見出し画像

飲食業界のDXは、徹底的な現場理解から始まる——セールス・長谷川が語る、飲食業界に潜む課題と「営業」の役割

こんにちは!Mobile Order Lab(以下、MOL)広報担当です!

今回は、セールス担当である長谷川圭介に話を聞きました。新卒でリクルートに入社した後、次のステップとしてMOLを選び、以来セールスの上流から下流までを一貫して担当する長谷川に、MOLのセールスにおけるこだわりを尋ねます。

「フードビジネスに新たなスタンダードを創る」をミッションに、デリバリー注文一元管理サービス 『Ordee』などを展開するMOLですが、長谷川は「むやみにDXを推進すればいいわけではない」と語ります。その言葉の背景にあるのは、飲食業界ならではの課題でした。

MOLはいかに飲食業界のDXを進めていくのか。そして、その中でセールスが果たす役割とは。


「飲食業界のDX」を阻むハードルとは?

——まずは、MOL入社の経緯から教えてください。

直接的なきっかけは、代表である肥田からの誘いです。私は2009年、リクルートに新卒入社したのですが、肥田は同期の一人なんですよね。リクルートに在籍していた当時は知り合いではなかったのですが、肥田が会社を立ち上げたころに共通の知人を介して話をする機会があり、そこから仕事を手伝うようになりました。

正式にジョインしたのは、2021年の4月です。新規プロダクトとして『Ordee』を開発し、顧客へご案内をしていくタイミングでしたね。

——現在はどのような業務を担当しているのでしょうか。

主にセールスを担当しています。具体的には、営業戦略の設計や他のメンバーのサポート、アライアンスの交渉など、セールスに関することは基本的にすべて守備範囲内ですね。また、リクルートで人材系のビジネスに携わっていた経験も生かして、人事を担当している岩水さんのフォローに回ることもあります。

——リクルート時代、人材サービスのセールスとしてさまざまな業界の企業を担当してきたのではないかと思います。そんな長谷川さんから見て、飲食業界の課題とはどのようなものだと感じていますか?

深刻な人手不足です。飲食業界は慢性的に人手が足りていない業界ではありますが、コロナ禍をきっかけに事態はさらに深刻化しました。2023年のデータではありますが、ある企業が実施したアンケートによると、約4割の飲食店が人手不足だと回答しています。

とはいえ、飲食店を利用するお客様にとって「人手不足」は無関係です。つまり、どれだけ人が足りないとしても、料理の味やサービスのレベルを保たなければ、お客様に満足してもらえず、生き残ってはいけない。

深刻な人手不足の中で、サービスレベルを保つために求められているのが、DXです。いま多くの飲食店に求められているのは、「テクノロジーの力を活用して、人手不足を補うこと」でしょう。

しかし、飲食業界において、DXを進めることにはいくつかのハードルがあると感じております。これは、飲食業界で働いている方々も実感しているのではないでしょうか。というのも、業態や店舗の構造などによっては昔ながらのアナログな方法、たとえば紙で調理指示を出した方が、運用がスムーズで判断もしやすい場合もあるんです。だからこそ、ITによる改革が生じにくい。

また、新しい技術を導入する場合、現場で働いている人たちに使用方法などを伝え、新たな運用を覚えてもらう必要がありますが、そこに時間を割くことが難しいことも、飲食店がIT化を進める上での課題の一つです。

勉強するための時間を確保するなら勤務時間外しかない、ということも珍しくありません。ですから、本部はDXに対して乗り気でも、現場での教育や新たな運用に落とし込むことが難しいため、ストップがかかってしまうこともあるんです。


現場理解なき営業は、「ITの押し売り」でしかない

——オフィスワークのDXとは、少し勝手が異なるわけですね。

結局、実際にITを活用するのは現場のみなさんですからね。むやみにDXを進めても、現場の負担になったり、混乱させてしまっては意味がありません。それでは「ITの押し売り」になってしまいますからね。

だからこそMOLは、「現場のみなさんが本当に求めているものは何か」を見定め、「現場のためのDX」を推し進めるお手伝いをしたいと思っています。そのためには、私たちがしっかりと「現場」を知る必要がありますよね。

——「現場ではどのようなことが起こっているのか」を知った上で、DXを進めていく必要がある。

そうですね。ただ、「すべてをDXすればよい」と思っているわけではありません。飲食業界には残すべき「アナログ」もあると感じています。具体的には「接客」などです。たとえば、スターバックスさまの特徴の一つは、注文をする際、あるいは商品をお渡しする際のお声がけやコミュニケーションですよね。また、餃子の王将さまの魅力は、中華鍋を使った豪快な調理のライブ感だと思います。

それらの魅力は、決してデジタルには置き換えられません。つまり、なんでもかんでもIT化すればいいわけではなく、企業や店舗ごとの価値を最大化するための最適なDXの形を見出す必要がある。ですから、飲食店のIT化においては「アナログのままにする部分」と「DXする部分」を見極めることが非常に重要なのです。

それを見極めるためには、やはり現場を知る必要がある。MOLでは、プロダクトの要件を定義するPdM(プロダクトマネージャー)が何度もクライアントの現場に足を運び「いかにITが活用されているのか」「本当に求められていることは何か」を徹底的にリサーチしています。私たちセールスも、実際に店舗に足を運んで食事をしたり、デリバリーを注文したりして現場を把握した上で、本部を訪問するようにしているんです。


全社を挙げて「現場」を理解し、課題解決に導く

——クライアントから「現場を見て欲しい」と依頼されることもあるのですか?

依頼されることもありますが、依頼がなければ私たちの方からお願いして現場を見せていただくようにしています。たとえば、PdMの峯が『Ordee』を導入していただいているゴンチャさまの担当者に依頼して、社員研修に参加させてもらったことがありました(研修に参加することになった背景や研修の様子は、こちらの記事で峯が詳しく語っています。ご興味のある方はぜひご一読ください)。この研修には私と肥田も参加させていただいたのですが、ここまで現場に入り込むのは、MOLならではのスタイルだと言えるかもしれませんね。

——現場ではどのようなことを確認しているのでしょうか。

プロダクトが導入されることによって生じるオペレーション上の変化や、現場の方々がその変化を歓迎しているか、あるいは店舗運営にとってプラスになっているか、実際の操作感はどうかなどを確認し、修正・改良を進めています。

重要なのは「現場に行くこと」を目的化しないことです。現場に足を運ぶのはあくまでも課題解決のための手段であって、それ自体は目的ではありません。『Ordee』をより有効活用してもらうためには、本部の意見だけではなく、現場の要望やオペレーションを把握しなければなりません。ですから、現場を訪問させていただきたいと依頼する際は、こういった目的をしっかりと伝えるようにしていますね。

——PdMだけではなく、セールスである長谷川さんも現場に足を運んでいるのはなぜでしょう?

やはり、現場を見なければご提案の精度は上がらないんですよね。以前、現場を訪れる頻度が低かったときは、現場のみなさんが抱えている課題を深く理解できず、クライアントから問い合わせがあっても、いまいちその内容がイメージできなかったんです。課題をしっかり把握していなければ、当然その解決手段も提案できませんよね。

セールスも現場に足を運び、プロダクトをつくり込むプロセスに関与することによって、課題解決に寄与できることも少なくありません。本部のご担当者さまが気付けていない小さな問題点を発見し、それをお伝えすることもあります。だからこそ、本部の方々からも「現場にも足を運んでほしい」とご要望をいただくこともありますし、しっかりと現場を知ることはクライアントとの信頼関係を深めることにもつながりますからね。そういった背景から、私はセールスという立場でありながら、本部だけではなく現場にも足を運ぶようにしています。


プロダクトの導入はゴールではなく、「スタート地点」

——『Ordee』の順調な成長の背景には、徹底した「現場主義」とも言える考えがあるわけですね。

私は『Ordee』が世に出て間もないころに入社しましたが、その当時は1社のクライアントが数十店舗で利用しているのみでした。それからクライアント数は大幅に増え、プロダクトの機能拡充も進むなど、さまざまなことが変化しましたが「現場を重視すること」だけは変わっていません。

入社当時から現場に足を運んでは、『Ordee』が導入された時のクライアントの反応を見るようにしていました。「4〜5台のタブレットを1台に集約できて便利になった」「POSと接続されたことでハンディミスがなくなり、運営がスムーズになった」などといった現場のみなさんの声を直接聞きながら最適化を進めるのは今も昔も変わりませんし、これからもそうだと思っています。

『Ordee』はかなり有用なプロダクトではありますが、「これを導入すれば、すべての課題が解決する」といった魔法のツールではありません。だからこそ、常に「現場では何が起こっているのか」に注目し、人の力も介在させながら臨機応変にアップデートとカスタマイズを繰り返す必要があるんです。

——導入はゴールではなく、むしろ課題解決のスタートなのですね。

その通りです。MOLの成長を支えてきたのは開発や提案の「スピード感」と「伴走力」だと自負しています。セールスの基本ではありますが、本部の担当者と現場の方々に「プロダクトを導入することで何を成し遂げたいのか」を徹底的にヒアリングし、スピーディーに課題解決につながる提案をすることで信頼を得てきました。

とはいえ、先ほども言ったように「現場に足を運ぶこと」はあくまでも手段でしかありません。これからも「現場主義」を徹底しつつ、本部のみなさんともしっかりと連携しながら課題解決に向き合っていきたいと思っています。

ーーー

MOLでは現在、急成長・急拡大に伴い、新メンバーを絶賛募集中です!少しでも興味をもっていただいた方は、ぜひ以下のコンテンツをチェックしてみてください!
 
<カルチャーデック>
MOLをもっと詳しく知りたい方はこちら!
https://speakerdeck.com/mol/culture-deck-zhu-shi-hui-she-mobile-order-lab

<求人一覧>
今すぐ応募も大歓迎です!
https://herp.careers/v1/ordee

<代表 肥田陽生のXアカウント>
お気軽にDMください!
https://twitter.com/HidaJoseph

<Pitta>
カジュアルにお話しましょう!
https://pitta.me/matches/IVmeelfTKFrr

<採用ページ>
Mobile Order Labのことを広く知るにはこちら!https://mol.notion.site/Mobile-Order-Lab-17cc1e91b57d41009d9c51f82e1199d8