『決算書の読み方見るだけノート』まとめ
今週の読書録です。
◇印象に残った部分
-負債と純資産
負債とは返済義務のある資本で、純資産とは返済義務のない資本。
また、貸借対照表において項目を並べる順番は上から現金化しやすい順番に並ぶ。
-連結決算とは
親会社と子会社をまとめて1社とみなして行う決算のことを連結決算と呼ぶ。これに対して1社だけで行う決算を単独決算と呼ぶ。
単独決算だとグループ内の会計操作の不正を見抜きにくい。
-決算書を入手する方法
上場企業の場合は以下の3つから情報を入手できる。
(1)ウェブサイト
上場企業の公式サイトには「株主・投資家向け情報」「IR情報」などと書かれた項目がある。
(2)EDINET
金融庁が運営する情報公開システム。全上場企業の決算書を見ることができる。
(3)EDGAR
アメリカの市場の上場している全企業の財務状況がチェックできる。
非上場企業でも規模が大きい会社の場合は、「会社四季報」の未上場会社版でチェックすることができる。
-流動資産と固定資産
流動資産は以下の3つに分類される。
(1)当座資産
特に現金化しやすい。預金や売掛金、受取手形なども該当する。
(2)棚卸資産
いわゆる在庫のこと。
(3)その他の資産
短期貸付金が該当する。
固定資産は以下の3つに分類される。
(1)有形固定資産
土地、建物、機械装置など。
(2)無形固定資産
特許権、商標権、ソフトウェアなど。
(3)投資その他の資産
投資有価証券など。(1年以上の長期保有の債権なども)
-業種による違い
製造業の企業は、売上原価が小さく粗利が大きいが、自社で宣伝や研究開発をする必要があり、販管費が高くなりやすい。
小売業の場合は、仕入れに大きな原価がかかるため粗利は比較的小さいが、宣伝費や研究開発費が製造業と比較してかからないため販管費が低めになる。
-売り上げ成長率
企業の当期の売上高が前期の売上高と比較してどれくらい伸びたかを測る指標が売り上げ成長率。
売り上げ成長率には目安があり、6~20%は超優良水準、0~5%は安全水準、―11%以下は危険水準と言われている。
オイシックスラ大地の2019年の売り上げ成長率は60%を超えている。
-テレワーク浸透で絶好調な【NEC】
日本電気(NEC)の2020年3月期の純利益は23年ぶりに過去最高益を更新した。
これは前年度に人員削減や工場の再編などの構造改革を推し進めた効果だ。
また、2020年1月のWindows7サポート終了による買い替えや、テレワークの増加でのPCの需要が膨らんだ。
そして、医療機関でオンライン診療のシステム導入が進み始めたことや5Gに対応した通信機器の供給が開始されることなど、将来的に需要が拡大する分野での活躍も見られ、今後も収益向上が期待できる。
-【任天堂】のビジネスモデル
任天堂の2020年3月期の決算も増収増益を果たした。主な要因はコロナ拡大による巣ごもり需要だろう。
また、据え置き型ゲーム機『Switch』の販売台数は前期から12.5%減ったが、新たに携帯型の『Switch Lite」が発売されたことでハードウェアの販売台数は前期より24.0%増加した。
しかし、任天堂のビジネスモデルはハードウェアは利益よりも普及させる目的で利益率を低く設定し、開発費がかかっても完成すれば低いコストで大量生産が可能で利益率が高いソフトウェアで利益を上げることだ。つまり、増収増益の直接的な要因はソフトウェアが好調だったためだ。
-コロナ禍で過去最高の売上高を達成した【王将】
王将フードサービスはの2020年が月の売上高が過去最高、経常利益もかなり好調だった。増収の要因としては、既存店や改装店での各種キャンペーンによるリピート客の増加と客単価が増加したことだ。
また、いち早くテイクアウトデリバリーを強化したことや、キャッシュレス決済の推進など環境の変化に柔軟に対応した施策が功を奏した。
-【Amazon】は通販で儲けてない
実店舗が不要で届くまでの時間が短かったり、重量物を宅配してくれたりもするAmazonの通販サービス。日本でも通販で広く知られているAmazonだが、通販よりもクラウドサービスAWSが利益の根源になっている。逆に通販は北米以外では16億9300万ドルの赤字になっている。赤字分はAWSがカバーしている。
赤字であってもAmazonが通販を続ける理由は、ビッグデータの収集が目的で、蓄積したデータをAWSで活用することによって他社のサービスと差別化を図っている。
-iPhone不調だが新たな可能性を秘める【Apple】
Appleの2019年9月期の決算は減収減益だった。理由は明確で売り上げの7割を占める主力製品iPhoneの不振だ。1つの商品に主駅を依存する企業体質にはリスクが伴う。
しかし、AppleはiPhoneに続く収益源として、iCloudやApple Musicなどのサービス事業が成長している。スマホ需要は一巡しているため先行きが見えにくいが、サービス事業は利益率が高く、サブスクリプションなどで顧客を集めれば収益も安定しやすい。
-時代に合わせて変化する【Microsoft】
1995年にPCのOS『Windows95』を発売して人気を得たMicrosoftですが、その後20年にわたって高い時価総額を維持しています、
競争の激しいIT業界で生き抜けているのは、クラウドサービスである『Microsoft365』やビジネス特化型SNS『LinkedIn』など時代に合った新たな分野を開拓し成長しているからだ。また、計算処理能力を提供するアジュール事業も好調を維持している。
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