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ソーシャルファンが集まる東南アジア市場で優位な地位を築くためのデベロッパーの必須戦略

活気があって元気みなぎるソンクラーン、ひんやりとして穏やかな海風、空気中に広がる魅惑的な果物の香り...このようなものが合わさって、グローバルゲートウェイで知られる、東南アジアの圧倒的な魅力が形作られています。

これと同時に、迅速に発展を遂げているモバイルインターネット環境、ソーシャルメディアファンの巨大なユーザーベース、そして、若く人口密度の高い人口統計など、これらすべてが、東南アジアを重要な市場へと押し上げ、デベロッパーが近年狙いを付けています。

南アジアを追い抜いて、モバイルアプリのダウンロード数において世界トップクラスとなった東南アジアは、デベロッパーにとっての宝庫となっています。しかし、この絶えず変化する市場では、その市場の魅力を拡大する要因を理解し、競争力を確保し市場占有率を向上させるのに効果的な成長戦略を採用することが重要です。

インターネットサーファーとソーシャルファンにより東南アジアが世界中のデベロッパーに話題のターゲット市場に浮上

熱帯地域のバカンスである東南アジアは、そこの人々の暖かさとおもてなしの素晴らしさが世界中で知られています。世界中の人々が休暇を過ごす理想の場所としてだけでなく、東南アジアは、その地域の成長するモバイルインターネット環境、モバイルサーフィンの習慣、ソーシャルインタラクションに対するユーザーの強い意向によって、国際市場を拡大しようと画策する世界中のデベロッパーの新しいターゲットにもなっています。

スムーズなモバイルサーフィン:モバイル優先のインターネットサーファー

PC時代を飛び越えて、全面的にモバイルインターネットを取り入れる東南アジアのユーザーには、米国や欧州などの成熟した市場のユーザーと同等の教養のあるモバイルユーザーがいます。このことが、東南アジア市場におけるモバイルアプリ市場の迅速な拡大に大きく寄与しました。
Statistaによると、東南アジア諸国のモバイルネットワークの有効範囲は安定して90%を上回っており、ローカルユーザーにスムーズなインターネットの閲覧を可能にする確固たる基盤を提供しています。

スマートフォンの出現と普及により、東南アジアのユーザーは、時間や場所を問わず、インターネットに接続できるようになりました。2022年には、東南アジアのスマートフォン普及率は驚異の75.62%にまで達しました。

しっかりとしたオンライン環境と、スマートデバイスへの人気の高まりが合わさって、ユーザーはモバイルを中心として使用するようになりました。データによると、東南アジア諸国のユーザーは、少なくても毎日4時間をモバイルネットワークに費やしており、中でもフィリピンとタイのユーザーは毎日の使用時間が5時間を超えています。

これは、東南アジアのユーザーが8時間の睡眠時間を除いて、1日の3分の1近くの時間を「電話サーフィン」に費やしていることを意味しており、「インターネットサーフィンファン」であることは疑いの余地がありません。

「インターネットサーフィン好き」のこのようなモバイル習慣は、膨大な人口と相まって、東南アジアにおけるモバイルアプリ市場のずば抜けた可能性を加速させています。data.aiのデータによると、インドネシア、ベトナム、フィリピン、タイのモバイルアプリのダウンロード数は世界のトップ20にランクインし、新興市場の最前線に立っています。

オンラインソーシャルファンの増加により、東南アジア市場におけるソーシャルアプリの開発が激化

絶えず変化する東南アジアでは、ソーシャルエンゲージメントが重要視されます。「ソーシャルファン」であるこのようなユーザー特有の特性として、ソーシャルアプリの拡大に大手を広げています。

SNSアプリの中で最も多いユーザー数を誇るソーシャルメディアアプリを例に挙げると、Statistaによると、インドネシア、フィリピン、ベトナム、タイといった東南アジア諸国は、2022年にソーシャルメディアのユーザー数でアジア太平洋地域のトップ10にランクインしました。印象的なことに、インドネシアは3位を獲得し、東南アジアにおけるソーシャルアプリのカテゴリーでトップ市場としての地位を確固たるものにしました。

同時に、東南アジア諸国では、SNSアプリのダウンロード数、ユーザー支出額、アプリの使用時間が目に見えて継続的に伸びており、複数の分野にまたがる包括的な拡大を示しています。

インドネシアは模範的な事例として注目を浴びており、2022年のマッチングアプリのダウンロード数が前年比3,140万件、使用時間が470万時間と著しい伸びを示しました。ソーシャルメディアアプリの使用時間が大幅に急増し、ユーザーが「ソーシャルアプリ」の虜になっていることが示されました。

なお、ソーシャルアプリに加え、ファイナンス・ユーティリティアプリもインドネシアユーザーの間では人気が高く、そのダウンロード数もゲーム以外のアプリのトップにランクインしています

東南アジアユーザーのソーシャルインタラクション好きは、ソーシャルアプリに留まらず、モバイルゲームの領域にも及んでいます。

data.ai 提供のデータでは、インドネシア、タイ、シンガポールなどの東南アジア諸国では、ハイパーカジュアルゲームが圧倒的なダウンロード数を誇っており、ユーザーの間で明確な人気を確立しています。チャートの首位を占めるハイパーカジュアルゲームの中には、ソーシャル機能を搭載したものもあります。

ハイパーカジュアルゲームの持続的な波は、東南アジアにおけるモバイルインターネットの急速な普及と相まって、多くのユーザーをモバイルゲームの深みへと導いています。今もなおユーザーが増え続ける、圧倒的な人気を誇るハイパーカジュアルゲームは、多くのユーザーをモバイルゲームの世界へと誘い込み、この地域のモバイルゲーム市場を発展させる大きな原動力となっています。

東南アジアのユーザーは、ハイパーカジュアルゲーム以外にも、シミュレーションゲームやアクションゲームなど、複数人がオンラインで交流できるゲームにも強い関心を示しています。このデータからも、日本のユーザーがゲームのストーリーに没頭し、ゲーム世界に癒しを求めることを優先するのに対し、東南アジアのユーザーは、関係を築き、チームメイトと協力しながらゲームを楽しむことに重きを置いていることが明らかです。そうすることで、オンラインでの交流とソーシャルエンゲージメントの両方の欲求を満たすことができます。

それに加えて、東南アジアのユーザーは、アプリ内購入に関して見くびってはいけない「支払い能力」があります。

世界的に渡航制限が解除され、活気ある観光産業で知られる東南アジアは、経済再活性化の新たな局面を迎えています。このような回復により、東南アジアのモバイルユーザーには、収入の増加が見込まれています。

ブラジルや中東などの市場では、地方銀行やクレジットカードの厳しい申請方針が、オンラインモバイル決済の障害となっていますが、東南アジアでは、モバイル決済の環境が急速かつ包括的に発展しています。この進歩は、盛んな観光産業の需要に後押しされ、東南アジアのユーザーのオンライン消費に対する興味を急激に促進しています。

東南アジアにおける非現金決済アプリの普及率はほぼ100%で、シンガポールやインドネシアなどの国では、モバイル決済アプリのユーザー増加率が200%を上回るという驚異的な数字をたたき出しています。

「景気の回復」、「モバイル決済アプリの堅牢な状況」、「ゲームへの熱意」の三拍子が揃い、東南アジアのユーザーによるゲーム内の派手な消費が加速しています。
Allcorrectgames提供のデータでは、東南アジアのモバイルゲーム市場の収益が持続的に伸びており、今後の発展における見通しが明るいことを示唆しています。東南アジアのユーザーは、米国や日本のような成熟した市場のユーザーほど支払い能力は高くないかもしれませんが、アプリ内購入に対する意欲と能力が高まっていることは明らかです。

東南アジアのモバイルゲーム市場では、ユーザーの支払い意欲と能力が高まっていますが、東南アジアの中でも未だに国による違いがみられます。

Statista によると、東南アジアではモバイルゲーム収入が増えつつありますが、東南アジアの中でもシンガポールは人口が少ないためモバイルゲーム収入が少なく、ベトナム、マレーシア、インドネシアなどの国は経済発展の状況によりモバイルゲームアプリの収入が比較的少なくなっています。

タイのモバイルゲーム収入は東南アジア市場で常にトップであり、新しい市場への進出を目指すグローバルなデベロッパーにとって有望なターゲットとなっています。

グローバルな開発では文化的な融合に注意

東南アジア諸国は地理的、気候的に似ていますが、社会文化、言語、宗教的信仰については顕著な違いがあります。そのため、東南アジアに進出するデベロッパーは、起こり得る過ちを避け、マーケティングの機会を利用できるように、国ごとの違いに十分な注意を払うことが重要です。

多様な公用語:ローカライズにはよりいっそうの注意を要する

東南アジア諸国の言語では、多種多様な公用語が存在します。たとえば、タイではタイ語、ベトナムではベトナム語、フィリピンではタガログ語と英語が公用語となっています。一方、シンガポール、マレーシア、インドネシアなどでは英語が主に使用されています。

そのため、デベロッパーは、製品の特徴やマーケティング資料など、ターゲット言語にローカライズされたコンテンツの信頼性を確保することに重きを置く必要があります。特に、ストーリーや設定、世界観が複雑なミディアムゲームやヘビーゲームでは、現地語の表現方法や習慣に合わせて、的を絞って適応させることが重要です。

さまざまな信仰や祭事:タブーに注意して、マーケティングの機会をものにする

東南アジアは、豊かな宗教や文化を特徴とする地域です。タイ、ベトナム、カンボジアなどでは仏教が主流であり、フィリピンやマレーシアではローマカトリック教が強い存在感を示しています。さらに、イスラム教やその他の宗教も繁栄しています。このような宗教観や伝統文化の違いを踏まえ、東南アジアに進出するデベロッパーは、以下の点を考慮する必要があります。

色のタブーとビジュアルデザイン

東南アジアの文化では、特定の色がタブーとされている場合があるため、デベロッパーは色の選択に注意を払う必要があります。たとえば、フィリピンでは赤や茶色はネガティブさを暗示し、シンガポールでは黒、白、黄色に特別な意味があります。

マーケティングの機会としての伝統的な祭事

デベロッパーは、タイの「ソンクラーン」、マレーシアの「ハリラヤ・アイディルフィトリ」など、東南アジア諸国で祝われる伝統的な祭事に注目する必要があります。これらの祭事は、ユーザーとの関りを深めるためのマーケティングイベントとして効果的に活用することができます。

まとめ

東南アジアは、新しい市場に進出するデベロッパーにとって有力なターゲットであり、非常に大きな成長機会を備えています。しかし、この地域で持続的に成長するためには、細部にまで気を配って、戦略を微調整する必要があります。

デベロッパーは、ローカライゼーションプロセスの間、東南アジア各国のローカライゼーション専門チームと緊密に連携する必要があります。このような連携は、言語、宗教、文化に関連するミスを回避し、伝統的な祭事などのマーケティングの機会を手に入れるのに不可欠です。

東南アジアではソーシャル機能の人気が高く、アプリやゲーム機構にソーシャル要素を取り入れることで、ユーザーエンゲージメントやユーザーリテンションを効果的に高めることができます。また、広告クリエイティブでも「ソーシャル」や「マルチプレイヤーとの交流」を強調することで、興味をそそることができます。

タイやシンガポールなどのユーザーは、アプリ内購入に対する強い意欲と能力を備えています。アプリ内購入の要素を取り入れ、利益を増やすハイブリッドな収益化モデルを採用することを検討してください。

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