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古典ハリウッド映画

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2021年8月の記事一覧

『サリヴァンの旅』

監督:プレストン・スタージェス

メタ的な感じするなー。相手の視点に立たなきゃわからないこともある。よくリアリズムを前面に押し出した映画があるが、映画が"現実"に近づくこと=誠実となるわけでは全然ない。『極北のナヌーク』論争にも繋がるものがある気がする。チェイスシーンの躍動感がありすぎて笑った。黒人コック体張りすぎ。

『拾った女』

監督:サミュエル・フラー

面白かったー。この時代にこんな暴力描写があるんだ。男だろうが女だろうがボコボコ殴る。クローゼットの中の小型エレベーター(こういうの最高にワクワクするな)による上下のサスペンス、駅構内での横のサスペンス、さらにはSASUKEみたいなことまでやっていて、舞台装置を満遍なく活かしたアクションが展開される。2回あるスリのシーンはどちらもハラハラ。
キャラクターは皆、仕事と私情の

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『生きるべきか死ぬべきか』

監督:エルンスト・ルビッチ

面白かったけど、拾えていない小ネタがかなり多いような気がする。ルビッチの省略法はこの映画でも実践されていて、若男とヒロインの再会シーンがなかったり、作戦の場面がなくていきなり本番が始まったり、と大胆。だから場面のサスペンスを理解するのに時間がかかって笑えなかったところも結構あった。
チーズの件とか題名のセリフとか、しつこいぐらい反復するんだけど、笑ってしまう。反復はコ

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