見出し画像

口調のキツい人には、千鳥のノブを召喚しよう

真っ当でいいこと言っているのに、そして悪い人じゃないのに、ちょっと口調がキツいなあ。

なんて人、たぶんたくさんいる。

普段はそこまで気にしないでいられたとしても。
ちょっと疲れているとき、元気のないとき、「悪気のない口調のキツさ」にやられやすくなったりする。

昨日の私は、まんまと「悪気のない口調のキツさ」にやられ、ずーんと落ち込んでいた。
そんな私を救ったのは、お笑いコンビ・千鳥のツッコミ、ノブだった。

「悪意のない口調のキツさ」は、単なる雑音、ノイズだ。

悪気はないけれど強い口調になってしまう。
そんな人に対しては、普段だったら、ノイズである”キツさ”を取り除いて、真意をくみ取ろうとしている。

根はいい人で信頼のおける人だったら、その手間をかけて、その人が伝えたかったことをきちんとくみ取るだけの価値はあったりする。真っ直ぐで貴重なアドバイスが隠れていたりするのだ。

完全にフィクションの例えをするなら、

「そんなんじゃだめだよ、何にもならないよ」
「そんなんじゃ、これまでと一緒だよ」

なんて人から強く言われたとする。
ちょっと自分に自信のない私は、

・ああ、私って、だめなんだ……
・これまでと一緒って、まるでこれまでに何の成長もなかったみたい……

ひねくれものの私だったら、

・「何にもならない」の”何にも”ってなによ!
・ってかなんであんたにそんなことわかるのよ!

なんて、思っちゃうかもしれない。

でも、冷静に考えてみよう。なんでその人がそんなことを言ったのか。
その人のメッセージは、こういうことかもしれない。

・長期的な目線が足りていないから、ふらふら、迷走しているように見えるよ。
・迷走したままは、心配だよ。あとあと、つらいよ。
・もしくは、長期的にどうありたいのかがあったとしても、他の人には見えていないよ。
・いずれにせよ、もっと他の人に伝えたり、適宜相談にのってもらったりした方がいいんじゃないかなあ。

あくまで例えばだけれど、こんな優しくて、至極真っ当な意見とアドバイスなのかもしれない。「キツい口調や物言い」がノイズとなって覆ってしまっているだけで。

相手は別に、「お前はダメなやつだ」とも「お前のこれまではダメダメだ」とも言っていなくて。「何か」の”何”とか、言葉のあやであって、どうでもいいことで。

ただ、「ふらふらしているように見えて、心配だよ。”ふらふら”にはなにか意図があるのかい?ないなら、いろんな人の意見も聞いた方がいいんじゃないかなあ」という、優しいひとつのアドバイスと気遣いなのかもしれない。


だから、自分のメンタルのためにも、自分の成長のためにも、自分の耳にノイズキャンセリング機能をつけるようにしている。相手が発した物事の”真意”をくみ取れるように。

でもこの自分の耳につけたノイズキャンセリングが、うまく機能しないこともある。

もともとのこころの調子がよくないとき。すんごく疲れているとき。
手間と気力のかかるノイズキャンセリングが、うまくできない。機能しない。”真意”をくみ取ろうなんて発想にいたらず、「もうだめだ」となる。

で、昨日の私は、こんな調子でがーんとやられて、ずーんと落ち込んだ。

「私にはなんにもない、なんにもできない」
「私なんてだめだ」

どんどん落ち込んで、悲観的になっていく。泣き虫なもので、涙もぽろぽろでてくる。

「あちゃあ、これはノイズにやられていますねえ」

私の落ち込みを見た恋人が言う。
彼はそのまま「うーん」と考え込んだのち、「ひらめいた!」と言葉を続けた。

「よし、ノブに任せよう」

「ノブ?千鳥の?」

なんでここで私らの大好きなお笑いコンビ・千鳥のツッコミ、ノブがでてくるんだ。涙が止まる。

「うん。これからは、『このひと口調つよいな〜〜キツイな〜〜』と思ったら、瞬時に脳内のノブに突っ込ませなよ。
『クセが強いんじゃ!大クセじゃ!!』って」

笑った。大笑いした。涙はどこへやらである。

そうか、そうか。口調のキツい人は、「クセが強い人」なんだ。じゃあもう、みんな大好き(たぶん)ノブの出番じゃないか。

常に”口調がキツい人”じゃなくても、「ちょっといまの言い方、キツい」なんてことはありふれている。

自分だって、いつも穏やかにいたいのに、きつい言い方になってしまうときだってある。そのたび、まだまだ未熟だなあ、と思う。

でもまあ、そのたびに、千鳥のノブにつっこんでもらえればいいのだ。自分の耳のノイズキャンセリングに頼りっぱなしじゃなくても。

そうしてふと肩の力が抜けて、冷静に考えられるようになったら、相手の真意をくみ取って、ありがたくアドバイスとして受け取ればいい。

「千鳥はすごいねえ」と、彼と私とで笑う。

相手のキツさに困ったときは、千鳥のノブ。

うふふ、なんだか無敵な気がしてきたぞ。


もしも、サポートしたいと思っていただけたなら。「サポートする」のボタンを押す指を引っ込めて、一番大切な人や、身の回りでしんどそうにしている人の顔を思い浮かべてください。 そして、私へのサポートのお金の分、その人たちに些細なプレゼントをしてあげてください。