映画『三度目の殺人』
『三度目の殺人』。タイトルからして重そうな内容である。仕事帰りに一人で行くのは気が乗らないけど、一緒に行ってくれる友人は海外旅行中…。でも、絶対おもしろいはず。そんな匂いがする映画なので、見に行かないと後悔する！
その勘はやはり当たっていた。正直、重い。重いっす。イケメン福山雅治をもってしても重い。「人を殺す」ということは相当な壁。一度、一線を越えてしまった人は再びその壁を「越えて」しまうのか――。
ストーリー弁護士である重盛（福山雅治）は、とある殺人事件を担当する。殺人の前科がある三隅（役所広司）が、解雇された会社の社長を殺害し、火をつけたということで起訴されていた。殺人の前科があり、自白もしているため、死刑は免れない状況だが、弁護士の手腕でなんとか無期懲役に持ち込もうと奔走する重盛。しかし、三隅の自白はコロコロと変わり、そこへ被害者の妻と娘の衝撃的な証言も絡んできて、重盛は三隅が本当に殺したのかわからなくなり、「真相」にたどり着きたいと思うようになる――
ストーリーにもあるように役所広司演じる三隅の発言がコロコロ変わり、様々な証言も出てきて、イチイチ翻弄される。もう本当にわからん。「殺人を犯したか、犯してないか？」その答えは描かれていない。わざとどちらにも取れるように意図して描いてある。
自分は人として何を信じるのか？
「わかるかーーーーっ！ ボケーッーーーー！このハゲーーー！！」と逆ギレしたくなる。
しかもタイトルの『三度目の殺人』。この三隅さん（役所広司）は物語の中では、一度殺人を犯している。これは刑が確定している。二度目は殺人を犯したのか、はたまた犯していないのか？が争点になっている。なーのーにー、タイトルは『三度目の殺人』ときたもんだ。わかるかーーーっ！
これまで役所広司が出てる映画はあまり見たことがなかった。『Shall We Dance?』くらいかな。いやー、もう凄い演技力。何を考えているのかさっぱりわからない。翻弄されまくり。「暖簾に腕押し」とはこのこと。見ていて「ウザい、この人ーー！」ってなったもんな。
そして、被害者の妻であり、広瀬すずの母親役の斉藤由貴もすごかった。自分にひたすら甘く、依存心の塊のような女性。あんな風に「女」を全面に出して色気を放つ役者さんって同年代ではいないんじゃないかな？ もはや妖気レベル。ありゃあてられるな。ハマったら終わり。これは男性だけに言えることじゃない。女性でもあの沼に絡め取られたら生気を吸い取られそう。不倫騒動で色んな作品を降板してるけど、正直もったいないなー。
……話がズレました。やはり結論は正直わからんのです。が、が、もし、自分がこの裁判の「裁判員制度」で裁判員に選ばれたら？（なんか早口言葉みたいな文章になっちゃった）と考えると、………「黒」にする気がする。もう少し情報欲しいけど、やはり一度越えた「壁」は、越えてない人よりも越えやすい気がするから。
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