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光りろん研究室!M1輪講 第1回

こんにちは!横浜国立大学 光と物質の量子論研究室(略称:光りろん研) 新M1の五十嵐達己です!
大学院の生活で新しい環境に戸惑いつつもそろそろ慣れなくてはならないと感じてきています。。

B4輪講が着々と進んでいる中、M1でも輪講が始まり適宜ここにまとめていきたいと思います!
よろしくお願いします!



M1輪講で扱う教科書は幸田清一郎先生の「大学院講義物理化学(第2版) Ⅱ.反応速度論とダイナミクス」です。

この研究室は、名前の通り、光と物質の相互作用を研究しています。これは光と微粒子の反応であり、化学反応が光によってどう変化するのか、さらには光を照射しなくても共振器の存在だけで変化するのかという問題を考えていこうというのが始まりです。
この研究室でも物理化学はまだ未修得な学問であり、研究室みんなで学んでいる最中です!

ぜひ一緒に勉強したい、輪講に参加したいという方がいれば、どなたでも大歓迎です!!対面とオンラインのハイブリッド、オープンに開催していけます!
興味のある方は馬場先生までお問い合わせください!


2024/4/25
第一回はまず、化学反応速度論について定義をまとめていきました。
化学反応の仕組みを反応の速度から考えていきます。
反応式から反応速度式を導き、実際に濃度の時間変化を導くことで反応の様子を理解できました。

少し脱線しますが、ラジカルとはわかりますか?
輪講の際、自分の勉強不足でその時わかっていなかったのですが、ラジカルは不対電子を持つ原子、イオンのことです。通常原子の持つ軌道電子は2つの対を持つことで安定な物質を形成するためにラジカルな反応が起こりやすいということがあります。
今まで学んでこなかった化学の内容も知ることができるのもおもしろいですね!

また、反応速度論において速度定数と温度の関係を表す
Arrhniusの式についても議論が深まりました。

Arrhniusの式
幸田清一郎「大学院講義物理化学 Ⅱ.反応速度論とダイナミクス」より引用

速度定数が温度に依存するという式ですが、これは、巨視的実験により導かれています。この式から始まり、原子や分子などの微視的な反応速度論への考察につながっていきます。

反応の速度を微視的に考えていくうえで反応断面積という概念を導入していきました。この概念は、原子核物理学でも用いられる反応を表す尺度を示します。

幸田清一郎「大学院講義物理化学 Ⅱ.反応速度論とダイナミクス」より引用

この図だけでは理解するのが難しいですが、A分子とB分子が相対速度vに対して垂直な面が面積σ(v)のなかで重なっているとき、A分子とB分子が反応すると考えています。このσ(v)が反応断面積とよばれます。

ここから反応の速度を算出し、巨視的な量であった反応の速度定数と微視的な量である反応断面積との関係を導出することができます。


今回の投稿は以上です、最後までご覧いただきありがとうございます。
次回はM1の中尾さんです。お楽しみに!

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