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【読書感想】30代にとって大切な17のこと

今年で30歳になるので本田健さんの「30代にとって大切な17のこと」を読んでみた。

本田さんによると30代は"人生で一番忙しい10年"らしい。
29歳で独身の私にはまだ分からないけれど、周りの結婚して子供が生まれた友人や、まもなく還暦を迎える両親を見ていると、自分のことだけ考えて生きてて大丈夫な時期はとうに過ぎ去ったのかもしれない。

本書で述べられている"30代にとって大切な17のこと"は以下の通りだ。

1.いちばん忙しい10年を生き抜く
2.社会の中で、自分の居場所をつくる
3.人生の優先順位を決める
4.家族について考える
5.両親、兄弟姉妹とつながり直す
6.感情を味方につける
7.自分の取扱い説明書をつくる
8.自分のセクシュアリティーと向き合う
9.友人との連絡を絶やさない
10.一生つき合える人と出会う
11.自分のファンをつくる
12.仕事の距離を考える
13.大好きで得意なことを仕事に生かす
14.趣味を楽しむ
15.人生のプランを立てる
16.お金と上手に付き合う
17.「何のために生きるのか」を考える

今回は上記の中から3つ選んで自分の考えを書いてみたい。

いちばん忙しい10年を生き抜く

30代は自分の社会での偏差値が露骨に明らかになる時期らしい。
確かに私も今まで、とくに仕事で高い理想を追いかけてきた。

起業家に憧れて、せっかく取得した国家資格の医療職をやめて、ビジネスパーソンを目指した。
ITに詳しいわけでもないのに、システムエンジニアに転職。

大きな会社だと成長スピードが遅れると思って、ベンチャー企業を選んだ。
その会社は2年弱で辞めた。自分に全く合わなかったからだ。

成長できる環境を求めて飛び込んだけど、環境の変化に適応できず、自己肯定感は下がり、最終的にメンタル不調になった。自分の能力を過信し、実力と可能性を見誤ったのだ。

私に必要だったのは成長できる環境ではなく、結果を出せる環境だったのだ。「この条件(環境)なら自分でもやれる」という根拠のない自信が湧くような条件、要するに自分の得意なことで楽に勝負できる環境を選択するべきだったのだと思う。

「大企業は選ばなかった」などとかっこつけて書いたけど、実際は"選ばれなかった"だけだ。大学院まで出て無駄に高学歴になり、プライドだけいっちょ前になっていたのだ。言うまでもなく、学歴と社会に出て活躍できるかはイコールではない。ものさし(ルール)が違うのだから。

自分の頭で考えて、仮説を立てて行動に移す。結果を直視して修正する。これをスピード感をもって繰り返し実行できる人が仕事に限らず"優秀な人"だと私は思う。

SNSを見ると結婚して子どもをもった友人や、JTCに努めて私の2倍以上の年収がある知人、転職に成功して年収アップした人が嫌でも目に飛び込んでくる。

自分の社会での偏差値を思い知らされた自分は、素直に友人たちの幸せをお祝いすることができないときがある。
そして、喜べない自分を「なんて器の小さい、ひどいやつだ」と自分自身で否定し、引きこもりになっていく。
誰しも余裕がないときは、こんな認知になるのだと思う。

30代は人生の基盤となり、何に時間をかけるかで、その後の人生のだいたいを決めてしまうそうだ。

仕事・結婚・育児・介護。様々なことが同時に起こりうる30代で、「自分のこと」を後回しにしないように生きてみたい

もちろん0か100かではなく、忙しい日々の中でも「自分がワクワクすることが、今日はどれくらいできているか」を意識して過ごしたい。

ほんの少しでいい。今の生活の中に、自分の好きなことを取り入れよう

まぁ、私の場合は早く結婚したいのだけれど。。。

感情を味方につける

感情には「プラス(ポジティブ)」と「マイナス(ネガティブ)」がある。

20代のマイナスの感情は、「自分はイケてない」とか「一人の男(女)として価値が無い」のように、自分だけに向けたものが多い

だから20代の頃はマイナスの感情を自分の中で抑圧して、見て見ぬふりをして過ごすことができてしまう。

ところが、30代というのは、今まで抑え込んできたその感情に追いつかれてしまう

30代では、家族関係が変わったり、職場での人間関係が複雑になったりと、自分だけではどうしようもない状況が多くなる。
自分ではコントロールできない要因で絶望する可能性が高くなるのだ。

そんなとき、大切になるのは周囲のサポートであるが、「誰も自分を理解してくれない」と決めつけてしまうと、本当は手を差し伸べてくれている人がいるのに、自分からそれをはね除けてしまうことになる

振り返ると私の前職での状態は上記に近いものがある。当時は部下が苦しんでいるのに助けてくれない上司を悪者扱いしていたが、「忙しそうだから」という理由で助けを求めなかったのは自分だし、思い通りにいかない自分に絶望し、勝手に落ち込んで絶望したのは自分自身だ。

いつだって人生を難しくしているのは自分自身だ。

次の職場では自滅しないように対処したい。

"聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥"

プライドは捨てて分からないことは分かる人に教えてもらおう。その方が自分にとっても、長期的には組織のとっても良いのだから。その代わり、相手に気持ちよく答えてもらう質問スキルを身に付けたい。

対処方法はもう一つある。絶望の感情をガソリンにしてポジティブな行動を取る方法だ。あのとき感じた劣等感を利用して、「いつか見返してやる!」と頑張ることもできたはずだ。

感情はポジティブであれ、ネガティブであれ人生を動かす推進力になりうる。事実は一つしかないが、捉え方は無数にある。要は自分次第だ。

日常的に自分が「どんなエネルギーで生きているか」を今一度見直してみよう。何が良い悪いということはない。

例えば私は元々は「誰かのために何かしてあげたい」という「貢献」のエネルギーで動いてきた。医療従事者を目指したのもそれが大きいし、今でも医師や社会起業家といった"わかりやすく困っている誰かを助けている人"に憧れる。

ただ、メンタル不調になって分かったことだが、「貢献」のエネルギーが湧くのは"自分に余裕がある状態"のときだけだ。自分に余裕がないとき、他者や社会に対しての関心は薄まる。自分のことで精一杯だ。

でも、それは悪いことじゃない。たとえそれが「生きるために頑張る」という「義務」のエネルギーであっても、次の行動につながっているならば悲観する必要はないのだ。

逆に、中途半端にポジティブなエネルギーはその人を止めてしまう。
今の自分に満足してしまうと、行動する気は失せるのだ。

もちろん現状維持は悪いことではないし、毎日が満ち足りて過ごせたらどんなに幸せかと思う。

ただ、30代の人生で大切なのは、満ち足りることよりも、行動することだ。それが10年、20年先の大きな幸せにつながるはずだ。

「何のために生きるのか」を考える

人生の目的は何か?
超定番のこの質問に30代では答えを出さなければいけないらしい。

人生の目的がないと、嫌なことが起きたとき、自分の軸がブレていたら、何のために生きるのか分からなくなる。

人生の選択肢は無限にあるけど、私みたいに自己肯定感が低くて、今の自分を受け入れられない人間は、きっと「自分を変えるなら30代がラストチャンスだ」とか思っている人も少なくはないはずだ。

私のような人間はセルフコンパッションを実践して、自分を労り、あるがままの自分を受け入れるところから始めた方が良いかもしれない。

また、その劣等感をガソリンに「自分を変えてやる!」「人生逆転してやる!」と意気込むことだけが正解ではないはずだ。

良い意味での諦め、取捨選択を30代後半から40代にかけて、多くの人はしていった方がもっと楽に生きれるのではないだろうか。

自分を変えることはできると思うけど、その過程はそれなりに苦しい。高い理想や大きな夢を掲げる人は確かにカッコいいし、社会的にも評価されるけど、実現するには多大な努力が必要で、気づけば口だけになっていて、自分との約束を守れずに自己嫌悪に陥る人も少なくはないはずだ。

人生を早いうちに諦める。それは悲観するようなことではない。勇気を出して自分の現在地を認めて、手の届く範囲の幸せを手に入れるために、実現可能な選択をしていく至極まっとうな生き方なのです。

と書きながらも、筆者である私は、まだ何者かになろうとすることを諦めきれてはいないのですが(笑)。ほんと子どもです。全然成長していない。

たまたま勉強が少し得意で、でも天才ではなくて秀才タイプ。結果が出ないことが怖くて、できない言い訳を並べて、本気で努力しようとしない、そんなカッコ悪い人間です。

失敗が怖くて新しいことに挑戦できない、この悪い癖を30代では何とか改善したいと思っています。自分のことを気にしているのは自分だけ。ほんとに人は他人の事なんてちっとも覚えていません。自分がそこそこ勇気を出して言った内容も、友人は全然覚えていませんでした。そんなものです。

人間は「やらなかった後悔」が最も大きいそうです。

私の人生の目的はまだぼんやりとしていますが、少なくとも「やらなかった後悔」を最小化できるような生き方を選択していきたいと思います。

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