教える時のジレンマ

技能実習生に入国後講習(入国後1ヶ月の日本語研修)をしていて、彼らには日本で苦しいことがなく仕事をしてもらいたいし、なるべく多く給料をもらってほしいと思っています。

技能実習生には職場で良好な人間関係を築いてほしいので、ついつい以下のような話をしてしまいます。

・会社に行ったら、自分から元気にあいさつしなさい。日本人は挨拶を大切にするよ。

・こんな態度だったら、社長は喜ばないよ。

・日本では○○〇だよ。


「郷に入っては郷に従え」と、いろいろ話し、指導します。

でも、これってパターナリズムに通じるものでもあるんですよね。

パターナリズム(英: paternalism)とは、強い立場にある者が、弱い立場にある者の利益のためだとして、本人の意志は問わずに介入・干渉・支援することをいう。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


実際に礼儀やマナーを重んじる社長の下で働き、大きな声で挨拶ができないとか、車に乗せてもらって「ありがとうございます。」と感謝の言葉が言えない等の理由で、人間関係をこじらせ、解雇するしないの大きな事態に発展したケースも耳にしています。


こういうことを聞いてしまうと、配属前に技能実習生にはしっかり挨拶やマナーができるようにしなければと思い、「日本では○○○だ」「ちゃんとしないと損だよ」と言ってしまいがちになります。

入国後講習を行う研修センターの職員としてできることは何か?
いいアプローチはないのか?
常日頃考えていますが、難しいです。


できることとしては、「朝会った時に挨拶をしたのに、挨拶を返してくれない人がいる。どう思うか?どうしたら友好的な人間関係になるのか」と事例を与え、毎回その場の実習生たちに答えを考えてもらうなどができると思います。


特に自国の習慣と日本の習慣の違いを意識しながら、「じゃ、私はどうしよう?」と考えてもらうことが大切だと思っています。

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