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あと2回寝たら。#1

ここからの読み物は、わたくし、kakunomihiroの若かりしころ、当時はひりひりして直視できなかったできごとも、時間が経つと違う見方ができるんだなっていうことを自分自身がきづいてきたので、振り返りの意味を込めてまとめる作業をいたします。見えないけれど守られていたのかもというちょっと不思議な偶然も書いていきたいと思います。
基本的には実体験に基づいています。ただし、リアルタイムでないこと、物語をつむぐことによっての、フィクション的な見方も出てくるかと思っています。
お付き合いいただける方がいらっしゃったらうれしいです。
いなくても、書ききれたら自分をほめたいです。過去の自分もね。

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「どうしてこうなっちゃったんだろうねえ」

という言葉を聴きながら、
一筋の雲になっていく、煙突と、その白い雲の先を見ていた。

…なんて書きだしと、タイトルから、
男女関係のもつれの話かよと思うかもしれない。

あと2回寝たら、
命の日
と書いて、私の母の命日だ。
偶然にも、祖母の命日だ。
ついでに、お葬式を仕切ったお坊さんの誕生日だ。
ダメ押しついでに、そのお坊さんのお母さんの誕生日だそうだ。

偶然と、必然の線引きはどこにあるのか、
白と黒と、グレーのちがい、白っぽい黒は、何色なんだろう。
全部グレーなのだろうか。
白黒はっきりさせた方がいい場合と、
グレーの方がなんとなくまとまってる気がする場合と、
逆に
グレーだからこその疑念とか。



20数年前のあの日、その2日まえ、母の入院していた病院から電話が来て、
枕元に駆けつけた。
なぜだかわからないけれど、
病院に駆けつけてから何時間経過、と、心の中でタイムチェックしていた。

ほぼ丸一日眠らずついていて、なんとなくの仮眠をし、
個室に移り、2日目の夜は母のそばに付いていても、
少しは休んだ方がいいと、みんなで病室に泊まったが、
父だけは、辛い、と言って部屋に入れなかった。

個室は3人も入ればぎゅうぎゅうだった。
私は母のベッド下のスペースに潜り込んで、そこに寝ることにした。

「今日これから起きることは、一生忘れないようにしよう。」

と、なぜだか胸に誓っていた。
「危篤の母親の横たわるベッドのすぐ下で、仮眠をとるもうすぐ19歳になる女の子、なんて、世の中に絶対に私しかいない。」

他人のバイタルチェックの機械の音、子守歌代わりに寝ようとするのは生まれて初めてのことだった。


つづく(そのうち)

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お読みいただきありがとうございます。
不定期に、つづきを書いていきたいと思います。

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