見出し画像

【後編】 CODEGYM 創業の舞台裏。あるいは教育を本気で変えるためには、という起業家精神について

CODEGYM(コードジム)を創業して1年が経ちました。

< この記事には前編があります。ぜひ 前編からお読みください > 

長文エントリーです
< 16,000文字 / 読了時間 20分 >

村井純との再会 - 日本のインターネットの父

2年前 ─ 2019年の新年、僕は長野県の渋温泉にいた。その数ヶ月前、プロダクトマネージャーとして働いていたメルカリを辞めた僕は、トルコ・ギリシャを放浪して、その後ふらっとセブに語学留学をしていた。留学の 1ヶ月間、テクノロジーやベンチャー関連のニュースを全てシャットダウンして、英語だけで生活した。そして安いビールを飲んで、日焼けして過ごした。海外生活から帰国する12月下旬、帰りのフライトの中で「新年は、運を引き寄せる1年にする」と決めて、 “Expect the unexpected”(予想外を期待する) というフレーズを抱負にした。これは、セブで一番親しかった先生が、座右の銘としてデスクに書いてあった言葉を借りたものだ。

そして年が明け、彼女(今の奥さん)と長野の渋温泉に出かけた。金具屋といいたいところだが、さすがに空いてなくて、それなりに食事と泉質のレビューの良さが担保されている宿に泊まった。渋温泉での湯巡りは楽しく、いつか社員合宿でも行きたいと思う。普通の宿だったが、メシは美味かったし、温泉もそりゃもちろん泉質が良くて、ぜひリピートしたい良い宿だった。

そこで、恩師と再会した。

貸し切り状態となった露天風呂で、降り続ける雪景色をみながらリラックスしていると、一人の毛むくじゃらの小太りなおじさんと、僕と歳が近そうなアメリカ人の二人組が入ってきた。僕は露天風呂の隅にそっと移動した。頭上の手ぬぐいが、徐々に凍りはじめている。

新年に露天風呂で雪景色を楽しめたアメリカ人は、さぞかし日本に良い思い出を残してくれるんだろうなぁ。二人は英語で談笑をしていて、その会話の内容は、聞き耳を立てずとも自然と耳に入ってきた。あれ、この声は、どこかで聞いたことがあるものだった。

その声の主は、村井純だった。よくよく思うと、最初に見かけた背格好や、湯気でぼやけてはいるが、顔も村井さんっぽい。でも、こんなところに村井純がいるわけないし、僕が知っているのは、あくまで服を身にまとった村井純であり、この裸のおじさんが、本当にあの村井純である可能性についてしばし湯の中で逡巡した。二人の英語の談笑はやがて大学の話やインターネットの話になった。その会話の内容から、やはり村井純であることを確信したのである。

「え、村井さん?」 と声をかけると、一呼吸おいて、「おお、鶴田か!なんでこんなところにいるんだ?」と。なんでこんなところにいるのか、というのは僕も聞きたかった。なんの変哲もない温泉宿の露天。不思議なかたちで偶然の恩師との再会は、裸の付き合いとなり、お互いの近況だったり、雑談をして、のぼせそうなほど盛り上がった。僕は村井先生の研究室の所属ではなかったが、彼が学部長の名で、当時大学から表彰をしていただいたり、そもそも6年半も在籍していたものだから、先生とは度々親しくさせてもらっていた。大学以外という接点では、村井さんはメルカリ社のR4D部門(研究開発部)のアドバイザリーボードに就任して、ブロックチェーンの共同研究を慶應義塾大学と行っているという背景があった。前回会ったのは、社内のそのイベントでだった。

「仕事はどうだ?」 村井さんは、久しぶりに会った実の息子に聞くように僕に尋ねてきた。まだメルカリを辞めたことは告げず、「上場して会社の雰囲気は結構変わりましたね。偉大な組織を目指す経営陣の背中を見て、たくさん勉強になってます。・・・また近く、独立して新しいチャレンジをすると思います」という趣旨で返事をすると、「はは、鶴田はそうだろうなあ。その時は声かけてくれよ、出資を考えてもいいよ」というような会話を交わした。

最初の「Expect the Unexpected」(予想外を期待する) だった。言霊があるのか、はたして知らないが、抱負として掲げた2日後にそれは起こった。そして裸の付き合いから1年、僕が構想した今回の事業に、彼は出資者の一人として名を連ねてくれた。

※ その2週間後、僕の奥さんの第一子の妊娠が発覚した。新年早々、予想外がたくさん起こり始めている。やれやれ大変な1年になりそうだ。


閑話休題。

プログラミングスクールの闇

これから話すことはフィクションである。

ひさしぶりに再会した友人が、「プログラミング」を始めたという。軽自動車が買えるくらいの大金をプログラミングスクールにぶっ込んで、10週間らしいという短期集中カリキュラムの中で作ったポートフォリオ(サンプルWebアプリケーション)を抱えて、企業への転職活動を経て、ソフトウェア・エンジニアとしての新しい職を得られた。それは就職の成功という点では、非常にめでたい話だったし、彼は希望に満ち溢れていた。そして働き始めてしばらくしてから、現場とのミスマッチからプレッシャーに悩み始め、周囲から求められる期待とスクール卒業後の自分のスキルにはとてつもない差があることを知った。そのギャップを必死に埋めようとすればするほど、自分を騙し騙しやっていく思考グセがつき、徐々に自己の認知は歪んでいった。やがてそれは一般的にうつ病と診断される症状になった。そして傷病手当をもらいながら休職し、復帰の目処は立っていない。

別にそんなものは、自己責任だろうという声も聞こえてくるし、実際そうだろう。しんどい環境でも、逆境を糧にしてやっていけるタフな人もいる。この業界では珍しくない話だ。でも、正しいアプローチ(*) で最初から彼をサポートできていれば、一人の技術者として違う未来もあったんじゃないか思う。かつてカセットテープを高額で売りつけていた英会話教材商法のように、新たな市場黎明期のこうした教育マーケットは、まるで魔法のように人生が好転すると煽り、「独自教材」という名で綺麗にラベリングをしなおした「商材」を高いプライシングで権威性をもたせ、上手に誤魔化しながらビジネス化していく。必ずしも賢くない消費者層をターゲットとしていて、「あなたの人生を逆転させるために、変わるチャンスがある」と煽り続ける、ある種のコンプレックス・ビジネスである。サービス業に限らず、製品の市場黎明期は広告を多く投下させることによって、人々の意識から作っていくマーケティングの歴史で証明されている、市場創出期の常套手段だ。

これは、資本主義の世界では圧倒的に正しく、正義である。利潤を追求する企業の存在意義として、自社で多数の雇用を生みだし、投資家からは求められている資本主義の役割を果たす素晴らしい存在として認識される。

僕は、そのようなビジネスモデル(例えば、講師不足の問題をクリアするために、過去の受講生を講師として再雇用してスケーラビリティを確保するアイデアなど)を生み出した先行者に対して、事業家として、とても尊敬している。ただし一人の端くれエンジニアとして、一人の教育家を自負する人間として共感はできない。そしてその売り方は反社会的とまでは言わないが、反倫理的であり、顧客に胸を張れないという起業家精神とは真逆の経営スタイルに近いものがあると考える。


* 「正しいアプローチ」とは何だろうか?
まだ8割、9割の仮説をもって取り組んでいる最中で、真の答え合わせは、おおよそ2年後にわかるだろう。それは僕らのスクールを卒業したエンジニアが、キャリアの3年目にあたってどのように活躍しているか、定性的・定量的なデータが取れてからわかるものだ。

正しいアプローチについて、例えば以下のようにある程度の仮説を立てることはできた。

Web Developer Roadmap にある程度準拠した形で、ソフトウェア・エンジニアを目指すカリキュラムを、網羅的に丁寧に行っていくこと
コンピュータサイエンスの周辺知識の獲得、及びオンラインでのチーム開発の技法とコミュニケーション作法を、実践を通じて学ぶこと。
Leaning How to Learn、技術の変化が激しい時代を生き抜くための柔軟性を身につけること。答えを教えるコミュニケーションではなく、考え方を養うためのコーチングが主体的であること。
・教育水準を担保する指標の一つとして、講師のコストは月給60万円換算を下限とした現役の技術者が指導にあたること。( 必然的に4年〜10年のエンジニアが中心となり、大学生や元受講生など当然選択肢には無い )
・契約面、金銭的な面で消費者を騙さないということ。フェアであること
・受講生とスクールが対等な関係であり、信頼関係に基づくこと。

現在運営している CODEGYM ISA では、たとえば以下のような技術的な面談に答えられるようなカリキュラムを設計している。

・echoで出力した後にsession_start関数を実行するとなぜエラーになるのか? [PHP]
・セッションの仕組みについて説明できるか [Web Development]
・中間テーブルの主キーは複合主キーにすべきか、サロゲートキーにすべきか? [DB]
・第三正規化しない方が良い時とはどのような時か? [DB]
・フレームワーク本体をリポジトリに含めずにcomposerで取得するのはなぜか? [Web Development]
・MVCモデルにおいて、なぜこの処理はControllerではなくModelに書くべきか? [Web Development]
・クロージャーについて説明できるか [JavaScript]
・CSRF対策は、全てのフォームで行うべきか?[WEBセキュリティ]
・テスト技法において、境界値分析ではなく同値分割を選択する時はどんな時か? [ソフトウェアテスト]

上記はあくまで一例だが、プログラミング言語の扱い方を学ぶスクールというよりは、コンピュータサイエンスの要素も多い。CSの中に高級言語のコーディングの要素があって、ソフトウェアを書くというプロセスは問題解決の手段、表現であるのであって、しっかりと理論として基礎と土台を作ることを大切にするべきだ。

給与が発生する職業エンジニアとして社会に送り出すために必要な最低学習時間を「1200時間」と見積もった。その人本来の論理的思考力、学習効率、コミットメント力も含めると、個人差はかなりボラが出てくるものであるが、おおむね 1200時間 が中央値となる。毎週50時間のフルタイムコースで入学すれば、24週間コース(6ヶ月間)で達成でき、仕事を続けながら就職を目指す 48週間コース(1年間)であれば、だいたい週20時間を捻出してもらう。そこにエンジニアの育成に精通した、オンライン・コーチングがつく。学習時間、質問のやり取りは、1分単位で記録される。カリキュラムの後半はチーム開発を通じて、一度も対面では会ったことがない人と GitHub のPull-Request ベースでの共同開発を行い、コードレビューを相互に行う。

上記のカリキュラムの上で、1on1 でのコーチングプログラムをつけながら講師コストを算出すると、提供するサービスの対価としての料金設定としては、どうしても受講生一人あたり120万円から150万円規模になることがわかった。

当然、この金額をポンとキャッシュで払える人は、少ないだろう。人によっては、途中で挫折するリスクがあるものに対して、夢を見させて高額なローンを組ませたいとも思わない。それは、フェアではない。だからこそ、成功した人だけが、成功した度合いに応じて学費を支払うという、後述する「出世払い」= ISA のビジネスモデルを作った。


転職保証という闇、構造的な問題

1社目の企業が自分に合わなかったり、数年は勤め企業にいながらも「このままで良いのか」とキャリアに迷い、30歳手前くらいで考え直した社会人が「一発奮起して」「学び直し」スキルを習得後、新たにソフトウェアエンジニアの職を得るという、転職型のプログラミングスクール事業という産業ができてから、数年が経った。背景には IT産業 の人手不足問題がある。

プログラミングスクール事業者がよくアピールしている数字は「就職率」で、たいてい 97%〜99%(あるいは100%)である。しかしそもそもIT業界は単純化しても有効求人倍率は過去10年間で、5〜7倍 で推移しているわけだから、99% といった就職率を達成することは難しくない(入る企業さえ選ばなければ)。ときにスクールの実績として「有名企業のロゴ」が多数並んでいるが、どの世界にも外れ値として優秀な人はいるので、参考にしすぎてはいけない。

「転職保証」、つまりスクールを経て就職できなければ 90万円 などの受講料金は全額返金するという。ここに、やる気に満ち溢れてハイになって契約をしようとする消費者が騙されやすいトリックがある。

ここで言われている「就職保証」として行ける会社は、最終的にブラック企業だろうが、額面19万円での雇用契約だろうが、そもそもスクールに行く必要もなく人柄チェックやカルチャーフィット面談だけで採用してくれる教育制度が整った会社 だったりする。

つまりスクールを出ようが出まいが、必ず拾ってくれる会社は存在する。しかし、それは元々、希望をもって入学してきたお客様が望んだキャリアではないことが大半だ。スクールを逃げ道として退職し、就職を逃げ道としてスクールを卒業することで、結果的に中途半端なエンジニアが誕生する。

これでは、日本のエンジニアの質は下がっていくばかりだろう。どうしたら、この状況を変えることができるか...?

お客様(受講生)の未来のことを真剣に考えながら、彼らが「ジュニア・エンジニアのスタート地点として心地よく働ける環境」、「やりたいこと」や「働きたい環境」を重視すぎると、3ヶ月のコースで暴利を取って成り立つビジネスモデルは崩壊する。


誰も語らない真実

「就職率」を KPI にし盲目的に追いかけ続けると、スクール業界や、人材紹介業は構造的に闇に陥る。これは今更の話でもなんでもなく、人材紹介を伴う事業全般の性だろう。そこに葛藤を抱くエージェントはいつの時代もだっているし、全て解決することは不可能だ。ただ、スキルアップ教育を謳っているのであれば、少なくともお客様の未来の選択肢を増やすことに、もっとリソースを割くべきであるべきだと思う。要は、教育の質が低い。

ほとんどのプログラミングスクール事業者が隠している数字(絶対に公表しないし、公表しても上手に切り取られた数字になる)に、卒業生の「年収」「離職率」がある。これらを一部のトップ実績例だけではなく、平均的データとして標榜することができるスクールがあれば、信頼しても良い。

給与に関しては、大抵は額面で月18万円〜27万円。これは最大手老舗プログラミングスクールに実際にヒアリングした際、担当したカウンセラーから実際に聞いた。「卒業後の初任給で、年収360万円は難しいですか」と尋ねたら、笑われた。「日本の大卒初任給の平均年収」を目安にしてください、ということであった。19.2万円、年収で270万円くらいか。そりゃ異業種からの転職は、新卒リセットとなるのは理にかなっている。当然だ。

離職率については正確なデータは無いが、実際にスクールから採用を行った複数企業へヒアリングを行ったところ、だいたい 20% から 25%くらいの離職率 だろうと想定している。スクールを経て就職したものの、そのあと業界を辞めた人たちは、今どういう想いなのだろうか。

人々のペインや社会課題があるところに、新たな事業のタネはある。お客様が真に喜び、経済的リスクを背負い「騙された」という感情を抱かない、そういう仕組みは、作れないだろうか?


最低10年を捧げられる事業テーマ

思い返せば大学生の頃、後輩として入ってきた池澤あやか @ikeay にHTMLやWeb開発の基本を教えていたり、自分の会社でもメル社でも、インターン生の面倒をみるのが好きだったり、何かと人に教えて、その成長過程を見守るのが好きで自分のライフワークとしてあったように思える。教えることが好きというタイプの人は、世の中に一定数いることを知っている。

メルカリの新規事業子会社「ソウゾウ」の中で、執行役員・プロダクトマネージャーとして、教える・学ぶの習い事の CtoCアプリ「teacha」(ティーチャ)を企画・開発したときも、すべての教える人・学ぶ人がオンラインで繋がって、教えることをライフワークにできる人を増やしたいという想いがあった。メルカリで不要なものが誰かにとって必要なものであるように、自分では当たり前と思っている知識やスキルが、誰かにとっては新たに知りたいものや、必要なスキルかもしれないから。残念ながら短期間でクローズとなったが、2020年の世界的なパンデミックの裏で、ローカルな習い事・学習塾・教育モデルがリセットを余儀なくされてしまい、オンラインのスキルマッチング需要が何倍にも膨れ上がっている。新規事業のタイミングというのは、つくづく難しいものだと振り返って痛感する。

僕は Labit を経営していた頃から、3-4年で複数プロダクトを作ってきて、M&A を経て、結果的にその特別利益をもとに次の事業を作るといったスタイルが多くなり、あまり一つの事業テーマだけに執念を燃やせるようなタイプではなかった。

今は、今やっていることを心の底から好きだと胸を張って言うことができる。もうすぐ20代も終わるが、10年かけて取り組めるテーマの事業であると確信している。


空を飛ぶほうが楽しいよね?

とはいえ、2019年、2020年 にもなって、今さらプログラミングスクール事業に参入するのはどういうものだろうか。甥っ子がちょうど中学生になる歳だったので、Macbook Air をプレゼントし、プログラミングを教えてみたりもした。(今でも続けていてくれて嬉しい)

すでに子ども向けプログラミング教室は多数あったが、僕はそれは本当に「楽しいのかなー」と疑問に思う部分もあった。Scratch のパズルを使ったプログラミングで、子ども向けのプログラミングスクールの市場規模は急成長していたが、僕だったら2週間くらいで飽きるかもな、と思った。

ロボットを使ったプログラミングスクールも流行っていた。電子工作も含めて、作ったものを動かすというのは原体験として素晴らしい。でも僕は、どうせなら「空を飛ぶもの」を作らせたいと思った。だってそのほうがロマンチックだよね?

手のひらサイズのマイクロ・ドローンを、モーターや電池、躯体、電子制御板まで自らハンダ付をして作り上げる。なぜ空を飛ぶのかという航空力学の簡単な解説も交えながら、通信や電気信号によってモーターが動く原理をかいつまんで話す。そこに Python を使ってプログラムを書き込んで、マイクロドローンが自律走行するところまでを想定したカリキュラムを考え、20人くらいの親子を集めて、GIZMODE さんと一緒にイベントを共催してみた。

大好評だった。数時間のワークショップの後、子どもだけでなく付き添いの親御さんも、すごく笑顔で帰ってくれた。これまでインターネットビジネス事業で、黒い画面やダッシュボードとにらめっこしながら数式のように自社の事業をモデル化していたときは、全く違う感情を抱いた。


自分にしか出来ないことを、やる。

仮に自身の目標として、年収1,000万円くらいで家族を養いながら、それなりに楽しくアウトドアなどの趣味も楽しみにながら生活するのが目標であれば、ひとりで講師業をやり、ナレッジワーカーとして開業すればよい。事業をつくるときは、ときどき「スケールメリット」(規模が大きくなればなるほどメリットを享受できること)について語られるが、一方で「スモールメリット」という、単独で行うからこそメリットを強く享受し、プロフェッショナリズムが発揮できる性質の職業がある。

構造を変えていきながら、社会やお客様の課題を解決していき、持続可能なモデルを創るというのが起業家のしごとであり、僕は元来そのプロセスにしか興味がなかった。

子ども向けのプログラミングスクール事業は、ビジネスモデルとしてはイベント屋さん、塾屋さんでしかない。自分のエネルギーは長くは続けられないと判断した。何より、僕以上に子どもと接するのが得意で、情熱を捧げられる人たちが既にたくさんいたし、日本のよく知られた教育大手企業や外資スタートアップによって、研究を重ねた良質なテクノロジー教材キットは供給され続けていた。子ども向けプログラミングスクール産業には、構造的な課題も少ない。すでに良い未来に一歩ずつ向かっているんだと ──自分でも試してみたからこそ、確信ができた。

そして冒頭に書いたように、かねてから問題意識を持っていた社会人(10代後半から30代の方を主な対象としたリカレント教育)の転職型スクールについて disrupt できるような事業案を練っていった。

そして10年を少なくともかけて、自分のやりたかったことを実現するためには、IPOを通じた資金調達も一つのプロセスに組み込み社会の公器となり、さらに成長するシナリオを練る必要があった。


ISA (Income Share Agreement) との出会い

2019年のある日、いつものように海外スタートアップの動向などをチェックしていると、2019年夏の Y Combinator で採択されたばかりの Microverse という企業を知った。その会社について調べると、Holberton School や、Lambda School Make School などの情報にたどり着いた。かつて目にしたことはあっても、あまり意識せず素通りしていた情報だった。

米国にあるこれらのプログラミング・ブートキャンプを提供する教育スタートアップは、学生から先に学費を取らず、就職が実現したときに、その雇用条件次第で支払う金額が変わる「後払い」「出世払い」の仕組みを導入していた。ISA と呼ばれ、日本語に直訳すると「所得分配契約」である。

2019年7月、アメリカ合衆国連邦法にもISA法案が草案として出されており、難解な法律英語も一つ一つ単語を翻訳しながら、まずはそれを読み込んだ。このビジネスに対する肯定的な意見や、批判的な意見を集めた。

国内のベンチャーキャピタリストにも連絡を取るが、ISA について認知している人は、15人に1人くらいしか居なかった。当時は SaaS や DX に気を取られているVCばかりだった。

信頼できる弁護士2名にコンタクトを取って (2人にしたのは、異なるバックグラウンドからの見解を聞きたかったからだ)、日本の法律解釈においてこれが実現できるのか相談を重ねた。リーガルスキームの構築には、2ヶ月半くらいの期間を要したが、結果的に事業として成立することがわかった。

「これ、俺が本当にやりたかったことかもしれない。」当時、ドローンによる教育事業を共にやっていた、Co-Founder の Rui に、そう打ち明けた。

そしてドローン事業は早々に畳んで、「人の可能性に投資する。」という企業ビジョンを掲げ、リカレント教育・フィンテックを融合させた(単に海外のISAのコピーではなく、日本の法制度や慣習を考慮した、独自のカルチャライズを行って)事業計画を作った。



日本はセーフティネットが堅牢に張り巡らされているが、その網の中から這い上がるためのハシゴは掛かっていない。

アメリカで ISA が急速に普及した背景に、教育の格差 ──それも日本では考えられないような格差がある。連邦準備委員会による 2020年 の第三四半期における最新の報告書によると、4,470万人 を超える米国人が、総額で 1兆7000億ドル(約180兆円)もの学生ローンを借りている。ちなみに米国のクレジットカード合計債務額は 1兆2000億 ドル。自動車ローンの合計債務額は約 7000億ドル で、それらより大きい。しかもこの学生ローンの総額は、2010年 から比較して 10年間 で 102% 上昇、つまり 2倍 になっている。学生の母数が有意に変わらないとすれば、学費がすこぶる高騰しているか、消費者の Cash Flow の問題として支払い手段がローンに頼る人が増えているか、あるいはその両方が起こっていることが推察される。

出典: EDUCATIONDATA.ORG

米国での奨学金を含む学生ローン(借金)は、個人消費者の借金の中では2番目に多いカテゴリーになっている。今日の大学生のうち、65%が学生ローンを抱えて卒業している。そんななか、2020年の世界的なパンデミックの影響で、1,000万人以上の米国人が職を失い、4月には失業率が14.7%にまで上昇していた。

そして大学はオンライン授業になった。貴重なキャンパスライフを奪われた学生が、大学を訴える集団訴訟が次々と起こっている。報道されている限り、全米の60以上の大学が、質の低いオンライン教育に対して、訴訟を起こしている。

集団訴訟が始まったのは4月。当初はごくわずかだったが、5~6月と勢いを増して前例のない数に膨れ上がり、専門家によればさらに増えそうだ。現在学生から訴えられている大学には、ブラウン大学、コロンビア大学、デューク大学、エモリー大学、ジョージタウン大学といった名門校や、ニュージャージー州のラトガーズ大学、ノースカロライナ大学(UNC)など主要な公立校も含まれている。広告ブレイディ・アレンはUNCシャーロット校に対する集団訴訟の原告代表だ。彼を含めてUNCの24万人近い学生が、感染拡大を抑えるためリモート学習に移行した。「周囲の学生と永続的な関係が築けることも対面授業の価値の一部だ」と、アレンは言う。「オンラインへの移行で、ほかの学生や教職員とのつながりを失った」アレンによれば、指導そのものの質も落ちた。例えばビジネス専攻の締めくくりとなる上級レべルの戦略経営論では、教授はバーチャルで講義する代わりに、メモとパワーポイントのプレゼンテーションをオンラインにアップロードしただけ。「その教授のオンライン講義はそれっきり。もっと何回も講義を受けられると思っていたのに価値が下がり過ぎだと思う。なのに授業料は変わらなかった」

大学のアカデミックな取り組みで研究成果を残せる環境か、あるいは就職において重要な「単位」「学位」を取りたい人とでは、支払う対価の考え方がそもそも異なる。キャンパスライフでの学生同士や教授とのコミュニケーションによる共創、セレンディピティは、大学に行くということの意義を強固に支えていた。

キャリアの考え方のなかで、高等教育の存在が、根本的に揺らぎつつある。

GALLUP の調査では、2013年から2019年の対比で「大学で学ぶこと」が最も重要と考える人は 39ポイント落ちて、一方であまり重要ではないと考える人は、7ポイント増えている。一方で、同じ調査では女性やマイノリティの方が「より大学教育が重要」だと考える割合は、顕著に増えていると報じている。

他方、日本でも奨学金の返済手段をめぐる議論や、学費の後払いといった議論が活発化し始めていた。関西学院大学では、このたびの感染拡大の影響をうけた経済的支援として、ヘックス型と呼ばれる後払いの奨学制度を含む10億円規模の予算を計上している。

アルバイト収入の減少などで経済的に困窮する状況となった学生に向けて「関学ヘックス型貸与奨学金」を新設する。ヘックス(HECS)型貸与奨学金とはオーストラリアで普及している学費後払い制度で、就職後年収が400万円になるまで返済を猶予する。貸与金額は3万円から。

12月22日の産経ニュースでは、はたしてどういう経緯なのか知らないが、日本学生支援機構による「就職先企業による奨学金の債務代理負担」という制度について報道された。

日本学生支援機構は22日、機構から学生時代に奨学金を借りた本人に代わって勤務先企業が返済できる新制度を来年4月1日から導入すると発表した。(中略)奨学金を返済している社会人は約450万人。これまで企業の代理返済は認められておらず、社員を援助するには給与へ上乗せする手法が一般的だった。(中略)企業側のメリットとして、法人税上の損金に算入できるため節税できる可能性がある。希望すれば機構のホームページに社名を掲載することができ、社会貢献活動のPRにもつながる。

奨学金の肩代わり返済のニュースについては、隷属制度だったり年季奉公といったネガティブな反応も見られる。確かに、ただでさえ求職側と求人企業とで非対称性、歪みのある新卒一括採用の業界構造があるの中で、奨学金の債務負担というのは、企業がパワーを持ちすぎる可能性があるし、そうでない求職者との採用の平等という問題もある。何より離職した場合や、すぐに転職した場合など様々なシミュレーションがどこまで考慮されて実現するかはまだ想像が難しい。しかしこの流れが加速していくと、大学教育そのものと就職とのグラデーションがより混ざりあった色になり、純粋なアカデミアの世界との分断は明らかだ。無償で学び、就職した企業に債務を払ってもらうというという事実は、企業による教育の支配にならないように気をつけなくてはならない。


人生100年時代と、パンデミック

ここ数年では頻繁に「10年後になくなる仕事」といった調査や発表が行われる。AI に置き換わるだとか、そういう感じのあれだ。どこかの偉そうなアナリストが書いていたりするもので、その内容について特に意見は無い。しかし、そのような論調が人々の中で大きく意識されている時代であるということをここでは強調したい。

2020年、人々の生活や労働スタイルも一変した。

現代の人は、一つの職業だけでずっと生きていくのはもう無理なのではないか。いや、むしろ20代、30代の20年間だけでも、まったく異なる2つか3つの職業を経験することだって、普通になるかもしれない。そう考えるほうが、ごくごく自然ではないか。

何年も言われてきた事かもしれないが、ここまで強烈に印象強く、自らに突きつけられた現実は 2020年 が初めてだっただろう。ホスピタリティを持ち航空業界に憧れた JAL のグランドスタッフが、コールセンターでオペレーターとして働いたり、神社で巫女になったり、いったい誰が想像できただろうか?

初等の学校教育においては、「学び方を学ぶ」「総意工夫し、思考する力を養う」といった、時代が変わっても普遍的・汎用的なスキルが重視されるだろうし、何より「リカレント教育」が浸透し、「異業種からの転職」をより許容する空気感が醸成されなければ、長期的な視点での日本の労働生産性は上がらない。

自分の業界のポジションからマウンティングをするのではなく、元料理人がソフトウェア・エンジニアになっても良いし、その逆でも良い。それを歓迎する空気を業界として作っていくべきであると考える。それは過去の業歴も含めた、ひとりの人間の「タレント性」で勝負する時代だ。

人は、今この瞬間が一番若い。外野のノイズに惑わされず、何歳でも挑戦したっていいだろう。

 家庭環境や学歴、年収に関係なく、あるいは出産や介護といった何かしらの理由でキャリアが中断されてしまった方に、新しい可能性にチャレンジできる機会を作る。

 例えば 2020年、経済的に困窮して大学をやめざるを得なくなった方が、フリーターとしてキャリアの迷子になる前に、我々の学校を経て、ものづくりの仕事を得られるという選択肢を提案する。

人々のチャレンジを応援するため、学びたい強い意欲がある方と、それを提供するスクールが、フェアな関係ででありたいという理念から、日本で初めて ISA と呼ばれる仕組みを導入した。


就職に成功するのではなくて、業界で活躍する人を輩出する

ISA は後払いで、卒業後に就職した企業の初任給の翌日から支払いがスタートする。理論年収(臨時賞与や割増残業代は含まない)が 300万円以上 になった場合に限り、年収額に応じた率(7〜15%など)を一定期間、毎月支払っていただく。転職保証という名の「返金制度」ではないため、途中で挫折した場合、金銭的リスクは、限りなく小さいかゼロである。※ 副教材としての技術書の購入費や、人によっては新しく買う Macbook 代金は個人負担となる他、5週目の進級テスト後からカリキュラム完了前における自己都合での退学時のみ、在籍保証料の精算が必要となる。

 従来の転職支援型のプログラミングスクールの多くは「就職率」を重視しているが、我々は「業界で活躍する人材の輩出」を重要な経営指標に置いている。ISA モデルの採用は、学生が真に成功しない限り、運営企業は収益機会を逃して生き残れないことを意味する。たとえ就職に成功しても、半年後にミスマッチで離職してしまっては意味がない。しかも今ある学校を、単に ISA化 して受け入れれば良いという話ではなくて、カリキュラムの思想とも密接に関わるため、簡単に導入することはできない。「未知の課題に対して取り組み、業界で活躍する人を輩出する」を、教育方針・学校のミッションとして掲げている。

だから、答えを直接教えるようなコミュニケーションは行わない。もはやインターネット上には良質なオンライン教材が多数、無償公開されている時代だ。教材はコモディティ化しており、自ら内製したものをアピールする必要はない。無償か安価で、最良の教材を組合わせて利用することが、最も受講生のためになる。


1年やってきて見えてきたこと。 そして想定外の喜び。

数ヶ月ごとに少しずつ受け入れ可能な受講生のキャパシティを増やしていきながら、実績を積み上げていくことができた。

受講生の内定実績として、本人による努力の結果がもちろん前提であるが、上場企業や、技術的にも選考難易度の高い企業もある。レコチョク、アイスタイル、ZOZOテクノロジーズ、エス・エム・エスなど、一般的によく知られた企業に内定を取ってくれた。彼らの多くは、技術面談、コーディング課題などを経て内定を獲得している。卒業生の年収は最大で480万円、平均で384万円だった。これは平均的なプログラミングスクールよりそれなりに高いのではないかと自負している。最年少の16歳の子は、本来、大学生や大学院生を対象とするサイバーエージェント社主催のハッカソンで優勝してくれた。技術や、プロダクトづくりに関して学校で学んだことを存分に発揮してくれた。


2020年3月に緊急事態宣言の発令を見越して、その前にオフライン拠点を即時クローズし、オンラインに完全移行したり、その結果オンラインへの移行期間では期待値調整が難しくなったことで、半数以上の初期の受講生が離れていったり HARD THINGS もあった。組織の買収統合では、PMI がうまくいかずに一致するカルチャーを作ることの難しさも実感した。でも、そのような苦難を一つ一つ乗り超えた今、一切の曇りなき最高のチームができたと思っている。僕と一緒に働きてみたい人がいたら、ぜひコンタクトしてほしい。

この事業を構想して、一つ一つ具現化してきた中で、当初はまったく想定していなかった喜びも実感することができた。

ISA 契約の受講生は、学歴や現在の年収といったものに関係なく挑戦できるからこそ、何かしら過去にコンプレックスを抱えていたり(母子家庭で育ったり、大学を中退した方だったり、新卒一社目をパワハラで辞めた方など)自分に自信が持てなくなったりする人も多かった。一方で、自分の可能性を限界まで試したいという、非常にポジティブで高い志を持った人もいる。

6ヶ月間、物事を継続するというのは難しい。2割くらいの方は、やはりどこかのタイミングで挫折をしてしまう。私たちは人がどうやって成長していくか、定量的、定性的な視点からカルテを徹底管理して、オンライン教育でうまくいく方程式を探した。講師やコーチとは独立した立場で、専属のコミュニティマネージャーが長期間の学習におけるメンタルケアの領域でで受講生を支えたり、社内のキャリアカウンセラーが傾聴し、一緒にキャリアの成功を目指していく。

その過程を一巡した受講生がたどり着いた先にあったものは、ただ技術を習得し、就職を叶えてソフトウェア・エンジニアの仕事が実現することだけではなかった。入学当初、あまり自信がなさそうだった人たちが、徐々に明るい表情となり、声のハリも良くなっていった。新しい問題に直面したとき、きちんと仮説を立てて、論理的に答えに導くことが思考の習慣となっていて、自分に自信があるように感じた。これは、プログラミング学習を通じて起こった日々のフィードバックや成功体験 ──バグと向き合いながら試行錯誤する日々を乗り越えた先に見える景色 を通じて、人間的な成長があったということである。ISA という、スクールと学生がリスクを共有し、成功を共有するというコンセプトの環境で、切磋琢磨した先にある情景だった。

そして多くの受講生が、オンラインで学び合い、教え合うというカルチャーを自然体で実践してくれた。 CODEGYM ISA は、まさにピアラーニングの場だった。チーム開発を通じて、他者が書いたコードを見て学んだり、相手から学んでいく。

これはプログラミングスクールとして、あるべき姿、正しいアプローチに近づいていると確信した。

みんなが自信をもって明るくなっていく。
仕事をしていて、こんな嬉しいことはない。

もっと多くの人に、この体験を届けたい。

毎年1000人、2000人、そして将来的には1万人単位の方が、新しい挑戦をする際に、自信をもって再スタートできるような事業

それを作りたい。


── 教師になりたかった子供の頃の夢。

── 投資家というキャリア転向も考えていた、シリアル起業家の29歳。

これらの目標は相反することなく、綺麗に融合して「教育を通じた、人の成長可能性」に対して投資をするという、新しいコンセプトの事業が誕生した。


ただ、この事業は、経営が本当に難しい。なぜなら、最初に4〜5億円のキャッシュが出ていき(赤字)、PayBack(キャッシュフロー上の損益分岐点)は平均36ヶ月と強烈に長く、一般にベンチャーキャピタルや投資家からすると、最悪なビジネスモデルである。資金繰りが命であり、さらには SaaS やコンシューマー向けのビジネスのようにJカーブを描くようなモデルではない。

ただし、社会に必要な事業だ。そして、多くの人が必要とする限り、複数のステークホルダーの問題を同時に解決できるソリューションである限り、事業として成立して、必ず成功する

当然ながら ISA は、「リカレント教育を通じた、新しいキャリアへの挑戦」に関するすべての領域に応用可能である。テクノロジー教育はきっかけにすぎず、様々な領域に展開されることも当然ながら見据えている。おそらく10年後、自社で運営するテクノロジー教育に関するセグメント別売上高は、全体に対して3割か4割くらいかもしれない。まだ序章の序章、この事業の本質は FinTech であり、そして教育に対する価値変容を担うイノベーションそのものである。

僕らが成功しなければ、アメリカで拡大したISAが、日本に上陸することはない。新しいことを始めるときには、謙虚で、フェアで、多くの人に丁寧に説明をしていく必要がある。

僕の頭の中は、常に2つの大きな軸があり、それがDNA螺旋のように巡りながら思考している。

1つは、「ISAというFinTech事業モデルの確立、普遍的なものとしてプラットフォームになりうるかという挑戦」

もう一つが、「テクノロジー教育として最大限のクオリティを発揮し、輩出した人たちが業界で活躍していく偉大な教育機関の創設」だ。この2つは密接に関わりながらも、ときに独立して考えているから、2つの事業を同時に行っている気持ちもしている。


すべての人が平等に挑戦できる社会へ

ISA のプラットフォームを社会に浸透することに成功すれば、新しい職業に挑戦する際、金銭的な事情によって始められないという言い訳はできなくなる。20代の貯金

米国では大学でISAが普及しはじめていて、パイロットの養成学校も、その適正検査を経て入学した学生は、ISAによる出世払い契約が締結されていたりする。

「人の可能性に "投資" する」事業であるということは、ISA は ROI で測ることができ、受講生の卒業後の成功がいくつかのKPIツリーを経て、最終的に我々の PL に反映される。奨学金ではないもう一つの選択肢として... 借金(ローン)ではない性質のものに、自分の合うと感じた学生が、それを選べるという「選択肢」があることが大切なのだと思う。当然ながら ISA は、支払額は大きくなるデメリットもある。ただし、高額な金利がかかるプログラミングスクールのローンと比較すれば、遥かにフェアな設計でできている。


誰もが教育に対して、平等に挑戦できる環境を作る。

お金に悩まずに、やりたいことに、ひたむきにそれに集中できるようにする。

それが借金のある家庭で育ち、自分自身がかつて感じてきた教育制度へのペインに対する答えだ。

僕のミッションだ。


村井純のように、偉大な学校を作りたい

村井先生は、ちょうど僕が生まれ世代である1990年に、慶応義塾大学藤沢キャンパスを創設された。30年が経って、今では多数の起業家、ITエンジニア、バイオ研究者や国の重要な政策に携わる方など、多くのリーダーが誕生している。

あの露天風呂で交わした他愛もない時間は、きっと忘れられない。

いつか先生のように、僕も偉大な教育機関を作り、そこから輩出した人たちの手によって、連鎖的に社会が良い方向性に変わっていく。

彼のように、卒業する人たちによって社会が変わっていくような、偉大な教育機関を創設したい。


これらが、僕が今の事業を構想して、
それに共感して集まった仲間とともに、仕事に没頭している理由だ。


Author @mocchicc
よかったらTwitterフォローお願いします



▼ 投資家/VCの方へ

事業計画に関してご興味がある方はコンタクトください。


▼ 報道関係者の方へ:

株式会社LABOTならびに、本記事著者の鶴田浩之は、下記のテーマについて造詣が深く、社会情勢と関連したお話することができます。

オンライン学習(世界的パンデミックの背景をふまえた状況)
プログラミング教育
・社会人の学び直し教育
・米国を中心とした3年目で5億ドル市場の Income Share Agreement 新興市場に関する知識
・資本主義と教育のあり方に未来の提言
・リモートラーニングに関する深い洞察
・従業員のリモートワークでのパフォーマンスを発揮する仕組み作り

ご関心がある方は、ぜひコンタクトください

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?