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📚読書記録 2023年10月《10冊》

今月の読了は10冊。
購入した本:13冊、借りた本2冊。積ん読は+5冊。ビジネス書をまとめて語りしたので、また積読が増えてしまった。


今月読んだ本の感想抜粋

ロジカ・ドラマチカ(古野まほろ)

概要はこちら

個人的には結構好きな作品。「九マイルは遠すぎる」に代表される特定の言葉から推論を組み立てていくスタイルの小説。ほぼ会話で展開される構成のため、読む人を選ぶ気がする。好きな人は好きだし、苦手な人にはとっつきにくいと思う。

1つのワード、フレーズをそこまで突き詰めるのか、と思わされるほど、ある意味くどく証明していく。最後の章の「ビジネス」なんて文脈から推測できそうなワードにもかかわらず、「これは一般的な仕事をあらわすものではない」という証明を延々行っていく。それが本書の特徴でもあり、面白いところとも言えるのだが。

春・夏・秋・冬の四章構成で、時系列順に物語は進んでいく。一番最初の「春」が、言葉から導出される推論としては面白く、本書の方向性を理解するのに難易度としてもちょうどいいと思った。

知的バトルが好きな人にはおススメできる一冊。


ゴリラ裁判の日(須藤古都離)

概要はこちら

言葉を理解し、手話を介して会話もできるゴリラのローズが、人間の命を救うために殺された夫のために裁判で闘いを挑む物語。途中までは実話が元なっている。

「人間は特別」「動物だから」という普段なら疑問を持たないからもしれない点を考えさせられる作品。人間同様に意思疎通ができるゴリラは、ゴリラとして扱われるべきか人間として扱われるべきか、という人権を取り上げた作品でもあり、父や夫を亡くした悲しみを他のゴリラと共有できず、自分はゴリラなのか人間なのかと思い悩む心と体の分離はLGBTに通じるものもある。

クライマックスの論理展開は、今後同様の議論が起こるのではと思わされた。弁護士のダニエルの『人間は何が正しいかという基準を作り上げてきた。…だけど君が最初じゃない…そして君が最後でもない。すぐには変わらないけど、何十年もすれば人間と動物の関係は変わるはず』というセリフはこれまでもいろんな人が、いろんな場面で自身の権利を勝ち取ってきたことが人間の歴史でもあるし、今後は人間だけにとどまらない可能性もあるセリフだと思った。

題材だけ見るとファンタジーのようなイメージがあったけど、決してそんなことはなく、むしろ現実の問題を考えさせられる話だと思う。


あと十五秒で死ぬ(榊林銘)

概要はこちら

短編・中編合わせて4作品が収められているが、4話4様の「十五秒で死ぬ」だった。

一つ目は死ぬ間際の時間を駆使して犯人を告発するという話。十五秒後に死ぬのが確定している中で、手近なもの、限られた動きで犯人を確認し、証拠隠滅されないメッセージを残すという今までに読んだことのない視点で話が進むのは面白かった。マンガやドラマでたまに出てくるすごすぎるダイイングメッセージはこういう裏側があって作られてるかもという新たな視点が得られたのは面白いと思った。

二つ目以降も同じ感じで進むのかと思ったら、全然違う展開。個人的にはこの二つ目の話が好きだけど、一つ目と同じ設定でもっといろんな話を読んでみたいと思った。『名探偵コナン 犯人の犯沢さん』の変型版で凝ったダイイングメッセージを残した被害者視点の話とか作れそうだけどな。


23年10月に読んだ本まとめ

Notionのデータベース機能で管理

《ビジネス・ノウハウ系》3冊
デジタル・フロンティア/「共感」×「深掘り」が最強のビジネススキルである/なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること
《ミステリ》3冊
ロジカ・ドラマチカ/倒産続きの彼女/あと十五秒で死ぬ
《文学》4冊
ランチのアッコちゃん/52ヘルツのクジラたち/ゴリラ裁判の日/神去なあなあ日常

個別の感想はブクログにも投稿。

11月に読みたい本

神去なあなあ日常の後日談でもある「神去なあなあ夜話」は読書中。東野圭吾の新作文庫も出る。最近買ったビジネス書も順次読んでるし、11月中には年間100冊に届きそうかな。

以上


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