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『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』DVD/Blu-rayが発売したので評価&感想

昨年デビューし、飛ぶ鳥を落とす勢いのジャニーズ所属グループ【Snow Man】が主演の映画『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』。
先日4/7に、DVDとBlu-rayが発売になりました!

公開直後に映画館へ観に行っており、感想もちまちままとめていたものの、公開するタイミングを見失っていたため、円盤が出た今、感想をまとめなおしてアップすることにしました。
元々舞台やミュージカル観劇は好きで、ジャニーズだと『DREAM BOYS』と『Endless SHOCK』は観ていたのですが、『滝沢歌舞伎』は滝沢秀明さんが演じていた頃からも含めて初見です。

■作品概要と評価

<作品概要>
タイトル:『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』
監督  :滝沢秀明
出演  :Snow Man、INPACTors(ジャニーズJr.)、ジャニーズJr. 他
上映時間:139分
公式HP:https://movies.shochiku.co.jp/takizawakabuki-zero-movie/

<評価> ※★5つ評価、☆は0.5
ストーリー ★★
映像美   ★★★★☆
演出    ★★★★☆
音楽    ★★★★
エンタメ性 ★★★★

総合    ★★★★

映像なので、常に顔がいいです。
「どの角度が一番カッコよく見えるか」が追及されたカメラワークにも驚かされました。タッキーすごい。
Snow Manのファンには絶対に見てほしいですし、ジャニーズ舞台を通ってきたジャニオタにも見てほしい。
キャッチコピーに「これは映画でも舞台でもない」とあるように、映画として観たら、おそらく多くの人が落胆してしまうと思います。
その原因がストーリーで、ショーの案内人がとにかくよく分からない。ちょくちょく挟まるわりに最後出てこずに終わったので、正直頭も途中もカットでよかったのではと思ってしまいました。
また、個人的には2幕の『鼠小僧』のラストが「何故!?」と頭にハテナマークたっぷりでした。

ジャニーズ舞台特有の【エンターテインメントショー】が存分に詰め込まれていて満足度は高かったです。
映画としてはちょっとお高めの3,000円でしたが、この値段でジャニーズ舞台を浴びれるなら安いと思います。(普段のチケット代は1万円ほどするので)
しかし、初見に勧めにくい構成だったのが惜しかったですね。
【色々な演目を繋ぎ合わせて一つのショーを作り上げている】という部分だけでも、冒頭や案内人で説明されていれば、もう少しスッと入り込めたように思います。
(ジャニーズファン以外も観てくれたらラッキー、というターゲット設定の可能性は大きいですが)

作中の歌とダンスパフォーマンス2曲が公式YouTubeに上がっているので、貼っておきます。
これだけでも、ジャニーズエンタメの片鱗は感じられると思います。



以下はこまごまとした感想です。大きなネタバレはありません。

■そもそも『滝沢歌舞伎』って何ぞ

ジャニーズ舞台であるあるの
・お芝居
・歌とダンス
・肉体を使ったパフォーマンス
を織り交ぜたエンタメショーに、【歌舞伎】を取り入れたものだと私は理解しています。

お芝居+歌・ダンスであればミュージカルになりますが、ジャニーズ舞台の場合はそれに肉体パフォーマンスが追加され、ミュージカルよりもエンタメショーの意味合いが強くなります。
堂本光一さん主演の『Endless SHOCK』はミュージカルの比重が大きいですが、終盤に太鼓とフライングが入るので、「あ、やっぱりジャニーズ舞台だな」と思いましたね。

『滝沢歌舞伎』の場合
・お芝居 … 2幕の『鼠小僧』
・歌とダンス … 『ひらりと桜』『花鳥風月』等
・肉体パフォーマンス … 『腹筋太鼓』『組曲』等
・歌舞伎 … 『五右衛門ZERO』『男と女の舞』
といった演目が目まぐるしく展開される、約140分間のエンターテインメントショーです。
舞台として続いてきた本作ですが、2020年は上演が難しくなったため、映画という形で残ることになりました。

■映像なので常に顔がいい

ジャニーズ舞台、そして『滝沢歌舞伎』について軽く説明したところで、本題に移ります。

映画やドラマなどの編集映像のいいところ。
舞台ならではの生感覚も勿論いいのですが、もう映る顔全て「良い」の一言しか出てこない!

特にカメラワークでよかったのは『九剣士』
刀を握る腕の筋や、つばぜり合いの時の表情、肉体を綺麗に魅せるワンカメ撮影のカメラワークは最高でした。

『腹筋太鼓』での苦悶に満ちた表情も良かったですが、私は推しにあまり苦しそうな顔をしてほしくないタイプの人間なのでちょっと辛かったです。
(そんな中、涼しい顔して太鼓を叩く岩本照さんマジ強かった)

■『これは舞台でも映画でもない』

本作のキャッチコピーです。
確かにその通りだった!!!
-------------------------------------
日常がつまらないと感じている男の子の前に謎の少女が現れ、
導かれた本には「滝沢歌舞伎」の文字。
本を開くと、大海原のど真ん中。眼前には巨大な未来都市――
-------------------------------------
という話の入り方なのですが、この未来都市がまあ凄いCGで。

最近、舞台作品でもプロジェクションマッピングのような映像を活用することが増えてきましたが、あそこまで作り込まれたCGを流せるだけの高画質スクリーンがあるわけではないので、たしかにこの演出は映像ならではだなと思いました。

映像ならではでいうと、舞台上にいる演者が見る客席が映っていたのも良かったです。
手元カメラの映像をリアルタイムでスクリーンに映すことも近頃ではよくありますが、画質や映り具合を考えると、あらかじめ収録された映像というのは安心感がありますね。

舞台っぽさは、2幕の『鼠小僧』で、外ロケから新橋演舞場に場を移してからで感じられると思います。
ここは、舞台映像を配信やDVDで見ているような感覚でした。
おそらく、意識してそのように撮っていると思います。

■人間の肉体美

ジャニーズが肉体パフォーマンスにこだわる理由のようなものを、TVドキュメント『RIDE ON TIME』で亀梨和也さんが話していたのですが、細かいことは忘れてしまった……
確か【人間の体の美しさを魅せる】というような内容だったと思います。
フライングやアクロバットなど【ジャニーズのお家芸】とも言うべき肉体パフォーマンス。

『滝沢歌舞伎』では、女性ダンサーも交えて存分に魅せてくれます。
その代表的な演目が『My Friend』と『組曲』です。

『My Friend』
しっとりとバラードを歌い上げる渡辺翔太さんと、正方形に組まれたパイプキューブを使い、命綱無でパフォーマンスをする宮舘涼太さんの演目。
渡辺さんと宮舘さんは、生まれた病院が同じで、幼稚園からの幼馴染という関係。その二人が『My Friend』という曲でパフォーマンスするエモ演目です。
肉体パフォーマンスに注目すると、キューブにぶら下がり、腕や足だけで全体重を支える筋肉。ぴんと伸ばした筋の綺麗さ。
宮舘さんの身体能力と、身体のパーツの美しさが光ります。

『組曲』
バトントワリング、ダンサー、シンクロナイズドスイミングのようなアクアパフォーマンス、という3つのパフォーマンスで女性ダンサーさんが登場します。
特に、水中パフォーマンスにおける肉体美が素晴らしいです!
Snow Manは雨が降りしきる中、荒々しいダンスを披露します。
注目は、センターで踊るリーダーの岩本さん。
TBSの人気番組『SASUKE』に出場する肉体派ということもあり、筋肉の仕上がりも素晴らしいのですが、普段しなやかで繊細に踊る岩本さんの荒々しい踊りは必見です。

■少々残念さが目立つストーリー

日本人の男の子と、外国人の謎の少女がストーリーテラー的な立ち位置で登場するのですが、本当によく分からないまま終わりました。

「つまらない日常からの脱出」というのが最初に提示され、未来都市に着いて『ひらりと桜』が流れるまではよかったのですが、途中水に溺れたり、急に現実に帰ってきたりと、ストーリーテラーとしての役割を果たせているのか疑問でした。
出すなら出すでしっかりと役割を全うさせてあげてほしかったですね。

日本語と英語で会話が通じているのも謎でした。
Blu-rayが発売して字幕有で見て「こんなこと話していたのか」という今更の発見も。しかも結構大事なことを言っていた……。

あとは、鼠小僧のラストも謎だなと思っています。
Snow Man9人が敵と味方に分かれているのですが、最後、敵味方関係なしに一緒に決めポーズをしてまして。
「いや、なんで!? さっきまであんなに刀合わせて戦ってたじゃん!!」とツッコミの嵐……。

■最後に

これは「エンターテインメントショー」なので、「細けえことは気にするな!」というのが総評ですかね(笑)
Snow Manはめちゃくちゃカッコいいし、日本の伝統芸能や人間の肉体美を存分に楽しめる、素晴らしいエンタメ作品だと思います。

映像の辛いところは【推し定点ができない】ところだと思っており、しかも映画用に演出を変えている部分も多いはずなので、現在上演中の『滝沢歌舞伎ZERO 2021』をぜひ観に行きたいのですが……チケットが取れない!

松竹さん、ジャニーズ事務所さん、ぜひ、配信を……

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