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ジェンダーバイアスと、職場での対処法

内閣府のサイトにて無意識の思い込み(バイアス)チェックシートが公開されました。職場や家庭・地域において、よくある事例からチェックできるようになっています。ジェンダーバイアスについてはキャリア相談でもよくご相談を受けます。そこで今回は職場での対処法について、お伝えします。

内閣府 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究

男性は仕事優先であるべきバイアス

☑仕事より育児を優先する男性はやる気が少ない

☑男性は仕事をして家計を支えるべきだ

男性が介護や育児等に従事していると「仕事をしていないのか」「奥さん/姉妹/母親は何をしているのか」と周囲から声をかけられたり、休業取得時に「もう、昇進は諦めるんですね」等と声を掛けられる話は今でもあります。

自分が選択しない働き方を選ぶ他者に対して不安を感じ、発せられる言葉なんですね。また、発言の背景を深堀りすると、“家族ケアは女性がやるべき仕事であり、選ぶ女性は昇進は諦めた人である”という本音があることにも気づかされますね。女性にとっても、関係が深い項目なのです。

企業としては、「男性=仕事優先」という価値観を持つ人も、そうではない人もいることを認識し、人によって価値観が異なることと、どのような選択でも個人の選択を応援すると明示する必要があるでしょう。自分で選択できることは当事者の満足感につながりやすく、また周囲の人にとっても多様な働き方の導入は安心感を与えるため、結果的に職場全体のモチベーション維持につながるからです。

女性にはキャリアが必要ないバイアス

☑女性には高い学歴やキャリアは必要ない

☑家事、育児は女性がすべきだ

地方では、「女性は結婚・育児のため仕事を続けられないから」「女性には家族がいる地元に居てほしいから」等で女性の進学を周囲が反対するケースが今でもあります。また、職場において「女性なのに仕事ばかりで大丈夫のなのか?」「キャリアがあると結婚できなくなるよ」等と声がかけられることも実際に聞く話です。

本人が希望し、学力を備えていても機会がないのだとしたら、属性によっては機会がなくなる人権にも関わる事柄ではないでしょうか。そして、彼女らが進学や昇進しないために、男性が進学や昇進ができていたのだとしたら、男性にも関係が深い事柄です。なぜなら、「自分は下駄を履かせてもらったのではないか、公平ではなかったのではないか」と後々考える方もいらっしゃるからです。

企業としては「女性=家庭優先」という価値観を持つ人も、持たない人もいることを認識し、人によって価値観が異なることと、どのような選択でも個人の選択を応援すると明示する必要があるでしょう。「女性なのに仕事熱心だね」「男性なのに育児してすごいね」等の発言がでていないでしょうか。

本人の意欲や選択を認める雰囲気の醸成ができるよう、ジェンダ―バイアスを減らし、個人の持つ意欲やスキル、志向性に真摯に向き合う姿勢を示し続けていきたいものです。

ワークショップや、企業内キャリアコンサルティングを通して支援しています。