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ジェンダーバイアスを裏側から探る

男性が多い領域で女性をもっと増やそうという動きに対して「特別扱いではないか」「逆差別ではないか」等と意見が出ることがあります。例えば、ある一定の割合を女性が占めるクオーター性の導入などに対してです。それでも、ある一定の割合を女性、あるいはその領域では少数派(マイノリティ)である層を増やしたほうがいいと考えるのは、男性が少ない領域でどんなことが起こったか、という実体験から学んだことがあります。

流通業や人材サービス業など、女性が多い領域で社会人経験を積んできました。その際に、女性が多い職種に男性が少数派として入る場面が時々あったのですが、例えば10名の職場に男性が一人だけ等少数派すぎると、特別扱いが起こり、それによって周囲の不満が増大することがありました。

男性だけがあだ名で呼ばれる、何かといじれられる、飲み会には最後まで参加を強要されるなど、組織内コミュニケーションの部分では重要なポジションを強いられる一方で、ミスがあっても論理的に反論されるため上司が指導をあいまいにして終わる等です。その状態から、他の同僚と同じように、組織内コミュニケションではいじられ役ではなくなり、仕事では同僚と同じように指導を受けるには時間がかかり、結局「男性は合わない」という判断になったこともあったのです。


男性が多い職場に女性が一人だけ入ると、まずはお飾り的な役割を強いられることがありますが、それと同じことが起こっていたということです。女性が多い職場に入ってくるのだから、いじっていいよね、というような先入観が発生していたように思います。

当事者の中には、鈍感力を発揮してガシガシ組織内に入り込んでいける方もいるかもしれませんが、少数派すぎないようにある程度の割合の同僚がいたほうが、双方にとっても違和感がなく、職場で力を発揮できるようになるスピードは高まるでしょう。


男性が多い職場に女性が一人だけの場合だけでなく、女性が多い職場に一人だけ男性が入っている場面では、“お飾り的な役割なのではないか”と社外からは判断されているのかもしれません。


ジェンダーバイアスは誰にでもあるが、自分にもあると意識することや、反対の立場から見ることで変えていくこともできると思います。


女性が多い職場で働いた男性が感じたことの事例