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MECENAT GALA 2020

ヨーロッパ帰りの時差ボケが収まらないまま、2月13日は「MECENAT GALA 2020」へ。

MECENAT GALA(メセナ・ガラ)は婦人画報社主催のチャリティーパーティー。
「メセナ」は、企業が芸術文化を支援する活動の事で、メセナ・ガラはメセナを目的とした特別なイベントだ。
今回は、安藤 忠雄先生が手掛けられた大阪市北区に開館予定の「こども本の森 中之島」設立記念と、その取り組みを支援するパーティー。

ブラックタイのパーティーなんて滅多に出る機会はないけれど、「こどもたちの素直な眼差しと感受性。それらを大切にする物語の聖地をつくる。」というコンセプトや想いにとても共感して、緊張しつつも参加させて頂いた。

人生初めてのオークション。
会場入り口に飾られた作品の中でも、ひと目で心惹かれた「光の教会・風の教会・水の教会」三作品のドローイング。自信はないけれど、これはトコトンついて行こう。そう決めた。

出品されるのは全部で11作品。まだ会場が温まってない中でも、そこはうちの親分。
「チャリティーだから、寄付させてもらえて、尚且つ作品まで頂ける。ドンドン参加して、もし落札出来なくてもとにかく盛り上がれ!金額が上がれば、こどもたちの本が増えるから!」と最初からAll in。

僕らは身内という事で、一番端の席(披露宴でいうと、両親が座る様な場所)。この端のテーブルがドンドン強気で参加するので、会場の注目を一手に引き受ける事に。

とは言え、安藤忠雄ファン600人が集結し、さらには、婦人画報社ラグジュアリー メディア グループ主催の、富裕層を対象にしたチャリティーオークション。サザビーズ司会者も爽やかに、且つ上品に煽り上げる。当然天井知らずだ。

僕は「札を下ろすタイミングって、実は予算ではなく、相手が降りる気がないという事が分かった時なんだ!」と気が付く。(これって、不動産入札もそうすれば良いのに!)

プライドとか面子とか、そういう所を突かれると、僕は急に理屈が通じなくなる所がある。途中何作品かで札をあげ、感覚を掴んでいくうちに、次々にハンマーが打たれる。と言っても、2つにひとつはうちのテーブルが競り落としているのだけど。

そしてとうとう10番目、お目当ての三作品のドローイング!

「30万円からスタート。40.50.80万円!90.110.」

予想より札が多い。
200万円で参加しようと思っていたけど、会場の熱気に押されて、何となく札を上げてしまった。

ここから先はシミュレーション通り、ビシッと手を挙げて周りを見ない。
誰が来ても下ろさない、こちらは下ろす気ないよー、トコトン行くよーという形を見せ、周りに諦めてもらう。

「280の方!その後ろ290!」

ん?その後ろ??最終列なのに??

ふと振り返るとまさかの親分、札を上げている。「勘弁して下さい」と伝えて、プレイヤーは絞られる。

「300.310.」

無心。とにかくビシッと手を挙げて、周りを見ない。

「はい!260番の方」

勝った。

会場から貰える喝采。こういう瞬間を、今まで何度も経験し、周りにも伝えてきた。

「顔を作れ!!」

極めて冷静な顔で微笑を保ち、係の方から何事もなかったかの様にペンを受け取り、サインする。

中々の高揚、達成感。

人生初めてのオークション。
僕は、安藤 忠雄先生の教会三部作ドローイングを購入させて頂く事ができた。落札したお金は、こども本の森のために寄付できる。

会社に飾って、メンバー、キャスト、ゲストに観てもらおう。先生がどんな想像をしながらこの図を描いたのか、その想いに心を馳せてもらおう。

創り手と使い手の両方に、ワクワクと幸せを感じる事の出来る仕事。
僕らもそこを目指し、日々精進しよう。


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