映画「20th Women」
思春期の少年が成長する時、どんな大人が周りにいてくれればいいんだろう?
1979年のサンタバーバラが舞台。シングルマザーの母ドロシアは、思春期を迎える息子で主人公のジェイミーの教育に悩んでいた。ある日、ドロシアはルームシェアで共に暮らす写真家のアビーと、ジェイミーの幼なじみで近所に住む友だち以上、恋人未満のジュリーにジェイミーの教育を依頼する。
年上のイケてる女性、思いを寄せる少し年上の女性が終始、家をウロウロされたら……。んーーー、私がこの少年だったらエロい雑念だらけで成長してる場合かっ!ってなりそうだけどな……。
さて、本編では、3人の”20th Women”がジェイミーに影響を与えていく。
※ここから若干のネタバレを含みますので、ご注意ください!
まず、ジェイミーが思いを寄せる女性、麗しのエル・ファニング様が演じるジュリー。ジュリーは毎晩ジェイミーの部屋へやってきて一緒に眠る。………ん? まず、ここが気になる!! 日本の住環境だったらあり得ない話である。一瞬でバレるね。大騒ぎになるよ。親は気がつかないのかね? 敷地が広いからなのか? ジャパニーズとしては大変不思議な住環境である。
ジュリーはジェイミーに心を開いているが、体を許すことは決してない。他の男には許しているのに……。ここが女心の複雑さよ。ジュリーの気持ちはよくわかるが、これは思春期の男子にはキツイだろうな。一番大切な心を許してくれているだけにやっかいなパターンである。ジェイミーの将来の恋愛まで左右されそうな勢いである。(勝手に心配になるアラフォー)
そして、年上のイケてる女性アビー。音楽や芸術、そして女性の心と体についてジェイミーに教えてくれる。アビーには、とあることが起こり、心が深く傷ついている。そこから気丈に立ち上がろうとしている。そんなアビーの心にきちんと寄り添うジェイミー。
そして、母。息子に大きな愛を注ぐがうまく伝わらない。これはシングルマザーであろうがなかろうが、すべての親子関係でぶつかる壁なんだろうな。母は自分のそばから離れ、外界を知り、成長していく息子の姿を近くで見ることはできない。
息子は成長して、母から巣立つ時のことを視野に入れている。その時に母が幸せでいて欲しいと願っている。そのため、「母さんはデートしないの?」「今、幸せなの?」(もっと辛辣なことを聞いていたが忘れてしまった。重要なポイントなのにっ…)などと問いかけ、母の女性としてのアイデンティティに揺さぶりをかけてくる。これはアラフォー未婚女子にも痛みを持って響きましたよ。50歳や60歳になって恋愛……。想像がつかないわ(遠い目)。でも、ないことはないんだよなーー(さらに遠い目)。
すれ違いながらもお互いを想い合う心は同じ。少年が大人になる時に必要な愛情はきっと一つではない。一つだと息苦しいんだろうな、これもお互いに…。
この映画の監督であるマイク・ミルズの自叙伝的なストーリーとのこと。そこはかとなく漂うオシャレ感。「オシャレ? えっ? オシャレとか別に? 子どもの頃からこんな感じだし…」という匂いが画面からぷんぷん漂ってきて、うらやましいったらありゃしない。
「そこはかとないオシャレ感ってどうやったら身につくんでしょうか?」(39歳・女性)
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