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濡れ落ち葉と定年後の立場逆転

平成の時代、50代向け研修の運営スタッフだった頃に印象的だった話が「妻の濡れ落ち葉になる夫」。
仕事以外で知り合いが少ない夫が、定年後にやることがなくなり、妻の外出についていこうとするというもの。いつのまにか付いている落ち葉のように、つきまとう存在になるという話です。

これには背景があります。普段から地域活動や親戚付き合いが多い人は、年齢を重ねても付き合いは続きます。けれども、仕事以外に人脈やコミュニティを持たない人は定年後に人付き合いがなくなってしまうのです。かつては、多くの男性がそうでした。

亡くなった父もそうでした。ゴルフにビリヤード、マージャンと忙しかった会社員時代。それが、定年後はパッタリと誘いもなくなり、やることが全くなくなったのです。気づけば、親戚付き合いや友人付き合いが多い母の運転手のようになっていたものです。立場は完全に逆転していました。

そうしてさらに高齢になり、運転ができなくなると、ガックリきてしまったのです。

会社の肩書きを外した時に、社会と接点をもっているのか。自分は社会の中でどのような存在なのか、改めて考えさせられることになりますね。

さて、今の時代はどうでしょうか。濡れ落ち葉症候群になる前に、仕事以外の自分の居場所、複数のコミュニティ、今から大切に育てていきたいですね。

今は講師としてお伝えしています。