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月曜モカ子の私的モチーフvol.224「わたしの月曜日」 文 ナカジマモカコ

時短解除ですっかり元の夜型になってしまい、店の片付けして帰宅すると朝の6時、バタンキューして起きると昼の3時とかそんな暮らしに戻ったので、エッセイに使えそうな昼間の写真がカメラロールに全く見当たらなくなってしまい、10月24日のレディオオンエア日の写真を使いました。

月曜日。
そう、月曜日には「月モカ」を再開することにしたんでありました。

日曜日。
日曜日は基本的に木曜から土曜の深夜営業に心身ともに削られ(体力の問題ね。お店は楽しくやってます)疲れすぎてよく眠れないまま「丑三つ時ジャナイ」日曜2時〜♩を迎える。番組は公開予約設定になっているんだけど、やっぱり必ず起きて配信を確認したり告知をしたりするのが正しいスタイルだよなと、先週寝坊して、痛感したわたしは重い体を引きずって13時に起きます。レディオの見所や、宣伝用にとっておいた写真などをSNSにup。
世相なんて知らんよ、と言いたいところだけど、今はどこもかしこも「ストーリー」なんとなく全貌を数秒で把握したい、という人たちがストーリーを重宝する理由もわかるので、自身のレディオから15秒ほど見所を抜き出してストーリーやTwitterにあげる。
(これどうやってるん?とレディオ相方の石川シンに訊かれたのですがiPhoneの『画面収録』機能を使っているんです。便利だよ)

⤴︎かくして昨日も無事「オフエアー」が放送されました。
わたしと石川シンは「サステナブル=持続可能」な番組であることを一番の所信にしているので、色々話し合った結果、ほぼ音声のみでお届けするラジヲ型の「ON AIR」と、その「ON AIR」を振り返りながらアフタートークする様子を動画で配信する「OFF AIR」を交互に放送することにしています。

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(⤴︎お店の玄関マットを新しくしたんだ、とっても気に入っている)

ところでみんな、何か新しいことを始めると「どういう勝算があって」「なんのために」「どの結果を目指して」やっているのか、すぐに訊くよね。

つまりなんていうか「好きな人ができた」というと「付き合ってるの?」「もう寝たの?」「結婚するの?」「一緒に暮らすの?」って、
みんななんだか未来の座標と現在の座標を一直線で結びたいみたい。

「ただやりたくて始めた」とか
「ただ好きになったけど、どうしたいわけでもない」
とかって、そんなにも生きてて「無意味」なことかしら。

何かすごい結果を残そうとしてその勝算がないとその試みを「してはいけない」のかしら。

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人生ってとっても予測不可能。この写真は銀座で8年一緒に働いていたチーママの千賀子さんだけど、出会って一緒に働いていた時は、その後互いがママから酷いパワハラを受け、しかしそのタイミングがずれたため、互いの気持ちがわかりあえず約2年ほど疎遠になり、
しかしそのあとこうしてまた週に2度ほど一緒に働くことになるなんて思ってもみなかった。久しぶりに一緒にカウンターに入った時のあの懐かしさと、あと昨日の続きのような「あたりまえ」感を味わった時の感動ったら。

逆算で何かを計算通りに成し遂げた経験のないわたしは、
「胎動は己の子宮から」という言葉を自分で作って大事にしています。

それはこれまでも、自分が設計していたこととは真逆の方向に風が吹いて、
人生万事休すと思う、しかしその風がわたしの人生にとって大きな飛躍の風になる。そういう人生だからだと思う。
なので人生のバイブルはアラニスモリセットなのです。
この歌詞を読むたびに人生ってそうだなと思う。

今やってるレディオはそもそも「事業再構築補助金」というものを国に申請するために何か飲食店ではない事業をするにあたり、わかりやすいコンテンツが必要ということで「じゃあわたしが勝手に配信していたレディオを、ちゃんとした形で」となり、相方の石川シンにメインMCを依頼したもの。

つまり当初の目的は、わたしが人から訊かれて「しょうもないな」と思う質問に対して同じ「しょうもなさ」で答えるとしたら、
「チャンネル登録数を伸ばす」でも「話題になる」でもなく、
レディオをやっていることが新事業と認められそれらにかかった費用が大半国に補填されること。だった。

たまたまだけど親しい常連さんがその手のプロをご存知で、補助金のためにチームが作られ、それはかなり強固だった。勝算8割というところ。
プロたちも「簡単に通るだろう」と踏んでいた。
だけど、結果は不採択だったの。
ほら、予想もつかないところから風が。笑。

でも自分はあまり期待していなかったからがっかりもしなかった。
なぜならわたしの人生っていつも逆風に乗って前に行く感じだから。

また、その採択を待つ間にわたしと石川シンはレディオそのものがとても楽しくなって、どんどんアイデアが湧いて「もはや再構築補助金とかどうでもいいから、自分たちの力でできるところまで続けていこう」ってなった。

1回1回の配信と収録そのものが楽しくできているから、その楽しさをどうやったら「持続可能か」考えることにした。
ここで新庄監督が会見でおっしゃっていたことを引っ張ってくるんだけど、
新庄監督は「優勝は目指さない」と言ってた。
「優勝とか大きすぎる目標を掲げると選手は辛くなってくると思うんですよ」その言葉ってわかるなあと。

つまり最初から100万人登録とか、わかりやすい結果を求めることによって、常にその目指している結果と現状の間のギャップに耐えかねて、だいたい途中で「もうやめたい」ってなる。月モカもそう。最初から1000回までやりますとか言ってたら2ヶ月で終わってたと思う。

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わたしって割と物事を続けるのが得意だと思う。
でもそのコツとしては今日と明日しか見ないからだと思う。
わたしって神社の階段登る時に足元しか見ないタイプ。
なぜなら見上げたら「うわあああ」ってなって登るのやめてしまうから。笑。

そんなわたしの月曜日。
日曜日は起きていても疲労が拭えずぼーっとしているから夜は銭湯でサウナにでも入ってチルな感じにして友人の高野ゆらこが出演し常連さんの地震学者の方が使っているという装置のレプリカが使われている「日本沈没」を見て寝る。寝まくるので12時間とか寝て15時とかに起きる。

おっと「そういえば月モカ再開したんだった」と気づく。
月曜はレディオ収録日で今からピアノの練習もしないといけない。

こういう時に目標が高すぎるとやめてしまうんだな。
なので、もしかしたらもう使ったかもしれない写真使っても気にしない、
ろくなこと書いてないけど気にしない、
「わたしの月曜日」とかいう、ひねりもないタイトルだけど気にしない。

今日一番重要なのは再開2回目にして更新をやめてしまわないこと。

再開とは継続だから。

そんなわけでまた来週。
今からピアノの練習をし、レディオの収録をします。
今週は猛執筆があって、書きあがった新作をまるっと1冊加筆修正して壷井さんに送る。そのフィードバックが来週戻ってきて、また直す。
そしたらいよいよ最初のゲラが見えてきます。

月曜日。月モカを書くんでしたというルーティーンが、来週には戻ってくるでしょう。今日こうやって書けたのだから。

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何かをやっている理由。
何かを続ける理由。
その理由はいつでも「やっていて楽しいから」でありたい。
だからこそ楽しさを持続させられるよう努力はしたいし、
楽しくないなと思ったらすぐにでもやめたい。

                                  <モチーフvol.224「わたしの月曜日」2021.11.15>

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☆モチーフとは動機、理由、主題という意味のフランス語の単語です。
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長く絶版になっていたわたしのデビュー作「蝶番」と2012年の渾身作「誰かJuneを知らないか」がこの度、幻冬舎から電子出版されました!わたしの文章面白いなと思ってくれた方はぜひそちらを読んでいただけたら嬉しいの極みでございます!