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「明石さん」と思い出話

森見登美彦先生の新刊「シャーロック・ホームズの凱旋」をこの3連休で読破した。森見登美彦先生の作品では、「四畳半神話大系」が一番好きであり、原作もアニメも繰り返し読んで、見て、聖地巡礼まで行うぐらい好きである。初めて、下鴨神社に行った際、猫ラーメンを探したこと。下鴨納涼祭の開催案内だけ見て帰ったこと。カステラを買って、東京の下宿先に戻り一人で貪り食べたこと。全てが良い思い出である。

僕が四畳半神話大系に出会ったのは、大学3年生の時である。ちょうど、「私」と同じ学年の時期であった。
最初、アニメから見始めハマった僕は、「私」に親近感を覚えた。
当時の僕も、不毛な大学生活を送っていたからである。
サークルにも所属せず、理系学部で学業も優秀ではない。行動的でもなく、薔薇色のキャンパス生活とは無縁であった。ただ、一つ救いがあったとすれば「小津」のような悪友がいたことであった。
しかし、「私」と決定的に違う点が一つあった。

そう、「明石さん」が僕にはいなかったのである。

いないなら、手に入れればいい。これは、簡単なことではない。
僕の通ってた学部の女性比率は、0.024%
サークルも入っていないのでサークル女性比率は、0%
バイトはしていたが、おばちゃんパートさんしかおらず、0%
そして、極めつけは、僕が女性と話すことが苦手な典型的な理系大学生であった点
まず、日常生活では手に入れることは不可能であった。

では、マッチングアプリでも始めたらどうか、という意見が挙がるだろう。
これも、僕には無理であった。
だって、僕は自分に自信がなく、受動的な人間である。
そもそも、選択肢として挙がることすらなかった。

そして、大学3年生の僕は、「明石さん」を諦めた。
不毛な努力だと感じたからであった。

しかし、人生は何が起きるか分からない。
数年後、僕は初めて彼女ができた。
そのきっかけの一端を担ったのは、「私」と「明石さん」を繋いだキャラクター。
「もちぐまん」
だったのである。

森見登美彦先生作品を読んでいたら、思い出したので書いてしまった。

次の恋も、「もちぐまん」が繋いでくれないか密かに期待している。


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