手塚治虫『火の鳥(未来編)』
はじめに
手塚治虫の『火の鳥』1巻に続いて、2巻を読むことにした。
今回は「未来編」である。
これは流石に子供にとっては難しい内容なのではないかと思う。
基本的には、手塚治虫の作品では、子供が読むような漫画なのである。
20代である私は興味を持って読んでみたが、これはどういうことだ?と疑問に持ちながら、読んでいたに違いない。
火の鳥の視点で読むと、考え方も、だいぶ違ってきたりもする。
そもそも、“火の鳥”っていうのは、神の存在なのか。
宇宙から地球を見ているような感じだ。
『火の鳥(未来編)』を読んで
今回は未来編である。
前回は弥生時代だったけれども、ピューンと飛んで、いきなり未来から読むことになった。
これはもしかして、国盗り合戦で生きるために戦って、新しい文明に基づいた結果、人間はいずれか滅びてしまう結果になってしまうという原因と結果を先に出しているに違いない。
原因と結果だけの時系列をバラバラにして、出しておいて、本編っていうのは、後に出すものだ。
バラバラになっていた時系列は後にまとめると、こういうような人間の生き方をしていたのだと最初から最後まで繋げるといったストーリー性なのではないか。
そうじゃないと、作品自体が面白くないのだ。
「未来編」では、人類が滅びる寸前の世界である。
何故、こうなったのかは、人間の生き方の過程を読んでみたら分かる。
それが全て、人間がやってきた過ちであろう。
山之辺マサトと姿を変えられる不定型生物であるムーピーのタマコと一緒に過ごしていたが、マサトの同級生であり、上司であるロックがムーピー狩りで、絶滅したはずのムーピーが残っていることに目撃し、マサトとタマコを追うことにした。
猿田博士は絶滅危惧の動物の遺伝子操作し、人工子宮というでっかい試験管で育つことにした。
猿田博士って、祖先が猿田彦の!!!!??
鼻がでかいままで女にモテないコンプレックスを抱いていたらしい。
マサトは猿田博士の研究所に行き、奴ら(ロックら)に見つからずに隠居していたが、タマコが試験管の中に!!!??
これはもう考えさせられるSFだね。
どれだけマサトはタマコを愛していたのか、触れることですらできず。
ロックは人工電子(いわゆる人工知能(AI))によって、言いなりになっていて、放射線による戦争(人類滅亡)をすることになった。
そもそも、人工電子を作ったのは人間であり、滅びる過程を作ったのは人間である。
そういう未来は現実とほぼほぼ似ているので、将来は人類の生き残りはいないと思ったら方が良い。
ヤマトは火の鳥によって、不老不死となってしまい、最後の人類の一人となってしまった。
神のような存在(宇宙生命)の一体化となったヤマトはそれぞれの生物の生き方について見てきた。
生物は人間と同じ、一個体が進化すると、皆が進化していき、支配をし、文明を発展し、戦争状態となり、いずれか滅亡する。
こうやって、歴史は繰り返していくものだと思った。
生きるために文明を発展し、戦争する。その結果はいずれか滅亡するという一種の生命の運命が愚かに過ぎない。
今、パンデミックが起こりゆる中で、人類の命は長らく続くのであろうか。
おわりに
この本書の「未来編」はいかにも考えさせられるような内容だった。
手塚治虫は現在に生きる人類のために書かれた作品であり、ある意味、これから生きるための教訓を得られた。
現在でこのような状況になっているけれども、いずれかは人類が滅びてしまうことはおかしくもないのだ。
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