見出し画像

光りろん研究室 B4輪講 第5回

こんにちは!横浜国立大学 光と物質の量子論研究室(略称:光りろん研) B4の今野(こんの)です!
今回はB4輪講の第5回ということで、越野和樹さんの「共振器電磁気学」の第2章を担当しました。

前回までは原子と自由空間中の光子場との相互作用について扱ってきましたが、今回からは共振器QED、つまり原子と共振器中の光子における量子力学について扱っていきます。

共振器中では自由空間中とは違い、空間のサイズが小さいため電磁場の固有エネルギーの離散化幅が大きく、原子は少数のモードと強く結合します。このような結合系を研究する分野が共振器量子電磁気学と呼ばれています。

共振器QED系の最大のメリットは、この系では電磁場の離散化幅が大きいことから、環境自由度から隔離された少数自由度のクリーンな量子系が実現できる点にあります。この量子系は寿命やコヒーレンス時間が長く、量子メモリとして活用できるそうです。

また、原子―共振器結合系の理論モデルとしてRabiモデルJaynes-Cummingsモデルについても学びました。一つの2準位原子と一つの共振器モードが結合している系のハミルトニアンを考えるのがRabiモデルで、Rabiモデルにおいて、原子―共振器結合が十分に小さいとして、回転波近似を用いたものがJaynes-Cummingsモデルになります。

この結合が原子や共振器の共鳴周波数と同程度かそれ以上大きい領域を超結合領域と呼び、光りろん研ではこの領域を対象とした研究が多く行われています。

結合をどのように大きくすればよいかになどついて活発に議論が行われ、私自身の理解も深めることができました。

光と物質の量子論研究室では輪講に参加するメンバーを歓迎しています!共振器量子電磁力学などを勉強したい方、一緒に参加しませんか?
同大学の学生以外でも、また学生でなくても大歓迎です!またオンラインとオフラインのハイブリッド形式で行えるため遠隔地でも参加できます!

今回の内容はこれで以上となります。次回からは今回の内容について深堀りしていきます。小幡君の投稿をお楽しみに!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?