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姉弟喧嘩で学んだ推し事との付き合い方

サッカーに限らず、スポーツチームを応援するきっかけが「家族」という人は多い。
かくいう私もその1人。

小学5年生のころ、私と弟はサッカー経験者の父に連れられて駅前不動産スタジアム(当時はベストアメニティスタジアム)に行き、そこからサガン鳥栖(以下、鳥栖)を応援しはじめた。
こうして生まれたのが「サポーター姉弟」である。

今回はそんなサポーター姉弟が大喧嘩し、一連の騒動から学んだ推し事との付き合い方について、みなさんに共有したい。

登場人物

今回の出来事について語る前に、登場人物について軽く紹介。

  • 私(moca):鳥栖サポーター。実家(佐賀)住み。現監督については特別好きでもないし嫌いでもないが、誹謗中傷の言葉を聞いたり見たりするのは嫌。

  • 弟:同じく鳥栖サポーター。関東在住。年齢的には私の1個下。現監督絶対許さないマン。本人曰く「ダービーでよく眠れた発言を俺は許さない例え優勝しても」とのこと。

  • 母:鳥栖含めどこのチームも応援していない。強い。

弟をミュートした経緯

事の始まりは7/8の18時頃。
ふと私がLINEを開くと弟からメッセージが届いていた。


ここで日付に注目して欲しい。
弟がメッセージを送ったのは7/7の8:42である。
なぜこんなにも返信が遅くなったかというと、私は弟のLINEをミュートしているからだ。

昨年8月、鳥栖は永遠のライバル・アビスパ福岡に負けた。
しかもホームゲームで。
私も弟も現地にいたので鮮明に覚えている。

そして、監督はインタビューにおいて物議を醸す発言を残した。
かの有名な「よく眠れた」発言である。

このインタビュー以降、弟は現監督のことをdisりにdisりまくり、私に対しても「誹謗中傷」という言葉では納まりきれないくらいの罵詈雑言を送ってくるようになった。

最初のうちは「まぁ、あの相手にあの負け方じゃこうなるのも仕方ないか」と思って軽くあしらっていた。
もともと弟は良く言えば熱狂的、悪く言えば気性の荒いサポーターだ。間違いなく現監督とは真逆の人間である。

ただ、2024年シーズンが始まり、鳥栖が残留争いに巻き込まれると、弟の罵詈雑言はさらにエスカレートした。
ここに書くのも憚られるくらい、例えるなら某掲示板住人をさらに悪化させたレベルである。

そのような言葉を試合が終わるたびに送られてきたら、流石に私もうんざりする。
だから何度もLINEや電話で「あんたが監督についてどう思おうが関係ないけど、絶対に現地やXで言うなよ?不快に思う人だっているんだから」と直接言った。

それでも弟はやめなかった。
「もう聞きたくない」と思った私は、ヴェルディ戦以降、弟のLINEをミュートしたのである。

打ち砕かれた淡い期待

話は戻るが、弟からのLINEを見た私は以下のメッセージを送った。

このときの私の気持ちを率直に表すなら、少し嬉しかった。
最近になって少しずつではあるが、鳥栖は以前のような爆速ハイプレス集団に戻りつつある。
Xを見ても「そうそう!こんな試合を待ってたんだよ!」というサポーターの声も多い。

そのためか、私は淡い期待をしていたのだ。
「最近調子良いし、少しは『観てやろう』という気持ちになったのかな?」と。

しかし、私は弟の監督アンチっぷりを完全になめていたのだった。

堪忍袋の緒が切れた

浦和戦の後は、サポーター姉弟によくあるたわいのない会話をしていた。
ライバルが負けただの、あれはスコアレスドローで終わらせとけだの、そんな話をした。

そして、突然送ってきたのがこれである。

ハッキリ言おう。呆れた。
まだこの期に及んで監督の悪口を言うのかと。
例えばこれが連敗中ならまだしも、2連勝した後に出てくる言葉がこれか?

その後のやり取りは以下のとおりだ。

完全に弟は「鳥栖が落ちてほしくない」という気持ちを盾に、誹謗中傷を正当化している。

いやさ、そこまで言ったらお前が鳥栖サポやめたほうが早いって。
うちはお金があるチームじゃないし、これからも現監督体制が続く可能性が高いのに。そんなの絶対ストレス溜まるだけやん。

しかも私何度も言ったよ?「監督が変わろうが続投しようがどうでもいい」って。今まで私の話聞いてないやろ?

てかそもそも同じチーム応援してるからってみんながみんな同じ考えなんてあり得ないんだよ。
身内だからって何でもかんでも分かってもらえると思うな!

そんな怒りを抱きながら(最後の言葉は実際に弟に送った)私は弟をブロックした。

避難を試みるが失敗に終わる

ブロックした後に沸いた感情、それは「あいつ(弟)の顔を見たくない、どうやったらあいつと会わずに済む?」だ。
帰省を阻止するのはさすがに無理だし(母が止めに入るから)、浦和戦のチケット購入を阻止するか?いやそれはそれで難しい。

そして私は閃いた。
「そうだ、私が実家から出ればいいじゃないか」と。

幸いなことに、私の仕事はネット環境があればどこでもできる。
そして父は単身赴任で関東にいる。(弟とは別居)
よし、父のところへ逃げよう。ついでに鹿島戦も行こう。
私はLINEを見せながら母にこう言った。

「○○(弟)と喧嘩した。ハッキリ言ってあいつの顔見たくない。あいつが帰ってくる間、お父さんのところ行っていい?」

すると母は血相を変えてこう言った。
「そんなことで喧嘩するくらいなら鳥栖なんて行かんでよか!!」

あえなく私の逃走計画は失敗に終わったのだった。

今回学んだこと(忙しい人はここだけ読んでも構いません)

母に一喝された後、私はベッドで延々と考えた。

私を含め、サポーターにとって「サガン鳥栖」という存在は、人生になくてはならない生活の一部である。

試合に勝ったらその次の日までは有頂天になるし、負ければ地の底まで落ち込む。
普段の生活でさえ、次の試合に行くための時間や資金をどうにかこうにか割こうとする。

ただし、それはあくまでも「サポーター」だけの話である。
冷静になって考えてみると、たかが応援しているチームの監督が変わる・変わらない、たったそれだけのことで姉弟仲が悪くなる。
そりゃあ親からしたらたまったもんじゃない。

さらに、ここ最近の私の生活についても振り返ってみた。
暇さえあればXを開き、サガン鳥栖に関することをつぶやき、フォロワーさんのつぶやきに反応する。

私は9月に資格試験を控えている。
これを書いている7月から数えると、もう2ヵ月を切っているのだ。
いい加減、勉強にシフトしないと不味くないか?
昨日の問題集も間違いだらけだったし、それで受かると思っているのか?

私はこの出来事がなければ、サポーターでない母に相談しなければ、きっと家族と資格、そして資格を取ったことによって得られる仕事を失っていただろう。

みなさんも、スポーツに限らず推し事は心の栄養になるし、なくてはならないものになっているだろう。
しかし、当事者以外からするとたかが「そんなこと」なのだ。

そして、その「そんなこと」によって自分の大切な何かを失った、または失いそうになった場合は、少し推し事との付き合い方を考えたほうが良い、と私は学んだ。

今後について

ここまで読んでいただきありがとうございました。

今後について、私はもちろんサガン鳥栖を応援する気持ちは変わりませんが、少しSNSでの活動を控えようかなと思います。

理由はこれまでの経緯を見てもらえば分かるとおりです。

ただし、できるだけ試合に行きたい気持ちや、同じ鳥栖サポの皆さんと交流したい気持ち、鳥栖について思っていることをつぶやきたい気持ちは、まったくもって変わりません。

そのため、資格試験がある9/8(日)までは、「試合当日だけ」SNSを解禁します。
それ以外の日に関しては、SNS(X、Instagram、note)からログアウトします。

試合当日は鳥栖サポの皆さんと一緒に、思いっきり楽しみましょう!!
それまで、少しだけお休みします。



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