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スマートモビリティチャレンジ2021

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出所:https://www.mobilitychallenge.go.jp/introduction

最終更新日:2022年3月18日

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昨年に比べると選定件数が半減。スマートモビリティチャレンジも3年目になり、実証のための実証ではなく社会実装に近い案件が選定されたと推察。
国交省案件の多くは昨年度からの継続案件

経産省案件が全国に散らばる一方、国交省案件は半数が関東に集中。ちゃんと確認できてないが、国交省は別枠のスマートシティプロジェクトで30案件採択しているので、そっちにもMaaSが含まれているかも。

随時アップデート。更新はツイッターでお知らせ。

北海道・東北

1:マルシェバス

📍北海道帯広市

▶注目ポイント
乗客を運びながら、マルシェも行う二刀流バス。コロナ禍で移動販売も増えているが、乗客も商品も同時に運ぶ事例は稀(日本初?)。下の記事を見ると運賃よりもマルシェ機能の方が稼げそうだし、今までお客さんにはならなかった人もバスに親しみを持って乗るきっかけにもなりそう。

  • バスの後方座席を販売スペースに改造

  • 朝イチ販売⇒バスとして運行⇒終着地点の団地で再度販売、市街地に戻り商品補充後、再度バスとして団地に向かい、再度販売。

《実施主体》十勝・帯広新モビリティ検討協議会(仮)

2:めむろコミ★タク

📍北海道芽室町

▶注目ポイント
高齢化が進む低人口密度地域向けソリューション。乗合タクシーによる交通空白地の補完に加え、買い物代行を組み合わせることで地域の限られたリソースを活用する取組み。
実証なので限定的なのかもしれないが、買い物メニューがもう少し充実しているといいなと思った。あと、行きで注文、帰り便で受取りということは、買い物代行を使う場合は往復利用が前提となるということかな。

  • 予約型乗合タクシー。前日までにWEB or 電話で予約。
    紙で申込&会員証受領が必要で、高齢者の利用を想定したサービス設計

  • 定時運行、エリア to エリア(エリア内フリー乗降?)
    現金都度払い、もしくは月額定期方式

  • 買い物代行メニューは、お菓子、生花、お弁当

《実施主体》芽室町、ジェイアール東日本企画、電脳交通、他

3:いってきマース

📍北海道室蘭市

▶注目ポイント
地域の交通網やユーザー層を理解し、事業者との連携をしっかり図りながらプロジェクトを進めている。高齢化率が高い+自家用車分担率が高い地域は日本各地に存在しており、マイカーから公共交通へのシフトは日本全体の課題。大学が関わることで、高齢者だけでなく若年層にも地域交通の課題を意識してもらえるのは良いと思う。

  • オンデマンド交通と相乗りタクシーの実証を実施(買い物相乗りタクシー実証は中止)。

  • オンデマンドはアプリ or 電話予約、相乗りタクシーはアプリ予約。パンフレットもそれぞれ高齢者向け、若者向けを意識した作り。

  • アプリはパナソニックITSが開発。

《実施主体》室蘭市・室蘭テクノセンター・パナソニックITS・室蘭工業大学

室蘭MaaSプロジェクト

4:福祉Mover × MONET

📍宮城県仙台市

▶注目ポイント
福祉送迎車両を共同送迎で効率的に活用するだけではなく、日中の車両の空きで相乗りサービスを提供する点が特徴的。22年度の本格実施に向けて無償で送迎を実施する分には制約がなさそうだが、ビジネスとしてどう法的に対応するかは注目。

  • 施設送迎と通常の相乗りを組み合わせた実証

  • また、福祉車両の送迎支援システムの福祉Moverとの組み合わせた実証となっているが、MONETの配車システムは今回使ってないのだろうか

  • 福祉MoverはSAVSとの組み合わせもあるため、複数台の効率配車はこっちで推進していく可能性も高い

5:Samurai MaaS

📍福島県会津若松市(・茨城県日立市)  ★継続採択案件
 ※便宜的に東北に分類

▶注目ポイント
送客による広告収入(送客手数料)をビジネスモデルに組み込む試み。MaaSアプリによる観光客増の恩恵を受ける企業にコストの一部を広く小さく負担してもらう形を目指していると思われる。

  • MaaSアプリで旅行をしつつ、エリアの対象店舗のレシートを送るとキャッシュバックが当たる取り組み。

  • Samurai MaaSアプリだけでなく、ジョルダンの乗換案内アプリも対象

  • 購入金額に応じた広告料(送客手数料)を地元店舗に負担してもらう試み

《実施主体》みちのりホールディングス、他

関東

6:MaeMaaS

📍群馬県前橋市  ★継続採択案件

▶注目ポイント
今年度の特徴はマイナンバーカードとの連携。マイナンバーカードと連携したMaaS実証としてはたぶん日本初で、今のところ日本唯一だと思われる。
この流れをうまく発展させると本当の意味のMaaSに近づいていくと思う。

《実施主体》前橋市、東日本旅客鉄道、NTTデータ、未来シェア、他

7:ASOVO プロジェクト

📍埼玉県入間市

▶注目ポイント
「チョイソコ」は各地で外出を促す仕掛けづくりとともにシステム提供をしており、アジャイルにチャレンジしつつ成功体験も持っていると思われる。そういった事例の横展開可能性や汎用性がどの程度あるのかは非常に興味深い

  • 入間市、埼玉医科大学、地場の病院、アイシン等による取り組み

  • 高齢者に外出を促しつつ、健康増進につながるかを検証する

《実施主体》アイシン精機、他


8:Oh MY Map!

📍大手町・丸の内・有楽町地区

既存交通以外に、パーソナルモビリティ、自動運転シャトルも統合したMaaSアプリを計画。将来のスマートシティ化に向け、エリアマネジメントの高度化も目指す。

《実施主体》大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会、MaaS Tech Japan、他

9:Universal MaaS

📍山手線周辺/横須賀市  ★継続採択案件

着地側(京都/大阪等)までカバーする形での実証を計画。①オンライン一括介助手配、②リアルタイムバリアフリー地図&ナビ、が今後の方向性。

《実施主体》全日本空輸、京浜急行電鉄、横須賀市、横浜国立大学、他

10:EMot

📍川崎市、箱根町  ★継続採択案件

鉄道に関する機能のアップデート(端末上の2次元コードで改札通過、特急券の予約・購入)でよりシームレスな公共交通利用を促進する。

《実施主体》小田急電鉄、他

11:三浦Cocoon

📍神奈川県横須賀市、三浦市  ★継続採択案件

「観光ナビ」を連携させ、観光ルートを設計・発信することで、渋滞の解消など社会課題の解決を図る。また、複数事業者によるモビリティ拠点開発も計画。

《実施主体》京浜急行電鉄、アイシン、scheme verge、ジョルダン、他

北陸・中部

12:しずおかMaaS

📍静岡県静岡市  ★継続採択案件

中山間地域のオンデマンド実証と、市街地でのOne to oneクーポン配布実験の二本柱。

《実施主体》】静岡鉄道、静岡市、他

13:ノッカルあさひまち

📍富山県朝日町  ★継続採択案件

▶注目ポイント
LINEをユーザーアプリとして利用しており、今年度は独自の地域ポイントとの連携を開始し、お出かけを促す仕組みと連携する実証を行っている。
事業者協力型自家用有償旅客運送を初めて適用した事例としても注目。

  • 予約は前日の17時まで。単独乗車は600円、相乗りは400円。

  • 町の職員による無料送迎でスタートし、現在は地域住民ドライバーの導入やサービスの有料化などを段階的に導入。21年10月から本格運行

《実施主体》博報堂、富山県朝日町、スズキ、他

14:ゆっくりカート 貨客混載型の自動運転×MaaS

📍愛知県春日井市  ★継続採択案件

▶注目ポイント
人を運ぶだけではなく、物を運ぶ(配達)機能と合わせることで、車両稼働の向上、採算性の改善などを目指す取組み。需要密度が大きくない地域において、様々な移動需要を組み合わせる試みが為されているが、どういったビジネスモデルが成り立つか。
システムとしては、人と物で制御(遅延の許容度、停車時間、座席数)を変えている点が面白い。

  • 配車システムはKDDIが開発。人と商品で優先度を変えた運行制御。

  • 車両はヤマハ発動機製のカート型車両をベースに名古屋大学が開発。

《実施主体》高蔵寺スマートシティ推進検討会

15:オンデマンド医療MaaS

📍三重県大台町、多気町、明和町、度会町、大紀町、紀北町

▶注目ポイント
将来の自動化も含めて、マルチタスク車両で何ができて何が課題かを把握することは当面重要。医療や小売りが注目されているけど、店舗を構えてサービスを行っていた分野が可動性を持つことで多様な可能性が拡がるし、新しいアイデアにつながることを期待。

  • 人口減少・過疎化地域における医療課題解決を目指した実証

  • MONETのマルチタスク車両で看護師や保健師が移動診療

《実施主体》三重広域連携スーパーシティ推進協議会

16:近助タクシー

📍福井県永平寺町  ★継続採択案件だが昨年とは異なる取組み

▶注目ポイント
自家用有償旅客運送によるデマンド交通の実証を進めており、将来的には自動運転の融合を目指していると思われる。公共交通のドライバーリソースの確保が難しくなる中、一般ドライバーで補うのか、テクノロジーで補うのか、両方をどう組み合わせるのか。オンデマンド交通・自動運転を同エリアで中長期的に取り組んでいる事例は国内唯一といっていい稀な取り組み。

  • 永平寺町はもともと自動運転の定常運行を実施(2021年3月~)

  • 現状、自動運転は定時定路線運行だが、将来的なオンデマンドを見据えていると思われる。

  • 永平寺町も出資するまちづくり株式会社が取り組んでいるのも特徴的

《実施主体》まちづくり株式会社ZENコネクト等

関西

17:WILLER mobi

📍京都府与謝野町  継続採択案件

エリア型とルート型のオンデマンド交通に、公共交通を組み合わせたお出かけを促進する。

《実施主体》WILLER、京都府、他

18:非密(ひみつ)の大阪プロジェクト

📍大阪府大阪市

都市部における来店予約等を活用した来訪ピークシフトの効果検証
《実施主体》大阪商工会議所

非密(ひみつ)の大阪プロジェクト

19:西播磨MaaS

📍兵庫県播磨科学公園都市

▶注目ポイント
今年度の実証の中でもMaaSらしさが非常に高い取組み。複数のモビリティを同一エリアに走らせ、実験期間中にエリア内でイベントを行い、移動を促す取組みも並行して実施されていた。

  • 既存の路線バスに加え、オンデマンド交通、グリーンスローモビリティ、小型EV、電動キックボードなど新しい交通モードも複数同時に実施

  • ウェブアプリが提供されているが、免許登録が必須だったため断念した。

《実施主体》神姫バス株式会社等

中国・四国

20:TAKUZO

📍島根県美郷町

▶注目ポイント
定額乗合タクシーの取り組み。同方向への移動は相乗りを、逆方向への移動は時間の調整を行うことで少ない台数、少ない需要でも持続可能な仕組みを目指す。効率を追求する一般的なオンデマンド交通とは異なり、幸福性を追求する取り組み。

  • 時間厳守(交通乗継など)の移動がある場合、買い物等の多少の前後が許される移動を調整に使う仕組み。

  • 会員制、月定額料金(約4~5千円)で乗り放題、運行は平日日中のみで1台運行。

《実施主体》株式会社バイタルリード等

21:ゴイッショ

📍香川県三豊市  ★継続採択案件

▶注目ポイント
複数事業者の送迎の集約、非送迎時間車両の活用など、限られたリソースの効率活用に加え、従来施設の担当者が運転していたであろう送迎車両を交通事業者に委託している。地域の交通事業者との共存を図りつつ、乗降データを活用して地域全体のモビリティの効率化+サービス向上(二種免許ドライバーの運転)が見込めるのではないか。

  • 5台の車両で期間中(21.11.29 - 22.01.28)に2000人の送迎を見込む。

  • 実証実験のため、送迎・配達ともに料金無料

  • 食品卸の国分グループが参画しているのは真新しい点

九州・沖縄

22:けやき通りシャトルバス、他

📍佐賀県基山市

▶注目ポイント
シャトルバスとオンデマンド交通の組み合わせで地域内の利便性や効率を高めることができるかの検証だが、シャトル(定路線)、オンデマンド交通(事前予約)の実証を同時にやるのは珍しい。運行エリアが異なるがどこか乗り換えるポイントがあるのだろうか(リリースだけでは読み取れず。けやき台駅あたりにあるかも)。企業送迎やスクールバスなどとの統合は、移動密度の小さい地域での交通維持のためのキーになりそう。

  • 通勤・通学シャトルは東明館の学生や日立物流の社員送迎も担う

  • シャトル2台、オンデマンド交通4台で運行。オンデマンド交通は貨客混載の実証も同時に実施。

《実施主体》きやま地域創生モビリティ研究会

23:my route 宮崎

📍宮崎県宮崎市、日南市  ★継続採択案件

チケット認証に向けたQRコードの活用など、ハードとソフトの融合を計画。

《実施主体》宮崎交通、九州旅客鉄道、西日本鉄道、トヨタ自動車、他

24:沖縄スマートシフトプロジェクト

📍沖縄県  ※昨年度の沖縄MaaSとは別案件

MaaSアプリ『my route』を活用。複数市にまたがる広域な取り組み。オンデマンドとの連携も行う計画。

《実施主体》第一交通産業、NTTドコモ、他

25:北谷観光MaaS

📍沖縄県北谷町

レンタカー・航空機の接続最適化の効果検証(自動運転連携案件)
《実施主体》ユーデック株式会社等

26:がんずぅあいのりタクシー

📍沖縄県宮古島市  ★継続採択案件

あいのりタクシーを軸とした、サブスクリプション・各種企画チケットとの連携を計画。
《実施主体》ジョルダン、オリエンタルコンサルタンツ、他

以上

随時アップデート。更新はツイッターでお知らせ。
https://twitter.com/Mobi_Specialist

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