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対話とディスカッション、ファシリテーターの役割から

対話の大切さはよく言われていますが、実際にビジネスの場で実践するとその難しさを感じる方も多いのではないでしょうか。ビジネスの場では、ディスカッションに慣れていることが多いからです。

ディスカッションは、ゴールに向かって意見を出し合いながら進める方法です。けれども、対話はテーマはあるものの、ゴールは決まっておらず、多角的な意見を出しながら進める方法です。ディスカッションに慣れている私たちは、ついつい、対話の中でも自分が想定したゴールに向けて早く到達しようと多数派の意見を通そうとしたり、まとめようとする傾向があります。

一方で、対話では、様々な意見を出しながら、全体の形が広がり、少しずつおぼろげな形が積みあがっていきます。その中で、テーマに関する大切な事柄を見つけたり、次につながるテーマを設定していきます。本質を見極めながら進めていく方法なのです。この本質に到達した瞬間はディスカッションとは違う楽しさがあります。


半年前からファシリテーターのプロジェクトに参加しており、その中で、何度も対話の楽しさを体験しました。ただし、そこに到達するためには、参加する全員の話にじっくり耳を傾ける時間が必要です。多数派の意見で無難にまとめるのではなく、少数派の意見も聞き、全員が持つテーマに戻って考える。その繰り返しによって、スタート時に想定できなかったような、創造性が高いアウトプットに出会えます。傾聴力も必要ですが、テーマは何かと考え続ける力も必要です。そうして、創造が行われている中では、いくつもの柱ができたり、螺旋階段のように積みあがっていくこともあれば、一旦崩れて別の柱や階段ができたりと、常に動き続けている感覚があります。


そうしてまた、自分の持ち場に戻り、ファシリテーションの中で対話を進めていくのです。