楽に読んで芭蕉のこころを味わう。現代語訳・松尾芭蕉「おくのほそ道」(上)
松尾芭蕉「おくのほそ道」の現代語訳です(全3巻予定)。
もとの文を重視し、なおかつ読みやすい。
難しい解説は後にして、まずは作品世界を味わう。
このような姿勢で訳しました。作品の様々な背景や、訳出上の問題点なども考えた上で、
できるだけ読みやすく、もとの雰囲気を損なわない訳を心掛けました。
------試し読み(「1 深川・芭蕉の住まい」より)-------
月日はまるで永遠の旅人で、来ては過ぎ去っていく年もまた同じだ。舟を漕いだり馬を引っぱったりして人や物を運ぶ仕事があるが、生涯を通じてそういう仕事をする人たちもまた、旅をする毎日だといっていい。彼らにとっては、旅それ自体が住まいのようなものだ。昔から、旅の途中で死んでいった人(とくに詩人)たちもたくさんいる。
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上巻は、深川(現・東京都江東区)から、武隈(現・宮城県岩沼市)までです。
以下、ぜひお読みください。よろしくお願い致します。
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10,153字
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