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ラツーダの効果と実飲レポ

「双極性障害」と診断されてから1ヶ月が経った。
病院に行く頃には状態が恒常化しており、もはや自分がおかしくなっているのか正常に戻っていたのかも分からなかった。

今はちょっと元気なので、初めて飲んだ薬について個人的な実飲レポを書いてみる。

20mgを2週間、40mgを1週間とちょっと飲んだ感覚として、20mgを経たあとの40mgでやっとなんとなく効果が出てきたかな、という塩梅。

ただ、40mgに切り替えてから数日でじわじわと腹の底を侵食する嫌悪感(気持ち悪さ)が出始めたので、「強くしようか」と医師に言われたらよく考えたほうがいい。実際「強くするからね」と言われて、こちらからストップをかけた。これ以上、嫌悪感に苛まれることが怖かったからだ。

吐き気というほどではないが、飲んだ数分後からじんわりと気持ち悪くなって、小さな唸りの末に眠る羽目になる。眠る時、スムーズな入眠を希望している人は20mgで様子を見たほうがいいと思う。

起床後もだいぶ様子が違う。
もちろん個人差はあると思うが、40mgにしてから顔が浮腫むようになった。飲んでいる時期が夏で、ひねもす水分を多く摂っていることも関係しているだろう。起きた直後から、なまじっかまぶたが重い。眠さゆえの重さではなく、ぼてっとして開きにくい感覚。

しかしその分、効果もあった。
鉛のように重く、長く油を差していない自転車のように軋んでいた身体が随分と滑らかに動くようになった。ラツーダを飲んでから睡眠時間が極端に増えた。身体が回復しようとしているのがよく分かった。

MAXは80mgだと聞いているが、そこまで到達するかは分からない。
「増やそうか」と言われたから「ちょっと様子を見させてほしい」とお願いした。気持ち悪いのを楽しむほど頭のネジは外れていない。

薬の効果とは関係ないが、薬局で薬剤師に「精神、病んでるんですかね?」とか「気持ちを楽にするお薬、増えたので〜!」とか大声で言われるのは本当に勘弁してほしかった。分かる人には分かってしまうからだ。

別に他の患者に憐れまれても支障はないのだが、一応デリケートな話なので、薬の内容を説明するにしてももう少し声のボリュームを抑えていただきたいと切に願う。

何かを「嫌だ」と感じられるくらいには回復しているらしい。薬をもらうまでは、何が嫌で何が良いのかさえ判別がつかなかった。

ことの発端は「思い込み」から始まった。盗聴されているかもしれない、という小さな疑念がどんどん膨れ上がっていった。カメラとマイクがついているノートパソコンもiPhoneも、インターフォンでさえも猜疑の対象になっていた。家中のありとあらゆるものが敵だった。

注意していたひとりの人物から飛び出る言葉にどんどん注意深くなり、自分と第三者しか知らないはずのキーワードがその人物の口から出てくるたびに疑惑が濃くなっていった。

その人物がキーワードを発し、焦って違う単語に言い直す様子を見て、その疑念は確証に変わった。

周りは「考えすぎじゃない?」と何度も言った。自分もそう思うことにした。しかし現実(あくまで自分から見た現実)は、要注意人物が自分を監視しているという疑いが深くなっていくばかりだった。

教えていないはずのブログ、鍵をつけたSNSの下書き、自分しかいないLINEのトークルームに過激な言葉を書き続けた結果、誰も知らないはずの言葉たちがその人物の口から漏れるたび、恐怖に陥った。

自意識過剰と笑われればそれまでだ。しかし当時の自分は果てしなくその事象を信じ込み、恐れていた。

自分はいつしか「統合失調症」にもなっていたらしかった。

ラツーダはいったんやめ、今はインヴェガという薬に切り替わっている。
ちょっと調べると副作用が怖いとか出てくるが、くたばらない程度に付き合っていこうと思う。今のところは。

74.

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