長毛猫ラグドールと💩
フリスコが我が家に来て半年経った頃だろうか。
夕方、在宅で仕事をしていると、フリスコが激しく砂をかく音がしたのでいつも通りトイレ掃除をし、また仕事に戻った。
しかし、💩の匂いが強くなっているような気がして部屋中を見回したが、それらしき物は見当たらない。
私の足元にフリスコが来た時にお尻が見えた。
え、何これどうなってんの?お尻から足まで茶色。匂いの原因はこれか!
フリスコはとても悲しそうな顔で、お尻を気にしてはいるが匂いを嗅ぐ勇気はない様子だった。
初めての出来事に私はかたまった。
シャワーをしようと夫と準備をしていると、何かを察したフリスコはベッド下へ逃げ込んだ。
これは長期戦になるな。
フリスコはとにかく怖がりなので、シャワーの音は絶対に怖がるだろうから、お尻をお湯でタオルを使って洗い流す作戦にした。
もう時間は夜9時をまわっていた。
部屋中が臭く、まだ寒い時期だったので窓を開けっぱなしにもできず、困り果てていた。
私たちは仮眠をとることに。フリスコがベッド下からでてきたところで捕獲。
この時点で0時をまわっていた。
暴れるだろうと思い、ウィンタージャケットと手袋を着てシャワールームへ。
フリスコは不安と恐怖で大きな声で泣き、フリスコを抱っこして押さえている私にシャー連発。
私も泣きたかった。
初めてのことで私の押さえ方も悪かったし、夫はフリスコのお尻をキレイにするのに時間がかかった。
フリスコの毛は本当に汚れを洗い落とすのが難しく、最終的にお尻周りの毛をカットした。
時間がかかりすぎてフリスコの怒りが頂点に達し、抱っこしている私の腕から逃げる際に、私の膝に爪を立ててジャンプした。
スウェットを履いていたにも関わらず、なかなかの流血。
フリスコの💩が色々な場所に付いていて、掃除が終わったのは朝3時。
そして朝6時から洗濯機をまわし続け、家はピカピカに。
もちろん仕事は休んだ。みんなひたすら寝た。
こんな時、休みやすいヨーロッパでよかったと心底思った。
その後も、フリスコと💩に振りまわされることは数回あったが、みんな場数をふみ慣れてきてお尻の毛カットの際にフリスコが泣いて暴れることもなくなった。
しかし、猫初心者に長毛猫はハードルが高かった。
あの日以来、毎回💩の後は私にお尻をチェックされるため、フリスコはトイレ脇で待つようになった。
汚れていればウェットティッシュで拭くのだが、尻尾でお尻を隠して拭かせないようにするので、尻尾が上がる場所へ移動する必要があった。
場所は玄関を出てエレベーターまでの数メートル。ここを歩くのがフリスコは大好きで、ここだとお尻を拭いても機嫌がよかった。
夜中に眠たい目をこすりながら、フリスコとエレベーターまで何往復もした日がなつかしい。
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