旅先で仕事をするのが夢でした

「忙しい自分」みたいなのに憧れがあったんでしょう。

フリーランスWebライターというのもあり、なんか「どこでも仕事ができる」という部分をすごく強みだと考えていたんでしょう。

しかし、過去のわたしに言いたい。

「旅先で仕事するなら、冷蔵庫に気を付けなさいね」って。


実際、旅先で仕事をしてみたことがある。

飛行機で行くくらい遠くの県へ行ったときのこと。そのときは、納期の関係でどうしても旅行中に原稿を書かないといけなかった。

まず最初に仕事をしたのは、空港。

わたしは飛行機にまったく乗らないので知らなかったが、羽田空港 第二ターミナルの3階には、PCエリアがある。

仕切りのあるカウンターが設置されていて、簡単な作業ができるようになっているのだ。

デメリットは、空港利用者から作業風景が丸見えな点。

わたしは飛行機に不慣れすぎて、出発までにかなり時間があったので、とりあえず空港で作業をしてみた。

これが、はかどるはかどる!

やはり「忙しく働く自分」が好きなのか、たくさんの人が行き交う空港で作業をするのは、非常に効率がよかった。


そして、なんやかんやあって離陸。

飛行機内はWi-Fiとか特になく、作業はできなかった。なんかWi-Fiとかあるのかなと思っていたわたしは、静かにパソコンを仕舞い、読書をした。

そして、なんやかんやあって着陸。無事、目的地に到着した。


次に仕事をしたのは、旅行先のホテル。

これが、ここ数年でも最大のストレスを抱える事件現場となった。

まずホテルへ行く前。久しぶりの一人宿泊に胸を躍らせながら、わたしはコンビニで酒とつまみを調達した。

そのときは、仕事をぱっと終わらせて、晩酌するつもりだったのだ。


結論から言うと、23時過ぎまで仕事はおわらなかった。

ホテルの窓辺に設置されたデスクで、パソコンをカタカタするわたし。

窓から見える旅先の夜景。

夜景を見ながら、酒ものめず、つまみも食べれず、なんなら無料サービスの「ウェルカムドリンク(酒)」も飲めず。


わたしはいったい、何をしているのか?


夜景を楽しみながら、酒を飲みたかった。

なんなら、追加の酒を買いにコンビニ行こうかなとか思っていた。

寂しい。

一人、寂しい。

終わらない仕事、飲めない酒、食べられないつまみ、孤独。

どれだけ弱音を吐いても、聞いてくれる人はいない。


寂しい!!!!!!


朝方はまったく感じなかった強烈な孤独。

夜か。夜の静けさが、孤独感を増幅させるのか。

半べそかきながら、仕事を終わらせる in the summer。


何とか仕事を終わらせて、時刻は23時15分。

やっと終わったと思いながら冷蔵庫を開け『角ハイボール缶 濃いめ』を取り出す。


冷蔵庫のスイッチ、オフだった


ちゃんと泣いた。

深夜まで仕事を頑張ってこれか。

往復3万円以上の交通費をかけて、これなのか。

わたしの人生っていったいなんなんだろう。

考えど考えど答えは見つからず、わたしは酒を飲むしかなかった。


そんな虚無感を抱きながら飲んでも、角ハイボールはオールウェイズおいしい。

そしてアルコールが回れば、なんか全てがOKになる。

「OK!もうどうにでもなれ!」

という気持ちで、笑いながら眠りについた。

もう旅先で仕事はしないと誓った夜だった。


翌日仕事をしたのは、駅ナカのドトール。


これがはかどるはかどる!


やはり朝は偉大だ。

旅先で仕事をしている自分に酔いしれながら、パソコンをカタカタしていた。

なんとか仕事をおわらせて、ちょっぴり観光もし、帰路についた。


結論としては

「夜と冷蔵庫に気を付けろ。」

である。