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「自信は手に入れたり失ったりするもの」名将クロップに学ぶメンタル術

僕の大好きなサッカークラブの大好きな監督、それがユルゲン・クロップです。

53歳のドイツ人で、自身も元プロサッカー選手。
ドイツ・ドルトムント時代の香川真司の恩師で、
そのドルトムント指揮官時代には、
現在はバイエルン・ミュンヘン一強の時代が長く続く
(目下8連覇中、今季も9連覇濃厚)
ドイツ・ブンデスリーガにおいて、
そのバイエルンを退け2連覇を達成したことがあります。

その後、海を渡ってイギリスのリヴァプールにやってきた彼は、
30年間リーグタイトルから離れ、強豪から古豪に成り果てていたチームを救います。

就任4年目でヨーロッパチャンピオン、
そして5年目の昨季、クラブ、ファンにとっては欧州王者よりも念願だった、リーグチャンピオンとなります。

彼の特徴は何と言ってもその熱さユーモア
熱血漢」「兄貴分」という言葉が似合いすぎる男で、
おそらくヨーロッパサッカー「上司にしたい監督」ランキングを行えば、
ぶっちぎりの1位じゃないでしょうか。(僕の勝手な妄想です)

彼の「いい兄貴」「いい父」っぷりは、
映像を見るほうが早いとは思うのですが、
常に選手の事を気遣い、熱く優しく声をかけ、士気を上げる、人心掌握に長けた指導者です。

そんな稀代のモチベーターである彼ですが、優秀な戦術家としても知られており、
現代のサッカー監督に求められている、
戦術の革新性」と「人心掌握・マネジメント能力
これらどちらも世界トップクラスの水準で持ち合わせているといっていいでしょう。

そんな彼の魅力はそれだけではなく、選手の操縦に用いるその類稀な話術を活かし、記者会見や試合後インタビューでは、常に取材陣や私たちファンを楽しませてくれます。

何より彼自身がいつもニコニコです。

そんなニコニコ熱血おじさんのクロップですが、その熱血っぷりが仇となり、納得できない審判の判定に対し猛抗議、退場処分となることも時折あります。

それでもその人間性と巧みな話術、ユーモアで常に見るものを楽しませてくれるクロップ監督。

今日はそのクロップ監督が試合後のインタビューで語った言葉をテーマに、
自信」というものについて考えていきたいと思います。

ある試合後のインタビュー。
直近4試合で3つの敗戦を喫していたチームが、3試合ぶりの勝利を挙げた直後でした。

久々の勝利について問われたクロップ監督の口から出た言葉が、

自信とは手に入れたり失ったりするもの」です。

どういうことでしょうか。真意を探るために、もう少し彼の発言を深く見ていきましょう。

「自信とは手にしてから、ポケットにしまって、生涯にわたって大事に取っておくものではない。自信とは手に入れたり失ったりするもの。結果を手にする上で、このような気持ちが必要だ。」

これがこの言葉の全容になります。


学生時代、そして今でも、「自信が無い」という悩みを持って僕に相談してくる後輩や友達は多くいます。
その中の多くの人は「自分に自信を持てない」と言います。

そういう人たちはきっと、他の「自分に自信を持っていそうな誰か」の姿を想定し、それと自分を比較して言っているのでしょう。

そして、「自信」というものは、「自転車に乗れる」「足が速い」「プログラミングができる」といったことのように、一種のスキル、一度修得すれば自分の身を離れることのない能力のように思っているのではないでしょうか。

つまり、自分が理想とする「自分に自信を持っていそうな誰か」は、
一度それを身に付けたら、そのまま「自信のある彼/彼女」でいることができているんだ、と思っていませんか?ということです。

ここでもう一度先ほどのクロップ監督の言葉を見ていきましょう。

自信とは手にしてから、ポケットにしまって、生涯にわたって大事に取っておくものではない。自信とは手に入れたり失ったりするもの。

いかがでしょうか?
この言葉を僕なりに解釈すると、

自信=固定化された能力ではなく、その時の心の「状態」に過ぎない。

となります。
「自信がある人」ではなく、「自信がある状態の人」という考え方です。

この考え方に則って考えると、色々納得のいくことがあります。

あなたが傍目に見ている理想とする上司や先輩、友人、芸能人やアスリートなどは、「常にポケットに自信を入れて持っている人」でしょうか?

きっとそんなことはないでしょう。
人には上司・先輩としての顔、親の顔、子の顔、色んな「顔」がありますよね。
あなたにとっての上司も、社長でない限りは誰かの部下でしょう。

その色んな顔、全てにおいて「自信」を常時持ち続けている人はきっといないでしょう。

そうなるときっとポケットがパンパンになって歩きづらいでしょう。ズボンが破けてしまうかもしれません。

ポケットの出し入れからいったん離れて、「」で例えてみてもいいでしょう。

自信にも波があって、当然浮き沈みがある。
常にその波が一定の人なんてきっといないでしょう。

だから、自信との付き合い方に悩んでいる人はまず、自信ということの捉え方から変えてみてはいかがでしょうか。

自信を上手にポケットから出し入れする。
自信の波を上手に乗りこなす。


常にポケットにあるものではない。出ていくことも入ってくることもある。
常に平坦な波はない。煽られて流されてしまうこともある。


そういった考え方、心構え、マインドセットで日々を迎えると、
少し肩の力が抜けて、楽に生きることができるのではないでしょうか。

「自信があること」を能力ではなく状態として捉える。
自分の容姿やその他先天的な能力と違って、
マインドセットの変更は、いつだってあなたの自由です


小野トロ


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