50代からの女性のキャリア開発
男女雇用均等法が施行されたのは1986年です。働く機会が女性にも開かれましたが、昇進などにはまだ差があり、男性主体だった職場において当事者と受け入れ側の間には様々なコンフリクトが生まれたものです。
「女性労働者に対するセクシュアルハラスメント(セクハラ)防止のための配慮義務」が施行されたのは、1999年でした。また、育児休業取得率が5割を超えたのも1999年です。
つまり、90年代前半より以前に社会に出た50代以上の女性たちは、職場で初めての総合職であったり、初めての育児休業取得や介護休業取得者、管理職等、「働く女性のパイオニアとしてキャリアを切り拓いてきた層」とも言えるでしょう。
参考:スマート総研「男女雇用均等法」
一方で、社会はまだ女性への性別役割の観念が強く残っており、パートナーの転勤帯同や出産後の退職が当然のような雰囲気もありました。「結婚出産時期に離職歴を持つ層」が多いことも特徴的です。
パイオニアとして邁進してきた中では強風や大雨、時には足止め等にあって葛藤があったのではないでしょうか。けれどもその姿が、後輩たちから見ると「エネルギッシュすぎて真似できない…」等の印象を持たれることがあるのは、皮肉なものです。
キャリア相談では、「仕事の機会を得るためにプライベートは後回しにしてきた」とおっしゃる方、「家族ケアのためにキャリアを中断してしまった」とおっしゃる方等、個人個人に様々な背景を抱えてらっしゃいます。
けれども、どの選択をしても蓄積されてきた経験・スキルをそれぞれお持ちです。地域活動や家庭の中で磨かれてきたもの、あるいは、働き続ける女性として身に付けてきたものがありますね!
市場ニーズと照らし合わせて、お一人お一人にアドバイスをさせていただきます。
ロールモデルが少ないからこそ、自分たちで新たな道を創っていけるのではないでしょうか。どの道を選択したとしても、50代からは自分自身と向き合い、組織や社会との関係を見直す時期です。
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