マガジンのカバー画像

詩の採集

11
よいと思った詩・好きな詩などを勝手に採集していきます。作者の方でマガジン追加を希望されない方がいましたらご連絡ください
運営しているクリエイター

#オールカテゴリ部門

マガジン「詩の採集」について

マガジン「詩の採集」について

私、浅浦 藻が個人的にいいなと思った詩を勝手に追加していくマガジンです。

目的としては
1いい(と浅浦的に思われる)詩を他の人にも読んでもらうこと
2浅浦が自分の知見を広めること
があります。

とはいえ浅浦に影響力や拡散力はほぼないので、1に関して詩の作者の方にはメリットはさしてなく、2に関して言うと完全に浅浦にしかメリットがありません。

浅浦が素朴にめちゃいいと思った詩を、勝手に追加してい

もっとみる
[詩] 声

[詩] 声

テレビを突然消したものだから茶の間は混乱した。今夜、皆で歌番組を見ていると、爺の左手が急に電源を切ったのだ。姉や母や婆が〈いいところなのに〉と口々に小声を尖らせる。何が我慢できなかったのか、爺はもう土間に降りようとしている。〈点けてもいい?〉と中学生の姉。もう少し待ちなさい、と父。〈戦争から戻ってかれこれ三十年にはなるのにねえ〉蜜柑を取ろうとしていつも通りに婆が尻をあげる。女の声高い歌謡曲がつっと

もっとみる