【古代会津の「黄金と朱」】③
■不老長寿と常世
磐梯山の麓、塩川町に常世(とこよ)という地名がある。
8000年前の縄文土器が発見される地域だ。
常世とは、海の彼方にある理想郷で、長寿や不老不死がもたらされる異郷とされ、古神道では神域(禁足地)の意味もある。
朱の原料である辰砂からは水銀ができ、不老不死の薬になるのだから、この常世という地名には無性に想像を掻き立てられる。
紀元前3世紀、秦の始皇帝の命で不老不死の薬を探しに旅立ったのは、徐福(じょふく)だ。
3,000人の若い男女と多くの技術者を