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ありがとう。

25の時、人生で初めてできた彼女と別れた。初めて受ける失恋の痛みは凄まじく、誇張抜きで人生で一番泣いた。僕って、こんな涙出せるぐらい情緒が豊かなんだと、思った記憶が未だも残っている。25にもなると、悔し泣きは経験あるが、おいおい声を挙げて泣く経験は全くなかったからである。帰りの電車の中で人目を憚らず泣いたのも、今や良い思い出である。寝て起きて、次の日になっても喪失感が凄まじく、有休を取り、信頼できる人達に別れた旨と失恋の喪失感の埋めかたを相談したりもした。しかし、喪失感、時間と共に胸に空いた穴は大きくなり、空元気で自分のことを破面(アランカル)だと思い込んだりもしていた。ちなみに、好きな破面はグリムジョージャガージャックです。

別に、今更、復縁したいだのしのごの、言いたい訳ではない。結末はきっと変わらなかったから。当時の僕では、結末はひっくり返せなかっただろう。じゃあ、何でこんな文章を書いているか、それは一言伝えたいことがあったから。きっと、本人には届かないであろうけど、それはそれでいい。だって、気持ち悪いじゃない。こんな女々しい文章書く、男嫌じゃない。大丈夫、自分でわかってはいるつもりです。

僕はあの時に、別れて良かった。

別れたからこそ、今の僕が、ここに居て、こんな駄文を全世界に公開するという行動を起こせたから。

別れた後、僕は休日、家から出なくなった。ご飯もめんどくさかったから、Uber Eatsばかり頼んでいた。でも、そのお陰でコロナに罹り、一人で死にそうになった時、Uber Eatsを使用することで命を繋ぐことができた。

今、僕が大好きなオードリーの二人にハマることもなかったであろう。失恋のどん底にいるときに、同じような経験から復活してた人を探して、若林さんのエッセイに出会ったのが最初だったから。失恋がなければ毎週末、楽しくANNを聴くこともなかった。

エッセイを読むこともなかった。僕がエッセイにハマったのは、若林さんのエッセイに触れてからだから。今や、星野源、山里亮太、松尾スズキ、安島さん等多くの素晴らしいエッセイに出会うことができ、多くの思考に触れることができた。彼らのエッセイの内容から得たものが、今の自分を構成してる血と肉になっている。

今のように行動的に外出して、色んなことを経験することもなかったであろう。15万のサプリを売りつけられることも、1回のさんかりょうが1.2万円する怪しい社会人セミナーに冷やかしで行くこともなかったであろう。危ないが、貴重な経験ができたし、トークのネタにもなった。これらのネタによって、会社内の人間関係が救われている部分が多々ある。後、明らかに行動的になった。


仕事に関しても、同様だ。別れる前の僕は、自信の無さが、顕著で、自信が地面にめり込むすぎてマントルまで届くかの勢いで急降下していた。当時の口癖は今、思い返しても恥ずかしい。

「〇〇(会社名)しか取り柄が無い。」

馬鹿げた内容だ。そんなことないよ。って言わせるのも、クソ野郎だ。当時の俺よ、最低だぞ。自分に自信がないから、肯定してくれる存在であった、あなたに寄りかからないと生きていけず、自分の足で社会に立てていなかった。やっぱり、ダサくて最低である。

でも、別れて一人で立つしか無くなって、自分と多く向き合う機会を得たことで、傷つきながらも前に進むことができ、今は少し余裕が出てくるまでになった。そして、優秀な同期、後輩などの他人と自分を比較することも無くなった。今、僕が自分を受け入れられているのは、別れがあったから。

2023年、オードリー若林さんに出会えたからこそ見ることができたドラマ「だが、情熱はある」

その中で、前田健さん(谷勝太)役の藤井隆さんが言っていたセリフが僕に、強烈に突き刺さった。

「今、幸せ?」

単純な問いかけであるが、返事は難しい。ドラマ見ていた当時は、はっきりと「幸せ」とは言えなかった。でも、今なら言える。

「今、幸せ?」

「幸せですよ。年末年始休暇が終わって、仕事が始ったらわからないけど。」

別れたことにではなく、あなたに会えたことに感謝しています。多くの自分の欠点、利点に向き合えたり、気付いたり、教えられたりすることができました。

ありがとう。

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