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アスファルト

昨晩 雨が降った
何かの懺悔のような雨音は
頭上の屋根に打ち付けられている

深夜 突然目が覚めた
飛び起きた途端に
忘れていた人の顔を思い出す
夢は何を見たのかは分からない

私は仄暗い水の中を泳いでるような気分のまま
朝日に射された
眩しさに辟易した
理由もわからず

答えを探しに外へ出る
昨晩の雨が蒸発している匂いがする
照り返す濡れたアスファルトの傲慢な光が
足元で道を作っていてくれた

あの人も きっと どこかで今日
歩いているに違いない

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