはほんとに頑張れてたの?【響け!ユーフォニアム 北宇治高校、決意の最終楽章編を読んで】
大好きで、ずっとシリーズを追ってきた本。
最近バタバタして読めていなかった、新シリーズをやっと読むことが出来た。
響け!ユーフォニアムは、主人公の久美子が入部した弱小吹奏楽部が、全国大会を目指して頑張っていく、という話。
今回読んだのは、このシリーズの3作目。久美子が3年生になり、さいごのコンクールに挑む、という話だ。
「全国大会に行って、金賞を取りたい」
「高校生活の部活を楽しみたい」
いろんな思いが交わって、ぐちゃぐちゃになりながら、もがきながら、コンクールに向けて進んでいく。
そんな熱さを間近に見れた感じがして、すごくワクワクする話だった。
でも、でも…。
その楽しさと同じくらい、とても苦しかった。
私は、久美子ほど、北宇治高校の部員ほど、本気で部活に取り組めてたんだろうか。
きっとあんなに熱くはなれなかった。
周りは熱いひとたちばかりだったのに、私だけ逃げていた気がする。
今まで蓋をしていた思いが、目の前に浮かんでしまって、とても苦しくなった。
私も高校生のとき、吹奏楽部に入っていた。県内でも有数の学校。毎年県大会、関西大会に出場するような学校だった。
部員は100人越えの年もあった。
コンクールに出場できる人数は55人までと決められている。
だから毎年、コンクール出場をかけたオーディションがあった。
1年生のときも、2年生のときも、オーディションに落ちた。
悔しかった。でも、「まあ、そりゃそうよな」と諦めきっている自分もいた。
当たり前だけれど、オーディションは実力順。
同じパートのメンバーと毎日練習してきて、自分の実力なんて嫌でも分かっていた。
どうせだめだろう。
へたくそなんだから練習しても仕方ない。
そんなことを思いながら、毎日“練習”という名のパフォーマンスをしていた。
「下手だから受からない。」そんな自分に自分を追いやっていた。
3年生になって、最後のコンクールが近づき、初めて必死に練習した。結果、やっと3年生でオーディションに受かることができた。
ずっと、1,2年生のときに本気になれなかったことを後悔している。
もし、あのとき頑張っていれば、オーディションに受かったんじゃないか。
もし、あのとき頑張っていれば、部活を心から楽しめたんじゃないか。
そんな「もし」を“響け!ユーフォニアム”を読むたびに思い出す。
きっとこれからも、この本たちを読むたびに思い出しつづけるんだろうなあ。
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